最近読んだ本 2023/11/28
少し日が空いてしまったが最近読んだ本たち。
子供の心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック (2020) 熊上・星井・熊上
Part2 では「検査報告書の読み取り方と活用例」と題して、実際に検査報告書はどのように書かれており、どのように解釈すればよいかが具体的に例示されていて、具体的イメージを持つのにとても役に立った。
例示されていた検査は田中ビネー知能検査Ⅴ、WISC-Ⅳ、KABC-Ⅱ。
心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門 -エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」 (2015) 原田隆之
具体的な方法を含めて、エビデンスをどう扱うか分かりやすくまとめられていた。
特にランダム化比較試験について、コクランレビューの読み方について、具体的イメージをもててよかった。
認知行動療法以外は実証性がないから使うべきではない、という論については乗りきれてないけど、確かに実証性を担保する努力はしなくてはいけないとは感じる。
一方で何が個々のクライエントにとっての成功かという定義を一般化するのは難しいと思うし、心理臨床のアート的側面が力を大き持つ場面もあるような気がする。
あなたの人生の物語 (2012) テッド・チャン
映画「メッセージ」の原作。
映画もすごいが小説もすごい。
宇宙人とのコミュニケーションを図り、なぜ彼らがやってきたかを明らかにしようとうる話なのだが、言語学と物理学の諸理論を使いながら、未知の文化を頑張って理解しようとする。
そのプロセスがとても面白いし、宇宙人の言語を取得した主人公は、彼らの価値観をも体得し、いまのわたしたちには理解しきれないある能力を手に入れる。
科学的に感じる作品でありながら文学のパワーがすごい。
本当は存在しないはずの事象を、今存在する科学とことばを使って物語として成り立たせるってすごい。
以上