損保マンが、何故、婚活アドバイザーに転身したのか?
■結婚相談業とは
簡単に言えば、結婚願望のある男女の間をとりもつ仕事。いわゆる「おせっかいおばさん」のイメージでしょうか。
結婚相談所(婚活倶楽部 Just Meet-A)と業務委託で仲人(婚活アドバイザー)の仕事をさせて頂いています。
登録会員数は、他の相談所の会員を含めて、全国に約5万人います。20代から80代の会員さんがいます。
その中から、希望の条件にあったお相手をインターネットで検索し、お見合いを申し込むことができます。
■入会から成婚までの流れ
*入会のための、3つの資格
①満20歳以上の現在未婚の方で、結婚に前向きである方。
②結婚生活を営める健康かつ定職(男性のみ)のある方。
③本人確認ができるもの(運転免許証など)のコピー
*入会面談
まずは、本人の結婚に対する考え方や意識について、ヒアリングを行います。初婚の方もいれば、再婚を希望する方もいます。「親から言われたからという理由」では、正直、前にはすすめません。話を聞いてみて、どうしても真剣に結婚しようという気持ちが無い場合は、入会をお断りすることもあります。
*システム説明
システムについてしっかりと説明します。入会金、月会費、成婚料についても説明します。そして、専任の仲人が担当することと、全国の会員(約5万人)の中から、お見合いを組んでいくことを説明します。納得して、結婚の決意が固まれば、入会の手続きにすすみます。
*必要書類の準備
①入会申込書
②本人確認書類(免許証・パスポートなど)
③年収が確認できる書類(源泉徴収票または確定申告書類・男性のみ)
④独身証明書(本籍地の市区町村役場の窓口で取得可)
⑤卒業証明書
⑥写真(プロフィール作成用)
*入会後の手続き
まずは、しっかりとしたプロフィールを作成してもらいます。お見合いが成立するためには、就職試験と同様、いわゆる書類審査のようなものなので、しっかりした「勝負写真」を用意してもらいます。いわゆるスピード写真やスナップ写真では無く、写真館で撮るようにおすすめしています。
プロフィールについては、名前以外は、正確な情報を記入してもらいます。身長・体重は、女性も必須項目になっています。趣味や、自己PRなども、真剣に作成してもらいます。
最近は「AIマッチング」も導入されました。何十項目もの質問に答えていくと、それにマッチしたお相手を「AI」が検索してくれます。その方に申し込むかどうかは、本人の自由です。
*お見合いの申込
お相手への希望条件を入力し、その検索結果より、写真付きプロフィールデータを見ながら、お見合い相手を選んでもらいます。申込の手続きは、それぞれの仲人を通じて、やり取りを行います。双方ともOKならお見合いが成立します。申込をして、2週間経過して、お相手からのOKの返事が無ければ、ご縁が無かったということになります。お相手からの申込がきた場合も同様です。
*お見合い
お見合いの日時が決まると、安易な日時の変更や、この時点でのお見合いのお断りは出来ないルールになっています。違反すると罰金規定もあります。
最近のお見合いは、コロナの影響も有り、ZOOMお見合いが主流になってきています。ZOOMの利点は、気軽に会えること、一日に何人もの方と会えること、夜でも会えることなどがあります。
原則として、女性側の仲人が立ち会うルールになっています。お見合い時刻の約10分前には、ZOOMに入ってもらい、仲人と、お見合いの両者が揃えば、仲人は抜けることになっています。つまり、無事に二人が会えることを確認することが、仲人のミッションになっています。
実際に会う場合は、原則として、ホテルのラウンジで待ち合わせ、ティールームなどを利用します。ホテルであれば、待ち合わせ場所としてわかりやすいことと、落ち着いて話が出来ることが利点です。この場合も、女性側の仲人が、原則立ち会うことになっています。この場合も、ふたりが無事に会えたことを確認することが目的なので、3人で、お茶を飲んだりすることはありません。
仲人が立ち会わない場合、一番大切なことは、ふたりが無事に会えるかどうかになります。お互いに、プロフィール写真でお相手を探しますが、写真のイメージが異なって見つけられないケースがあってはまずいので、事前に、目印(カバンの色や、ハンカチを右手に持つなど)をお相手に伝え、確実に会えるようにすることが一番重要になります。
そして、お見合いの段階では、携帯番号やLINEの交換については、禁止事項になっています。
*お見合いの結果報告
お見合いの結果は、翌日の夕方5時までに、それぞれの仲人に報告してもらいます。
*仮交際
お見合いの結果、双方がもう一度会いたいということになれば、仮交際がスタートします。この時点で、初めてお互いの携帯番号を伝え、次回のデートについては、直接のやり取りになります。
この段階では、実は、複数の方との仮交際は認められています。
仮交際の段階で「この人とは合わないと感じて、交際終了したい場合」は、原則、仲人から相手の仲人へお断りを伝えるルールになっています。その際も、断りの理由を伝える必要は全くありません。実は、一番気になるところではありますが、聞くことも禁じられています。
*本交際
何度かのデートの後、結婚を前提に交際したいとなった段階で、真剣交際となります。この段階になると、他の方との交際はもちろん、新たなお見合いの申込は出来なくなります。
*プロポーズ
本交際を経て、いよいよ、結婚の意志が固まれば「プロポーズ」になります。この時こそ、仲人の出番になります。
例えば、私の男性会員から、そろそろプロポーズをしたいと相談がきたとします。しかし、本人は、まだお相手の気持ちが読み取れず、もしかして、まだ早いかも?と思っていたとします。その場合、私から、お相手の仲人に、その意向を伝えて、お相手の反応を確認したりすることが可能になるわけです。そのうえで、お相手も「プロポーズを待っている」とわかれば、背中を押すことができます。しかし、まだその段階では無いことがわかれば、一旦はストップをかけることもできるわけです。
一生に一度のプロポーズ。結婚式場の中には、その大切なシーンをサポートをしてくれるプランや会場もあります。
■成婚退会
プロポーズが受諾されれば、この段階で、成婚料を頂いて「成婚退会」となります。もちろん、その後の結婚式や、結婚指輪、新婚旅行についての相談やアドバイスも行いますが、ひとつの区切りになります。籍を入れるか入れないか、結婚式を行うかどうかは、ご本人同士の考え方もあるので、それ以降は我々は、タッチしないことになります。
■なぜ、この仕事を選んだのか?
