好きなキャリア理論【キャリコン編集部】
今週のキャリコンサロン編集部からのテーマは「好きなキャリア理論」。
今からちょうど3年前、キャリコン資格取得のために、たくさんのキャリア理論を勉強しました。パーソンズ、ホランド、スーパー、シャイン、クルンボルツ、シュロスバーグ、ブロンフェンブレナー・・・などなど
初めて、テキストを見た時は、頭の中が真っ白になったのを覚えています。何故なら、全て、初めて聞く名前でも有り、勉強を始めてしまったことを後悔したのもこの時でした。養成講座は夜間コース。仕事帰りの18時半から22時半までの4時間を28回通いました。しかも4時間のうち2時間はロールプレイング。大学受験以来の受験勉強。テキストだけが試験範囲では無いため、めちゃくちゃ勉強したのが、今では懐かしい思い出になっています。
受験勉強中は、どの理論が好きとか考えている余裕は無く、とにかく試験対策だけのために、覚えるのに必死でした。
そして今、あらためて考えてみると、さまざまな理論の中でも「プロティアン・キャリア」という考え方が、自分にもしっくりくるし、この考え方は、多くの方に知ってほしいと思います。
この理論は、ボストン大学経営大学院のダグラス・ティム・ホール教授が、1976年に提唱した考え方です。プロティアンとはギリシャ神話のプロテウスから名付けており「変幻自在である」ことを意味しています。すなわち「プロティアン・キャリア」とは、組織によってではなく、個人によって形成されるものでありキャリアを営むその人の欲求に見合うようにそのつど方向転換されるものになります。
■変幻自在なキャリア
人生100年時代、一つのキャリアビジョンにこだわり続けるのではなく、環境やライフステージの変化によって柔軟にキャリアを形成していくことが必要になっています。変幻自在とはいっても、カメレオンのように環境に振り回されて変化するのではなく、自らのアイデンティティ・価値観・軸を大切に、主体的な姿勢でキャリアを築くことを重視します。
■ライフキャリアデザイン
「キャリア」の意味は、様々なとらえ方が有りますが、多くの方は「職業」を思い浮かべるかもしれません。この理論では「職業」だけでは無く、生き方そのものである「ライフキャリア」をどうデザインしていくかが重要なポイントになります。
組織の中では、正直なところ「自由」はほとんどありません。組織のトップであれば、組織を自由にするこは可能かもしれませんが、トップで無い限りは不可能です。
しかし、個人なら、自分の判断で、自分の好きなことが出来ます。
自分は何がしたいのか?
何が好きなのか?
社会に対し何ができるのか?
じっくりと考え、自らの意志でデザインすることが大切だとされています。
■アイデンティティとアダプタビリティ
ホール教授は、アイデンティティとアダプタビリティが、最も重要と言われています。アイデンティティとは「自分とは何者であるのか?」。すなわち「自己理解」つまり「己を知る」ということ。そして、アダプタビリティは、変化する環境に対していかに適応していくか?ということ。
組織にいれば、ある意味、主体性は無くても何とかやっていけます。しかし、組織を離れれば、自分軸をしっかりもって、主体的に生きていかなければなりません。
■プロティアン株式会社
2年前から、業務委託でお世話になっている会社です。その時の社名は「株式会社EDUCI」でした。ところが、2回目か3回目に会社に行った時、代表の金澤美冬さんから「社名をプロティアン株式会社に変更します」と突然言われたのでした。まだ会社を設立して間もないにも関わらず、もう変えるの?と、びっくりしたのを覚えています。このたび、その金澤美冬さんが、本を出版されました。タイトルは「おじさんの定年前の準備、定年後のスタート ~今こそプロティアン・ライフキャリア実践!~」。この本を読んで頂ければ、社名にかける彼女の思いがわかって頂けると思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?