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「命懸けてるんだよ、俺たちは」

プレサンス社元社長冤罪事件は、ある学校法人の経営・買収に関連して業務上横領が行われ、それに関与したとして、資金提供元のプレサンス社の社長が共犯として逮捕・起訴されたというものです。

この裁判で、元社長は、結局無罪となりました。
これだけでも、大変な権利侵害なのですが、
現在問題となっているのは、捜査の過程で従業員に対して行った検事の取調べが、特別公務員暴行陵虐罪として、違法かどうかということ。

そして、2024年12月20日大阪地裁で口頭弁論が開かれ、取り調べ映像の一部が公開されました。
約50分間にわたり、従業員を一方的に責め立て続け、そのうちの約15分間は、大声を上げて怒鳴り続けました。

その時の一部は、以下のようなものでした。

「失敗したら腹切らなきゃいけないんだよ。命賭けてるんだ、こっちは」「検察なめんなよ。命賭けてるんだよ、俺達は」
「こっちは金なんかよりも大事な命と人の人生を天秤に賭けてこっちは仕事をしてるんだよ」
「なめるんじゃねえよ。必死なんだよ、こっちは」

時と場所が違えば、職務に命をかける感動的なセリフになったかもしれません。

しかし、この検事は、大阪地検特捜部の超エリート。
淡々と取り調べればいいのに、なぜ、ここまで熱くなるのか、なれるのか。

しかも、怒りの演技でなく、本気の怒り。
自分の言葉に激高して、さらに怒りを高めていく。

みなさんの職場に、いまどき職務でここまで長時間に渡り、相手方に激怒する人なんていますか?
これが、部下相手なら、パワハラで一発アウト。
他人相手だとしても、まちがいなく、クレーム発生の炎上案件。

跳ね返って自分自身のキャリアを傷つけるリスクがあるのに、なぜ、職務上でそこまで怒る必要があるのか。

我々の周囲に、そんな怒り方をする人をみたら、その人のメンタルが心配なので、声をかけますよね。
「大丈夫?、今日は帰りましょうか」
「最近大変そうですね。しばらく休養したらどうですか」

そもそも、現代日本で、自身の命をかける仕事なんで、どれ位あるのでしょうか?
それに検察ごときが、命を軽々に語るなよ。
実際に、命かけていないじゃん。

さすがに検察庁も庇いきれなくなったので、この検事だけの特殊案件として幕引きを図りたいようですが、それではこの問題を見誤ります。

頭脳明晰で正義感もあったはずの検察エリートに、ここまで無理をさせる要因とは、一体何なのだろうか?

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