見出し画像

劇団四季『赤毛のアン』観劇レポ♪➁

こんばんは。
おもち沢えび美の『赤毛のアン』観劇レビューです。
前回は私がアンが好きだと叫んでいるうちに終わってしまったので、今回からやっとレポに入ります(笑)


私が見てきたのは、12月14日(土)13:00開演のマチネです🌞

マリラ:中野今日子さん、ブルーエット夫人:金原美喜さんなどなど、DVD版でもなじみ深いメンバーも。
(マリラの中野さんはDVDではリンド夫人ですが)

まず、ご存じない方のために簡単なあらすじ。
舞台はカナダ・プリンスエドワード島。
グリーンゲイブルズに暮らすカスバート老兄妹は、畑仕事の手伝いに男の子を孤児院から引き取ることにしました。
しかし手違いが起こり孤児院からきたのは女の子。駅まで迎えに来たマシュウは困惑しますが、目を輝かせてグリーンゲイブルズでの暮らしに胸を膨らませる少女のロマンティックなおしゃべりを気に入り、家に連れて帰ることにしました。
帰宅すると妹のマリラも驚きますが、気の小さいマシュウに代わり、赤毛の少女・アンシャーリーに真実を告げました。
翌日アンを孤児院に返そうと仲介人の元へ行くと、ちょうど女の子の手伝いを欲しがっているブルーエット夫人を紹介されます。
ブルーエット夫人宅でアンは初めて自らの身の上を語りますが、それはマリラの想像を上回る痛烈な人生でした。
不憫に思ったマリラは再度アンをグリーンゲイブルズに連れ帰り、自分たち兄妹が”アンのために”生きていくことを決意するのです。

ここまでが、起承転結でいう「起」部分です。

心臓を患う兄を心配しどうしても力仕事のできる男の子が欲しい厳格で効率家のマリラと、天涯孤独で空想だけを生きる糧とする不憫な少女を救いたい無口ながら心優しいマシュウ。

アンを一目で気に入り心を通わせたマシュウの優しさはもちろん、リアリストなマリラが一見正反対のロマンティックなアンに向ける時折の優しさが、物語を非常に温かく味わい深いものにしてくれています。

ミュージカル版の良いところは、原作をとてもうまくまとめているところ!
印象深いエピソードはそのままに、美しいメロディーと、劇団四季らしい(時々結構強烈な)歌詞で笑いあり涙ありのハートフルミュージカルになっています。

えび美の好きなシーンベスト3

③♪「風になろう」byマシュウ&アン

曲名合ってるのかわかりませんが…
第一幕で、リンド夫人に器量が悪いと言われたことに癇癪を起こしマリラに叱られたアンを、こっそり慰めるマシュウのナンバーです♬

リンド夫人に敵意むき出しのアンを見ながら笑っちゃいけないと思いながらも吹き出しそうなマシュウとマリラも面白いし、二階にいるアンと話しに行くために後ろ向きで階段をのぼろうとして即マリラにバレるマシュウの姿もかわいい(笑)

人になんと言われても 言わせておくがいいさ
風はいつも過ぎてゆくだけ 知らない顔をして
試してごらん 風になれたら いつでも幸せさ

他人が言う事なんか気にするな、と伝えるために「風になろう」というオシャレ比喩を使う人が、第二幕で自身の口下手を憂う「言葉」という歌を歌うとは思えませんが、とにかくとても暖かく心にしみる一曲です。

➁♪「腹心の友」byアン&ダイアナ

マイベストナンバーの1位と2位はほぼ同率!
「私はいつまでもいつまでもあなたの一番の親友よ!」と告げるダイアナに対してアンは「あなたは腹心の友よ、親友よりもっともっと大事なの!」として二人で歌い上げます。

腹心の友、というワードは日本で初めて『Anne of GreenGables』を翻訳した村岡花子さんが付けた素晴らしい訳です。日本語の深みを存分に含んだ素敵な言葉だと思います。

初対面から意気投合して、成長して歩む道は異なるけれど大人になっても一生ソウルメイトで居続ける2人にぴったり。

①♪「窓を開けて」byステイシー先生

アンの人生にとってカスバート兄妹と同じくらいに重要だったと思える出会いは、ステイシー先生との出会いです。
彼女はフィリップス先生の後任でアンの担任となる女性教師で、革新的な教育方法で子供たちに光を与えました。

前任のフィリップス先生は1人の生徒をえこひいきした挙句に、その生徒を妊娠させて辞職したんだから、その後任が彼を超えるためのハードルはかなり低いものだったけど。
ステイシー先生主宰の学芸会によく夫婦で招待されたな、と見るたび呆れてしまう。

窓を開けては、曲の後半段々メロディーがジャズっぽく変化していくのがお洒落で楽しいです。
そのノリノリになっていく感じが生徒たちが先生に心を掴まれていく様子を表しているのかなと思ったり、逆に先生が子供たちの個性や才能を少しずつ引き出していく様子の比喩になっているのかなと思ったり。

アンは小説の続編では小学校の先生になるので、ステイシー先生との出会いはやっぱりアンの人生を動かす程の大きな出来事の一つだったんだろうな、と楽しいシーンながら涙を誘う名場面です。

今回見た光川愛さんお歌はピカイチで、歌の中で生徒に呼びかける「さあ!」の一言は見ている私も心を掻き立てられるようでした☆

次回の記事で、過去の演出と今回の再演で変わったところや比較を書いてみたいと思います。
それじゃあまたね🦐



いいなと思ったら応援しよう!