自民党の裏金問題から読み取れる日本のコンプラアンス感覚の鈍感さ
皆さん、こんにちは。
さて、現在マスコミの報道等で毎日のように報道されています政権与党の自由民主党での裏金問題。
予めお断りしておきますが、このブログでは、日本の政治問題に関わる「イデオロギー論争」に加担する意向は毛頭ございませんし、そもそも私自身が現在の日本の政治家・政治に対して明確に一線を画している身であり、日本の政治家や政治に対して、私の個人的見解を申し述べる価値すらないということを申し添えさせて頂きます。
今回の裏金問題で明らかになったことは、如何に国民目線での政治が為されていないかということが明白になったことです。即ち、法的責任の他人への転嫁、最終的に自分の身分・地位さえ守られればそれで良いという非常に安易な思考、コンプライアンス問題への対処方法についての鈍感さ、であると言えます。
現状、政治(選挙)に金が掛かる体質そのものに問題がある、確かにその通りだと思います。
ただそれは今に始まったことではなく、政治と金の問題は、過去より繰り返し論じられ、改革が施されてきた歴史があります。
今回の問題は、派閥をただ解消しただけで解決するというような単純な問題ではなく、今回の一連の裏金問題の実態をきちんと自民党として、国民に対し説明し、心より謝罪を行うことから始まるものだと考えています。その上で、関係者の政治責任の取り方を明確に表明し、同時に派閥のあり方の再検証(解消も一つの選択肢)が為されるのが筋だと考えます。ここが国民目線と大きく乖離している部分です。
裏金問題の実態解明には、通常、政治家に係る当事者が加わらない客観的な立場で物が言える、第三者による特別調査委員会を組成し、そこでの調査報告書を提示・開示してもらうことが出発点だと考えます。そして、同報告書に基づき、今後の対応策・対応方針が党として纏められ、派閥のあり方を含めての議論が為され、結論を出すというのが筋だと考えます。日本の大手民間企業であれば、今や当たり前のプロセスです。
同時に、例え、今回のように上層部の政治家の法的責任が問われなくても、通常では、会計報告責任者の上に立つ派閥の事務総長クラスの政治家に政治責任があることは明白であり、民間企業であれば賞罰の対象となり、相応の責任を取らされることになります。
国会議員の給与は、基本的には国民から徴収する税金が源泉となっており、その立場から見ても、国民に対して増税問題を語る前に、まずは自分達の金の取り扱い方法を真剣に議論すると共に、国民に向けて曖昧かつグレーな部分を残してはいけないと考えます。
ただ残念なことに、派閥上層部の方々のいずれの釈明会見を拝見しても、一様に歯切れの悪さが印象に残ります。
「私はその事実を知らなかった。ただ管理責任は痛感している。皆様に大変ご迷惑をお掛けしたことを心よりお詫び申し上げる。」といった、真心が全く籠っていない上辺だけの弁明に聞こえてなりません。
例えばの話として、「この度の裏金問題に関しては、当時派閥の要職にいた私自身の政治責任は一切免れるものではなく、まずは此処に国会議員としての職を辞して、再出発を図りたい考えます。尚、今回の事件の責任問題もあり、次回の如何なる選挙にも出馬せず、一から出直して国民の皆様の信頼を少しでも取り戻せるように対処していく所存です。この度は、皆様に大変ご迷惑をお掛けしたことを心より深くお詫び申し上げます。」といった、骨のある発言をした方が一人もいなかったのは、予想通りのこととは言え、ただただ残念で仕方ありません。
リスク管理コンサル 髙見 広行