ニューイヤー後の楽しみ方
ニューイヤー駅伝
実業団を離れた私は走ることはもうないですが、いつも楽しみに観戦させてもらっています。
今年は特にすごかった。
区間新記録もそうですが、全体の平均的なタイムがぐんぐん上がって来ていました。
総合タイムは毎年気象状況によって大きく変化しますが今年は例年の記録を3分以上縮める高速レースとなりました。
11位の安川電機でも3時間51分台。例年では優勝タイム、悪くても3位表彰台くらいのタイムです。
この駅伝の特徴をいうと、群馬県庁をスタートゴールにし、群馬県内を一周するレース、朝方はそこまで風がないですが、レース後半戦くらいの時間帯には走ることが困難になるくらいの空っ風が吹き荒れるというとても特殊で、先が読みづらい為、駅伝の中でもオーダーを組むのが非常に難しい部類のレースです。
そんなこの大会の区間の特徴を私なりに整理してみました。
各チームのメンバー予想をするのも楽しいですが、だいたい私は終わってからこれに当てはめて結果を見ることで来シーズン戦わなければならなそうな選手をみたりして年明けは楽しんでおります。笑
1区・12.3km
スタートということで、どこのチームも秋シーズンチームトップクラスの走りを見せた調子の良い選手をおきます。スピードスターを配置しそうに思えますが、どちらかというと優先するのは粘り強さ、次の区間が外国人が多いインターナショナル区間となり、順位変動が激しい為、先頭から30秒遅れてしまうと2区でもなかなか修正するのが難しくなってきてしまいます。1区の選手によく言われるのは前が見える位置、競る相手が誰かいる位置でタスキを渡せということです。
2区・8.3km
ここは世界でもトップクラスの選手たちがしのぎを削っているインターナショナル区間。10人抜きは当たり前の順位変動区間です。
ここではオリンピック世界陸上で活躍する選手も数多くいますが、それ以上に若いアフリカ出身の選手達が大ブレイクしていく区間です。
最初の1キロは2分30秒をきって入ってくるので、2分40秒を切って走っていても順位が落ちてしまいます。ここでリズムを崩さないことが日本人選手が戦うためのポイントのようです。
始まるまで展開が全く予想できない。私も3区で待っていたことがありますが、ラストスパートがでの順位の入れ替わりが半端じゃないので2区残り1キロで召集された順位と全然違う順位でタスキが来ることがほとんどです。待つ選手はタスキ受け渡しにミスがないように大慌て、まさに必死です。笑
3区・13.6km
前半戦の流れを大きく握る区間なのでどのチームもここでの失敗は許されません。
ここでチームを支えるのは1年間チームのトラックレースを牽引してきたスピードスターがほとんど。
コース前半、3キロ過ぎに一度曲がってから少しの追い風と緩やかな下りということもあり5キロ、13分台10キロ28分30切りはが当たり前。しっかりとハイペースで突っ込み、流れに乗ってから勝負が始まります。
7〜8キロ地点で大きく左に曲がるコーナーがあり、そこで勝負に行けるか失速するかで区間タイムが1分は変わってしまいます。
2回目のターン後の表情をみていると面白いかもしれません笑
ここもチームごとの差が少なく、20番台のチームが入賞ラインまで上がって来ることが毎年あります。逆も然り、やはりとても重要ですね!
4区・22.4km
各実業団チームの看板選手が名前を連ねるこの区間。
マラソン・ハーフなどロードレースでも活躍する選手が多くエントリーされています。
スピード駅伝となるこの大会唯一20キロを超える長距離区間、各チーム実力のあるエースを配置して後半への流れを作ります。
最長区間でエースが集うということもあり相当見応えのある区間、通過タイムでハーフの日本記録を更新するようなペースで展開されていきます。
ちょうど真ん中の区間でもあるのでここに精神的支柱の選手を置けるかどうかで、前後半の選手達が自分の仕事に集中できるかが決まると言っても過言ではありません。
5区・15.8km
全体で2番目に長い区間、非常に重要な区間。ですが駅伝のセオリーとして前半しっかりと流れを作ることが重要になるために前半に戦力を大きく使いがちです。ですのでここにエース級の選手を置けるチームが毎年上位に食い込んで来ています。
前半区間を任せられる実力を持った選手がここまで温存できるということはいいトレーニングをして夏を越えて秋までしっかりと準備してきたチームでないと成し得ません。途中で風向きが変わりニューイヤー駅伝名物の爆風向かい風が始まります。さらに後半区間で距離も長いので自分の力で押していける自力も必要、とてもテクニカルな走りが要求されます。
6区・12.1km
戦略の6区と呼ばれるほどここでの走りで勝敗が決する年が多いです。
全区間の中でも毎年必ずと言っていいほど突風が吹くこの区間、1キロ3分を切るのがやっとな向かい風の中レース終盤自分でペースを作り前を追いかけなければなりません。
この区間のもう1つの魅力として、若い選手、復調してきた選手がブレイクしてそこから一気にトップレベルへ上り詰めていく区間でもあります。
今年で言えば旭化成の小野選手が大ブレイクしたこともそうですし、
ホンダ陸上部に現役復帰した山中選手など、来年の活躍が注目される選手が数多く走るとても面白い区間です。
しかし私も2015年にこの区間を走りましたが、向かい風で息ができず、走っている側は全然面白くはなかったです。笑
7区・15.5km
最終区間、一見距離も長いし安定した走りをする選手を置くのがベストに感じますが、ニューイヤー駅伝の難しいところで5区6区7区と強い向かい風の吹く区間が続くため、単独走をしているチームは後ろの集団に飲み込まれ、入賞ラインを意識して牽制している集団も飲み込まれ、ラスト1kmまでにいろんなところで大集団が形成されてしまうパターンがとても多いです。
100kmも走って来てラスト1kmのスパート勝負になってしまうのは少し残酷ですが、そこを意識して長い距離を走れる選手の中でもスパート?ガッツのある選手がアンカーを任されます。
なにより群馬県庁にダッシュで突っ込んでいいのは世界で彼らだけです。笑
大会前に書けよ!
てな感じですが、後から見返す楽しさも感じてもらって、マラソントラックシーズンの展望を予想して見てはいかかでしょうか?
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