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信用調書の読解力と財務分析コメントの作成能力の養成講座を終えて

皆さん、少しご無沙汰しております。与信管理コンサルとして活動中の高見です。

さて、先日某企業様の社内研修で取り上げました信用調書の読解力養成講座を終えて、講師として感じました事を、此処でも申し上げさせて頂きます。

大手信用調査機関のTDB(帝国データバンク)やTSR(東京商工リサーチ)が、各々自社が提供するレポートについて、作成者の視点に立って読み方の説明を行うセミナーはよく目にしますが、利用者の立場に立った目線で説明するセミナーはあまりないのではないかと思い、今回お客様からのニーズもありましたので、この度この種の研修企画を行ったものです。


与信管理の専門家としては、信用調書はあくまでも一つの参考資料に過ぎず、基本的に過信はしないことを原則としております。皆さまがよく使用される「信用評点」ですが、確かに一つの指標にはなりますが、決して絶対的な基準ではありません。現に、相当評点としては高い点数が付けられていた会社様が、実際に倒産した実例を、過去に目の当たりにしているからです。

ただ、信用調書を定期的に取得することの重要性は痛感しており、信用評点の推移、業績の推移、あとは調査機関の調査員の書き振りの変化についても、注目しています。

また、掲載されている決算データと実際に直接取り付けた決算書の数値が合致しているのかも必ずチェックするようにしています。日本企業でも時に食い違うケースもありますので、注意が必要です。

今回の研修では色々と信用調書の見るべきポイントを、キャリア30年の商社審査マンの実体験に基づき、できるだけ分かりやすく、そして簡潔に、しかしながら絶対にチェックすべき項目等を懇切丁寧に説明させて頂きました。
基本的に最初のページしかこれまで見てこなかった営業マンの方々にとっては、新鮮に感じられたことと思います。

研修では、個別のサンプル例を2社取り上げて、グループディスカッション形式で討議を行ったことも非常に効果的でした。

そして、今回の研修でもう一つ取り組んだことは、営業マンの方々にも、基本的な「財務分析コメント」を自分の手で作成してみるという演習の実施でした。おそらく、この経験はこれまであまりないものと見られ、悪戦苦闘して取り組まれている様子を垣間見て、とても微笑ましく思えました。

そもそも、営業マンの方にも実践的な財務諸表の読解力を身に付けて頂くという趣旨で今回組まれたカリキュラムであったのですが、我ながらこの視点での研修は面白いと感じました。

是非とも、この様なセミナー開催のご要望がございましたら、遠慮なく、弊社までお問い合わせ頂ければと思います。

今後とも地道に与信管理コンサルとして活動していく予定ですので、どうぞ宜しくお願い致します。

与信管理コンサル 髙見 広行