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指揮者からマーケティングのコンサルタントになった僕とグロースマーケティンググループの2年間について振り返る

入社から2年が経ち、Mtame株式会社からクラウドサーカス株式会社へと会社名も変わるタイミングで、これまでを振り返っておこうと思い書きました。
IT/SaaSに就職・転職を考えている方や音楽家からの転職、新規事業のグロースに関して興味のある方に読んでいただけたら嬉しいです。

帰国から入社まで

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2019年6月12日にイタリア国立音楽院を卒業して、6月23日に帰国。
7月1日からの入社に向けて「ザ・モデル」を読んだりferretでマーケティング用語について頭に叩き込んでいました。
それでも初めて聞く言葉や専門用語ばかりで、知らない業界へのワクワク感は増していました。(当時はSaaSっていう言葉の意味すら知らなかったです)

時差ぼけと戦いながらとにかくインプットをし続け、そして地元の友人の結婚式にも出席し怒涛の帰国後1週間を過ごしました。

配属先は新規事業部

僕の配属されたのは4月に立ち上がった新規事業部で業種特化型のグロースマーケティンググループというコンサルタントチームでした。
僕を合わせて四人、一人はディレクターで僕と上司と先輩で営業からコンサルティングまでを担当するというハードなチームです。
後から上司に聞いた話ですが社長から僕の配属を聞かされた時「え、音楽家
?絶対無理!この人おかしくなっちゃったの...!?」って思っていたそうですw

上司のいない入社1日目

入社1日目はいろんな研修があるはずで上司から指示をもらってくださいと人事の方に言われていたのですが、なんと当日その上司にお子さんが産まれるというおめでたいことになり、それと同じくして僕は誰の指示をもらうことなくスタートしてしまいました。
部署の先輩に助けられ無事に1日目をやり過ごせましたが、右も左も分からない中でめちゃくちゃ不安な1日を過ごしたことは忘れないでしょう。

上司の一言

部署の上司と出会って初めて言われたことは
「基本的に教える時間はないからわからないことあったら時間を奪ってほしい」
日本企業に勤めるのは初めてで、まずは誰かに教わるところから始まると思っていた僕には衝撃的な一言でした。
そして今まで師匠に教えを乞い、その技を盗むという人生を音楽を通して歩んできた僕にとっては基礎がない状態でそれをやることへのアレルギーは底知れぬものがありました。

知らない言葉が飛び交う知っていたはずの国での仕事

イタリアに移住して約7年、その間に僕は日本特有のコミュニケーションの匂いを完全に忘れていました。
それを自覚していたつもりではいましたが、きっと浮いていたんだと思います。
「音楽家からここに?ボンボンが舐めやがって。」
という声も実際に聞こえてきました。
7年も経てば自分の感覚は日本のものではなくなっていて、業界が違えば理解されないことや理解できないことが山ほどありました。
ひどいことを言われて可哀想だな...
なんて思いましたか?
いやいや、音楽の世界だとこれくらいの悪口や嫌がらせは毎日のように目にします。ましてアジア人に対する人種差別で揉まれてきた僕にとっては全く気にならないものでした。
勉強して実力をつけて認めてもらうしかない、と燃えたのも事実。
ここから毎日勉強の日々が始まります。

同期は、なんと6個下

実は学校を卒業した直後だった僕は新卒採用で入社しました。
入社した時は29歳、新卒のおじさんです。
同期はみんな大学を卒業したばかりの元気あふれるいいやつらです。
年齢差は彼らが僕に気を遣わなかったおかげ(遣ってくれていたのかな...?)で転職した同期とも未だに連絡を取り合って一緒に釣り堀に行く仲です。
話は少しそれましたが同期は大切なものです。どんな環境でも大事に思うことで仕事にも前向きになれるんです。

新規事業あるある?顧客もいないしリードもない

当時立ち上がったばかりのグロースマーケティンググループには営業リストがなく、顧客もほとんどいない、新規顧客を獲得するための仕組みも、社内への理解も薄く平たくいうと会社の足を引っ張っている部署と言っても過言ではありませんでした。
法人営業の経験がほとんどない僕でさえ、ピリピリとした空気を感じ取って「あー、きっとやばいんだろうな...」とヒヤヒヤしていたのを覚えています。

リードを取るために僕が起こした行動

社内にいても新しい顧客がやってくるわけでもなく、商談が降ってくることもない、だったら外に出るしかない!
というわけで名刺交換もままならない僕でしたが展示会に乗り出しました。
とにかく名刺を集めてきさえすれば将来的に商談が生まれる、ということは音楽活動をしていたときに身をもって知っていたことがここで役に立ったのです。
そしてこの初めて突入した展示会からその後受注することになります。
参加した展示会のレポートはこちら

四人いた部署が三人に...なのに売り上げKPIは変わらない

入社して2ヶ月が経とうとしていた頃、ディレクターを勤めていたグロースマーケティンググループ(長いから以下GMG)のメンバーの退職が決まりました。
なのに目標予算は四人分と変わらず僕らは焦りました。だって全部の売り上げで足りてないんですもの。
あーだこーだ言っても始まらないのでよりガムシャラに行動することを心に決めたのです。

コンサルティングのアシスタントからスタート

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(当時の提案資料から抜粋)
とあるSaaSベンダーのコンサルティング契約を獲得したGMGでは施策立案から実行までの再現性を高めるために全員で施策にあたっていました。
そこでの僕の役割は、
・競合調査
・記事コンテンツの企画
・記事骨子の作成
・作成した記事の構成確認/リライト
新聞にコラムを書いていた経験からなんとなくライティングの感覚はあったのでこの役割は比較的楽しみながらできました。
しかし、もしこの業務を何も知らない状態で任せられたら何から手をつけていいかわからなく一歩も動けなかったはずです。

