もしかして、濃尾傾動運動 と 琵琶湖の移動(伊賀から近江への)、関係あり?

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2024.8.7 presented in [note] ( //note.com/runningWater/]
2024.8.9 rewritten

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もしかして、濃尾傾動運動と伊豆半島、関係あり?

で、[濃尾傾動運動 (濃尾地塊・傾動運動)] と [伊豆半島が南の海からやってきた] ということの関連について触れたのだが、それに関して、もうひとつ、気になっている事があるので、それを以下に述べよう。

濃尾平野から西方へ向かうと、関ヶ原に至り、そこからさらに西に進むと、近江平野がある。その平野には、日本で一番広い湖、琵琶湖がある。

琵琶湖は、今は、近江にいるが、もとは、伊賀の出だという。

生い立ち, 里口 保文, 琵琶湖博物館, 琵琶湖ハンドブック 三訂版
(以降、このコンテンツを、[コンテンツ 1]と呼ぶ)

には、以下のような趣旨の事が、書かれている。

 約400万年前には、琵琶湖は、伊賀エリア(三重県)に、あった。
 その後、北へ移動して、現在の場所に、やってきた。
 断層運動が起こる場所が、北へ移動し、それにつれて、断層運動によってできる窪地の場所が、北へ
移動した、それが、琵琶湖の移動の原因である。

この、[琵琶湖・大移動]と、[濃尾傾動運動]との間に、なにか、関係はあるだろうか?

それを探るためには、まず、両者の時間軸を合わせる必要があるだろう。

第四紀堆積層 ジオランドぎふ

には、

 「第四紀という地質時代は地球史における現代にあたり、2009(平21)年の国際地質科学連合において258万8000年前から現在までの期間と再定義されている。」

 「濃尾平野地域は、山間部の多い岐阜県内にあって第四紀堆積層が例外的に広く分布する地域であり、ここでは鮮新世末期(約300万年前ごろ)から始まった濃尾傾動運動によって、平野の西端にある養老断層を境にして西へ傾きながら沈降しており・・・」

とあるので、

300万年前から現在に至る、[琵琶湖・大移動]の様を調べる必要があるだろう。

[コンテンツ 1]の中の、年代と湖の場所を関係づけて記している、[図5-6-1 古琵琶湖がつくった地層とその環境]を見ると、

300万年前 といえば、[琵琶湖]が、[甲賀湖]であった時、ということになる。(忍者で有名な、あの甲賀の地に、あったのだ)

その後、
 近江平野においては、断層運動によって窪地が作られる場所が、北に移動し、それにつれて、水が北の方に集まるようになり、その結果、琵琶湖が、北の方へ移動していった。
 
一方、
 濃尾平野においては、傾きが進行し、それにつれて、水が西の方に集まるようになり、揖斐川、長良川、木曽川の流路は、岐阜羽島・集中へと、進んでいった。

濃尾平野と近江平野が、似ている点がある。それは、西側の縁に、断層によってできた山地がある、という事だ。

 濃尾平野においては、養老山地(断層によってできた)があり、揖斐川、長良川、木曽川の水は、その東縁へ、集中していく。

 近江平野においては、比良山地(断層によってできた)があり、その東縁へ、水が流れていき、琵琶湖が形成されている。

その様を説明する下記コンテンツには、以下のように、記されている。

滋賀県の地形と地質を考える ~自然災害の対策にはまず地形地質の理解から~ 滋賀県

 「そのような長い時間を湖でいつづけることは、通常ではほとんどありえません。なぜなら、湖を
構成するために周囲から水が流れ込んできますが、そのときに、一緒に土砂も運ばれてくるために、湖は次第に埋められてしまいます。北湖は普通の湖と比べて 10 倍くらい長く、南湖はさらに長く100 万年くらい前にできたと考えられています。そのような長い期間、琵琶湖は土砂をためなかったのではなく、土砂をためても埋まらない程度にへこみを維持しつづけたからです。へこみをつくっている原因が断層です。琵琶湖の湖底の地下断面を調べると、地層面は、東側から西側に向かって傾いています。この原因は琵琶湖の西岸に断層があり、断層に近い場所ほど深く沈むからです。西側にある断層でこの地盤を下げていますので、断層の近くの方がより深く沈んで、遠ざかったところは沈み方が緩いと考えられます。琵琶湖の西側に急な崖ができていて、東側がなだらかな地形をしているのは、この断層の影響です。。また、断層によって湖の地盤が沈むことが、土砂に埋められてしまわない原因といえます。」

このような事、なにか、どこかで聞いたことがある、という気がする、と思い、調べ直してみたら、下記だった。

濃尾平野 ~花こう岩がもたらした平野~, 岐阜大学教育学部理科教育講座(地学)

特に、このコンテンツ中の
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濃尾平野における沈降運動は濃尾傾動運動と呼ばれています。濃尾平野と西側の養老山地との境界に北北西-南南東方向に養老-伊勢湾断層と呼ばれる活断層が走り,それによって濃尾平野側が沈降し,養老山地側が隆起しています。濃尾平野地域は,東側(猿投山塊)で隆起しているために,全体としては西方へ傾いていく運動,すなわち傾動運動をしています。
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近江平野、濃尾平野、ともに、
 西側に断層があるので、そこから東側のエリアが、どんどん、沈みこんでいく、というストーリーだ。
 双方のコンテンツに付記されている図まで、なにか、似ている、という気がする。

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