[前編] EBI & UNICORN~狙ったエモノは逃さねえ~ ライブレポ in Zepp 名古屋(22.4.13)
去年に引き続き、私にとって二度目のユニコーンライブ。
個人的に、名古屋2日目は、今回のツアーで1番ノリにノッた素晴らしいライブだったのではと思う。いつも以上に全員息ピッタリで音にも迫力と一体感が増し、MCは安定のgdgd、いかにも彼ららしい、素敵なライブだった。
1.夢見た男
EBIさんの声がリミックスされたSEとともにメンバーが入場、EBIさんの姿が見えないと思ったらステージセットのゲートから馬のポポちゃんに乗って登場。縄をブンブン振り回しながらポポちゃんとともに移動し、曲スタート。私は一体なんのライブを観に来たのだろう。(褒め言葉)
2.スターな男
私は再結成前のユニコーンを見たことがない(というか生まれてすらいない)ので、個人的にめちゃくちゃ楽しみにしていた曲。予想を遥かに超える、素晴らしい演奏だった。
民生さんの声が歌い出しから絶好調で、高音がめちゃくちゃ伸びやか、「振り返るな振り返ると終わり この世はそんなもの♪」の部分の阿部民によるハモりもバッチリ決まって素敵だった。
そして相変わらず川西さんのドラムがとんでもない。普通に笑顔で叩いているにもかかわらず、笑顔で叩けるような音量じゃない。音量、音圧、迫力が桁違いすぎる。身体中にバスドラがドンドン響いて骨の髄まで振動が伝わった。
3.スペースカーボーイズ
EBIさん大活躍。「認可!」等、民生さんパートの部分をEBIさんが担当。1番印象に残っているのは「火が出る赤いやつ!」。
前回、ドライブしようよツアーでの
(´ё ` ) 火いぃぃ~が出る ぁあ赤いやつっ!!
に慣れていたぶん、EBIさんの、スムーズかつ詰め詰めな
(∂∀∂) ヒガデルアカイヤツッッッッ!!!!
に、不覚にも笑ってしまった。
4.紅CAR
スペースカーボーイズが終わったそのままの勢いで民生さんがギターをかき鳴らし、曲がスタート。
とにかく阿部民のハモりが素晴らしい。ピッチは完璧、音量バランスも完璧、ロングトーンを切り上げるタイミングも完璧、つまり完璧。
さすがはユニコーンの名物夫婦(?)、安定感と互いへの信頼感が溢れ出ていた。
そして民生さん、阿部さんの「名古屋ーー!!!!!」シャウトいただきました!!
~茶番劇① テッシー編~
スペースカーボーイズが終わり、会場が暗転すると、どこからともなく風の音が。
すると始まる、阿部さんによるナレーション。
(´.レ_ ` ) 名古屋城にぃ~歩いて行こうと思ったけどぉ~意外と遠いんだなこれが。
なのでぇ~EBIさんは馬のポポちゃんに乗ってぇ~名古屋城を目指すことにしましたぁ~(どんちゃんボイスで)
ピンスポが当たり、EBIさんがポポちゃんに乗って登場すると、民生さんによるアテレコが始まる。
(´ё ` ) よぉ、俺はEBIだぜ。俺はぁ~EBIだぜ。名古屋ではぁ~海老が人気らしいぜ。衣をつけて揚げてみたりぃ~、丼の上にぃぶっ刺してみたり。…とりあえず名古屋城に向かうぜ。(←いきなり)
すると袖からテッシー登場。こちらのアテレコは阿部さんが担当。
(´.レ_ ` ) ちょいちょいちょい、俺はぁ、天むすマンだ!!
(´ё ` ) 天むすマン??
(´.レ_ ` ) そうだ!!天むす…笑う…笑う天むすマンだ!!笑笑
打ち合わせなしのほぼアドリブだったようで、話が噛み合うまで少々時間がかかり、開始早々すでにgdgdな展開に笑。
その後、回り回ってなぜかプリンセス通りの話に。しかしこの謎展開が、後のMCを盛り上げることになる。
そして最後、EBIさんがポポちゃんごと袖に捌ける際、民生さんが愛知の方言で、
(´ё ` ) 馬を……け、ケッタ置き場に、置かんとかんから………置いとかんとかんから………!
(訳 : 馬を自転車置き場に置かないといけないから。置いておかないといけないから。)
所々言葉に詰まりながら、慣れない方言をとてつもなく小さな声で自信なさげに喋る民生さんが可愛かった。
5.7th Ave.