実は昔から「カップルの仲をとりもつ」ということを、実際にやってきた経験があります。かつて、仙台に勤務していた時代に、部下の女性を、英会話学校で知り合った男性に紹介したところ、とんとん拍子に話がすすみ、無事に結婚までいったケースが最初でした。その後、私の弟も、私の高校の部活動の後輩と結婚しました。
私が立ち上げた「仙台明走会(走る異業種交流会)」では、発足から約10年間の間に、約15組のカップルが誕生しました。もちろん、私がすべて結び付けたわけではありません。そのほとんどのカップルが、密かに仲良くなり、いつの間にか、結婚まで行ったわけです。
そういうわけで、身近で、沢山カップル誕生を見てきたわけですが、まさか、それを仕事にすることになるとは、夢にも思ってはいませんでした。
ちょうど2年前、結婚相談業の池津和子さんとの出会いが、私の運命を変えました。大学卒業後、損保一筋38年間で、他の仕事を経験したことがなかったため、60歳以降は、全く別の仕事がしたいと思い、人材紹介業とセミナー講師を始めた訳ですが、池津さんの話を聞いて、結婚相談業も面白そうだと思いました。
但し、話をお伺いした際、結婚が決まって「成婚料」を頂くというところに抵抗を感じていたのですが、実際に、仲人の仕事をやってみると、確かに成婚までの会員さんとのやりとりや、お相手の方とのお見合いのセッティングなど、決して、易しい仕事では無いこともわかり、その報酬として頂くことは正当なことだと思うようになりました。
■マッチング事例
昨年、私の会員さん2名が、めでたく「成婚退会」になり、正式に結婚もされました。
おひとりは、45歳の女性会員です。やや体重も多めの方で、ある宗教の信者でもありましたが、プロフィールがオープンになっているため、ピンポイントで、お相手からお見合いの申込が有り、お互いに条件のあった方との出会いになり、ご結婚となりました。一般的な出会いの場合、本人同士の気持ちが通じて、いざプロポーズの段階で、宗教が理由で、破断になるケースもあるかと思いますが、結婚相談所を利用すれば、そういった心配もなくなります。
もうひとりは、54歳の男性会員。初婚の方でした。何人か、仮交際した後、11歳年下の再婚女性とめでたくゴールインされました。
■最後に
「少子高齢化」と言われるこの時代。結婚しない方、結婚しても子供のいない方、いろいろな方がいます。
「結婚が絶対良い」とは、断言できません。様々なかたの考え方や価値観の違いがあるからです。
今年になって「30代独身向け ライフキャリアセミナー」を、毎月1回、オンライン無料セミナーを行っています。タイトルは「今こそお伝えしたい9つのこと」。そのひとつが「結婚」になります。
ここで、私が、お伝えしていることは、30代独身の男女に向けて「結婚についてはどうお考えになっていますか?」「結婚したいけど、そのうち、きっといい人が現われると思って、何も行動してないのでは?」と、問いかけます。
もちろん、自然な出会いで、運命の人に出会えるのが一番良いことだとは思います。しかし、職種によっては、なかなか自然に出会える機会が少ない方もいるのでは思います。
「このまま、何となく過ごしてしまうと40代になってしまいますよ!」
「結婚すると決めたなら、期日を決めて、戦略を立てて行動しましょう!」
そんなことをお伝えしています。
但し、安易な「マッチングアプリ」にも、ご注意するように伝えています。もちろん、マッチングアプリで素敵なお相手に出会えたカップルもたくさんいます。しかし、さまざまなトラブルに巻き込まれたケースも耳にします。
損保時代、自分の仕事に対して、とても誇りを持って働いてきました。社会的貢献度の高い仕事だと自負を持って取り組んできました。
しかし・・・
保険会社の場合、誰に喜ばれるか?
答えは「事故に遭遇して保険金をお支払いした方」だけなんですね。
幸い、事故に遭遇せずに、無事に何もなかった方は、それが一番良いことでは有りますが、残念ながら、そのことで感謝されることは、ほとんど無いわけです。
逆に、「掛け捨てで損をした」と思われる方も、少なからずいるわけです。
それと比較すると、今の仕事は、多くの方に、喜ばれ、感謝される仕事だと思っています。