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最近読んだ本 2023/8/20

お盆時期で家族と旅行をしていたり、移動時間が多かったので、がっつりロジャーズの論文集と、あとは漫画とずっと気になっていた小説の原作を読みました。

ロジャーズ選集(上):カウンセラーなら一度は読んでおきたい厳選33論文(2001) C.R.ロジャーズ 著 H.カーシェンバウム/V.L.ヘンダーソン 編 伊東博/村山正治 監訳

ロジャーズ本人の本人についての語りから始まり、パーソンセンタード・アプローチを中心にクライエントに必要な態度と、人間論が描かれる。
文章はそんなに難しくなく、年を経てもそんなに変わらない一貫した考えが繰り返される場面もあり、とてもわかりやすい。
以前読んだロジャーズについての本の理解の肉付けになったと思う。

意外というか誤解されそうな点としては下記が興味深いと感じた。
・深い事例理解は普遍性につながり得るが、あくまでメソッドは科学的だということ。
・人がポジディブな方向性をもっていると信じながら、決して楽観主義ではないということ。

カウンセリングが、指示的か、非指示的かをスコアリングする、というのも面白かった。(信頼性と妥当性についてはどうなのかいまいちわからなかったが)
現代のカウンセリングをいまスコア化したらどうなるんだろうか。

あとは、もちろんだけどカウンセリングのこうあるべきという型がある程度あるのだから、非指示的でありながらも、示唆的で、誘導的とまでは言わないのかもしれないが、クライアントが本人の内臓感覚に触れるための、ある種のコントロールがある、と捉えた。

今までのお悩み相談の経験から、まずは話を聞いて、偽善的に見えたり誘導尋問になってたら話を聞くがわの影響力が強すぎてやだなーとか感じつつ、でも目的は当事者の側に広い選択肢に気づかせ、決定に対する責任を還元する、と言うのは確かに意識はしてなかったけど大切なことだったなーと思った。

作りたい女と食べたい女 (2021) ゆざきさかおみ

漫画、4巻まで出ているようだが手に入らず、ひとまず3巻まで読んだ。
社会や、家族からの価値観に消耗する一方、自分が何に喜び何に安心できるのか、自身の価値観に人と出会うことで気づいてく。
気づきを与えた側にとっては日常だけど、受け取った側にとってはとても大きくて、感動的。

ドラマティックさと生活感のある日常さとのバランスが、漫画という媒体にとてもあっていると思った。
好きな漫画の一つになった。
HNKでドラマ化されているようなので、そちらもみておきたい。

母性 (2015) 湊かなえ

映画化されたものをみて、映画自体はそんなに好きではなかったが、原作は文面は淡々としているものの、語られるものの重さとエグさ、寂しさと奇妙さがあり、読み終わった後に何もしたくなくなった。

自分が学ぶべきは心理学でいいのか、とちょっとだけ改めて考えさせられてしまった。
こんなにも揺さぶられ、物語によって人のシンに迫る方法としての文学、ストーリーを書くのは刺激的で、でも自分の中身が相当抉られるような感じもする。

この間、本ではないが草間彌生の展示を見た時も、何かを表現するときに自分を抉って苦しんでつくられるもの、それだけ自分を苦しめたからこその表現力、影響力ってあるのかなーと感じてしまった。

以上。

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