寸劇が終了し、テッシー&民生さんボーカルの7th Ave.へ。
CDで聴くより、語尾を長く伸ばさず短めに切って主旋律を歌うテッシーに、ハモりの長さをバッチリ合わせる民生さん。
ハモりへの意識の高さと、以前YouTubeでお話しされていた、「上手くハモるにはその人のように歌う。物真似をする。そうでないと馴染まない。」という言葉を思い出した。
~MC①~
曲が終わると、すかさずEBIさんが前に出てきて話し始め、その流れで前述の「プリンセス通り」の話題が盛り上がりを見せることとなる。
(∂∀∂) 最っ高!!「プリンセサアベニュー」最っっっ高!!
(↑先ほどの寸劇で話題に上がったプリンセス通りを「7th Ave.」にかけて「プリンセスアベニュー」と言おうとしたが、噛んでしまう)
噛み噛みのEBIさんに一同爆笑。
(∂∀∂) 噛んじゃったね笑笑!プリンセスアベニュー最っっ高!!(わざわざ言い直す)
プリンセスアベニュー作ったらいいのにね?
(´ё ` ) いや、プリンセス通りあるから。
(∂∀∂) プリンセス通りじゃなくて、曲の方!!7th Ave.の続編で!!プリンセスアベニューどう???
(´ё ` ) ダイアモンド的な?
一同「???」
(´ё ` ) プリンセス プリンセスみたいな。
(∂∀∂) プリプリでいくよ!!誰が作る??
この後もトークは続き、プリンセス通りからのプリンセス プリンセスで特殊な盛り上がりを見せたMC①。
6.西の外れの物語
gdgdなMCのあと、
(∂∀∂) この…ね、スピンオフツアー…次は20年後かもしれませんから。
(´ё ` ) 20年後…… 90?80とか90の人がいますから(川西さんを見ながら)
(∂∀∂) 90?80じゃない?
(´ё ` ) あ、90までいかないか、80か。
(^↓^) どっちでもええわ!
川西さん本日の初発言は、同級生コンビへのツッコミでございました。(しかもオフマイク)
(∂∀∂) ね、20年後、次のスピンオフツアーでお会いできるようにね、それまで僕らも元気で頑張りたいと思います。
(´ё ` ) 俺らがかい!普通そこはお客さんに言うとこなんじゃないの!?「それまで皆さんお元気で」とかでしょ!なにが「僕らも元気で頑張ります」や!!
相変わらずマイペースなEBIさん。
(∂∀∂) えー、それではね、ウエストサイドストーリー……(謎の間)……
(´ё ` ) ンフッ
謎の間に堪えきれず、笑い声が漏れる民生さん
(∂∀∂) …西のぉ~外れの!…物語っ!
を、ものともせず己のペースを貫くEBIさん。
そして始まった「西の外れの物語」。
個人的に、去年のドライブしようよツアーの配信で、EBIさんのベースを弾く指がとんでもない速さで動いているのを見てから、「生であのとんでもない速さの手元を見るまで死ねない!」と思っていたので、ほとんどEBIさんしか見ていなかった。
生で手元を見た感想、
「なんかとんでもない速さだった」。
そんなのわかってるわ。
いや、そうなんだけどね?生で見ても、とんでもない速さってことしかわからなかった。なんかすごいってことしかわからなかった。
何より、あんなにハイテンションではっちゃけて「ベイベーベイベー」言ってる人(失礼)があんなに高度な動きをしていることに、私の脳がバグを起こした。あとEBIさん生で見たら顔小さすぎ。(そこかよ)
7.レディオ体操
個人的にめちゃくちゃ印象に残った曲。
曲自体は音源を何度か聴いたのと、Mステでパフォーマンスしたものを映像で観ただけで、「知ってはいるけどそんなに聴いたことのない曲」という認識だった。
この曲は絶対にライブで聴いた方がいい。生演奏の迫力とかっこよさが段違い。
阿部さん&テッシーのギターパート、私の座席はテシEBI寄りの下手側だったので、ここで阿部さんがこちらに来てギターを弾き始めたときは大興奮。めちゃくちゃかっこよかった。
そして民生さんのボーカルが曲に合いすぎ。当たり前っちゃ当たり前だが、サビ前までの一本調子のメロディーは、民生さんにしか歌えない。他の歌手はもちろん、ユニコーン内の他のメンバーだったとしても、あんなにかっこよくは歌えないと思う。
民生さんが歌うからこそ出る、寝起きのボサボサの頭で煙草を吸っているような気だるげな雰囲気が、どこか色気のある、ハードすぎないロックを作りあげている。
本来この曲は「みんなで盛り上がることのできる、楽しくて明るい曲」の位置付けであることはわかっているが、どうしてもAメロ~サビ前までの民生さんの「色気と上手さ」にやられてしまって仕方がない。
~茶番劇② 民生さん編~
レディオ体操が終わり、またもや会場が暗転、そしてどこからともなく聞こえてくる風の音。
ピンスポが当たりEBIさんが登場すると、今度はテッシーがアテレコを始める。
ζ ` Θ´ζ こ、ここはどこだ…とりあえず向こうへ向かうか……パカラッパカラッ…
EBIさんがポポちゃんごと移動する度、馬の足音までアテレコするオカン・テッシー。
そして準備に手間取っているのか、なかなか登場しない茶番劇のお相手(´ё ` )
やっと登場し、民生さんのアテレコは阿部さんが。
(´.レ_` ) すいませんね、手間取っちゃって!どーも!!シャチホコ太郎です!!どうですか!!このシャチホコった笑顔!!