入社半年にしてコンサル初受注→初フロント案件

数ヶ月前に行った展示会で獲得した名刺から追客を続けて、なんとコンサルティングの契約を獲得した僕は、初めてのフロントとなる案件を抱えることになります。
何度もお客様のところに出向いて提案を続け受注が決まったときには、すでに燃え尽きかけていた絶望感とこれからスタートというワクワクが混ざった感覚に溺れていました。
そして提案書で提示した施策スケジュールはこちら

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今になって見返してみたらこんなに盛りだくさんよくこなせていたなと白目になります(笑)

僕の成長を裏付けていたのは知識欲とやらなきゃ死ぬという覚悟

音楽業界からIT企業へ転職し、業種はコンサルタント。
こんなイレギュラーな経歴でしたが、音楽家として培ってきたハングリー精神と知識欲、絶対に負けられない戦いがそこにあってこそ全く知見のない世界でも成長を諦めずに続けられたんだと感じています。
そんな学びに対して貪欲な僕をしっかりと支えてくれた上司と先輩、同期のみんなと部署が違えど可愛がってくれる皆さんがいたからこそ今の自分もあるんだと信じて疑いません。

新型コロナウイルスが僕の働き方改革〜テレワークを勝ち取るために〜

新型コロナウイルスが日本に上陸するころ、GMGではテレワークをしたいとずっと言い続けていました。
ある日、試しに一切口をきかずに全てチャットツールのみでのやりとりを社内にいながら検証してみました。
すると黙って仕事をしたことから作業効率が向上したのです。
そしてお客様に対しての対応も円滑におこなえたことから「じゃあ来週から来なくていいよ」ってことになり今日まで僕は出社しない日々を送っています。

徐々にGMGの強みが顕在化し顧客が増え始める、営業成功の鍵は提案の再現性の高さ

GMGが2年目を迎える頃、新しい人員が部署に加わり、より円滑な施策実行ができる体制を目指すようになりました。
その頃から、我々に何ができて、何が実際の強みなのかがわかるようになり、提案にも説得力が生まれるようになってきたのです。
そして提案も徐々に再現性を持たせることができるようになり、顧客のニーズを掴むことができるようになりました。
当時意識していた提案内容は

①自社の課題を明確化し、共通認識として持つ
②その課題に対しての解決方法をGMGでどう提供するかを明確にする
③課題を解決した未来への道を示す

この3つです。
今はもっと細かいところまでの提案をしていますが方向性は変わっていません。
そして何より、顧客に寄り添って、悩みや課題を一緒に共有し解決の入り口まで一緒に歩むことが大切だということを実感します。

更なる新メンバーの加入!

コンサルティングの契約数も増え、コンスタントに成果も出るようになってきた頃、新メンバーの加入が決まりました。
なんと三人も!!!
そして部署が2つの課に分かれることになったのです。
僕の役割は変わらず、営業・制作・コンサルを兼務する激務は変わりませんでした。(今もあんまり変わってないです)
ほんの数ヶ月前までは三人で四苦八苦していたのが嘘のように仕事が回るのを目にした僕は企業という組織の強さを再認識しました。

新規事業のグロースに必要なのは、事業責任者の覚悟と着いていく部下の成長意欲

GMGがここまでやれているのは事業責任者である上司とその上司を信じて成長を諦めなかった先輩、その二人の背中を見て僕自身も成長できたことにあると自負しています。
組織が大きくなると様々な課題が現れます。それも自身の成長の糧にして前に進むとまた新しい壁に出会う、そしてまた乗り越えるために成長する、といったように個人の成長と事業の成長は比例します。

全員がスーパーマンになる

これがGMGの目標であり本当に目指すところです。

音楽家は続けないのか?という質問

この質問よくされます。
続けてます。音楽はずっと続けます。人生を豊かにして僕自身の生き方を表現するために必要だからです。
もしこれを読んでいる音楽家の方がいたら声を大にして伝えたいです。
音楽はあなたが離れない限りはずっと一緒にいてくれます。
パラレルワーカーとして音楽家も続けることができます。
音楽の畑は違う土地でも耕すことができます!

3年目を迎えたGMGは日本でも有数のコンサルタントチームへ

GMGは2021年4月に3年目を迎えました。
クリエイターが新メンバーとして加わりさらにパワーアップした体制になっています。
コンサルタント個人の平均KPI達成率は140%を超えています。
BtoBデジタルマーケティングのコンサルタントチームとしては日本有数のサービスを展開しているところまで成長しました。

Mtame株式会社は合併しクラウドサーカス株式会社へ

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2021年7月1日からMtame株式会社は親会社であるスターティアラボ株式会社を吸収合併する形でクラウドサーカス株式会社としてスタートを切ります。
GMGはそのまま存続しますがパワーアップは間違いないです。

音楽家からの転職/ジョブチェンジは怖くない!?

音楽家の皆さんに伝えたいのは、音楽を続けながらアルバイトをするのではなく、企業に属した状態で音楽を続ける方が自らの知見も深まり音楽もより良いものになる可能性があるということです。
安定した生活が約束されている中で音楽を続けることができれば理想的ではないでしょうか?
違う世界に踏み出すのは誰でも怖いし勇気のいることです。
でも音楽家として生きてきた根性とハングリー精神はどこに行っても通用します。(僕でもできたんですから)
自信を持って踏み出してください。

マーケティングの力で世の中をもっと楽しく!

この言葉はMtame株式会社のスローガンになっています。
新しい会社になるとこの言葉を目にすることは少なくなるでしょう。
それでも僕はマーケティングの力を信じてこれからも自分の成長を求めて突き進んでいきます。

最後まで読んでくれてありがとうございます。
少しでも音楽家の皆さんの勇気になれば嬉しいです。

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