阿部さんのアテレコに操られるがまま、とりあえず満面の笑みを浮かべる民生さん。
その後もやたらと「シャチホコった笑顔」を推す阿部さんと、それに逆らうことなく何度も満面の笑みを客席に向ける民生さんの図。民生さんの笑顔をたくさん見ることができたのでもうなんでもいいです。(え)
8.ロックンローラーのバラード
(´.レ_ ` ) この俺の喋りがシャチホコればシャチホコるほど……次の曲が感動的になるから笑笑
シャチホコを引きずる阿部さんに一同爆笑後、テンションを切り替えた阿部さんが、照れ屋な民生さんに代わり、かっこよく曲紹介。
(´.レ_ ` ) それでは聴いてくれ。「ロックンローラーのバラード」。
そして始まる演奏。この曲を気に入る母が私の隣で大感動。
民生さんの迫力ある伸びやかな高音と、ツアー終盤でより一体感が増した演奏、すべての相乗効果で素晴らしい1曲になっていた。
そして、普段ユニコーンを聴いていると、「キーボードがいるバンドの良さ」を感じることがあるのだが、この曲がまさにそうだった。
ユニコーンにおいて、阿部さんの存在はとても大きいと思う。それは活動スタイルのみならず、バンドサウンドにおいても。
キーボードがいるバンドは珍しくない。しかし、ユニコーンほど、「キーボードがいることに意味のあるバンド」はいないと思う。
ユニコーンの曲は、「キーボードがいなくてもなんとかなる曲」が少ないように感じる。「服部」、「スターな男」、「大迷惑」…曲を思い出してみると、キーボードがいないとどうにも物足りなくなる気がする曲ばかりだ。
それだけキーボードの使い方、音の入れ方が上手いということだし、印象に残るサウンドをチョイスするセンスがあるということだと思う。
一方で、「WAO!」や「ツイス島&シャウ島」など、もとからキーボードが入っていない曲もある。しかしそれはそれで「物足りないな」と思うことはない。私はここに、阿部さんのすごさを感じるのだ。
昔、阿部さんはどこかのインタビューでこう話していた。
「キーボードがなくていい曲にはキーボードを入れない。無理やり何か弾くより、なんにもしないのが1番。」
若くしてこの考え方をできる人が世の中に何人いるだろう。
ユニコーンでキーボードを弾くことができるのは阿部さんのみだ。多少弾くことのできるメンバーもいるが、「キーボディスト」と名乗れるのは阿部さんだけだろう。
となれば、ユニコーンの中で最もキーボードの知識があるのは阿部さんであるし、その知識を使って、キーボードが特に入らなくていい曲だったとしても、何かしらキーボードを使って音を入れることができるはず。
それを「しない」という選択。
当時20すぎの若者で、民生さんを始めとした才能のあるバンドメンバーに囲まれ、しかも途中加入で厳しい見方をする人も少なからずいる、そんな状況の中で、自分にしか演奏できない楽器がそこにあったなら「俺にしかできないことなんだからやらなくちゃ。結果残さなくちゃ。」
と、「キーボードがなくてもいい曲」でも、なんとか音を入れたり、アレンジを加えたりしてもおかしくないはず。
しかし阿部さんはそれをしなかった。
「キーボードがいなくてもいい曲だけど、自分はキーボディストだから、演奏に合うコードをとりあえず弾いておこう」
ではなく、
「キーボードがいなくてもいい曲なら、自分は何をしたらいいのか。」
を考えた。そして、ギター、ベース、ドラムなどさまざまな楽器を演奏するようになり、ユニコーンの雰囲気もガラッと変えた。
やってもやらなくてもいいことでなく、新しく自分にしかできないことをする。
若くしてその考えに至った阿部さん。本当にすごいと思うし、それだけきちんと周りが見えている人なのだと思った。
ユニコーンが「キーボードがいることに意味のあるバンド」なのは、「キーボードが必要なときにキーボードを弾く。そうじゃないなら弾かない。」からなのだと思う。
そこにきちんとした「意味」が伴っているから、どの曲も心地よく、違和感がなく聴くことができる。
話が脱線してしまったが、この「ロックンローラーのバラード」を聴きながら、そんなことを考えた17の夜。(15の夜みたいに言うな)
~中編に続く~