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スペイン ビジャレアルFC へ
4月末〜10日間ほどスペインへ行っていました。目的は「スポーツとは何か?」を探求する旅。3年ほど前から関わらせていただいているA-MAPというアスリート限定のオンラインプログラムをやっているアポロプロジェクトの企画でお声かけいただきました。
今回訪ねたのはビジャレアルFC 。スペインのバレンシア州カステリョン県ビジャレアルに本距離を置くサッカーチームです。ちなみにビジャレアルとはスペイン語で「王の町」という意味だそうです。なので、エンブレムには王冠があしらわれているそうです。
ビジャレアルFCでスペインで初の日本人クラブ監督に就任した経歴をもつ佐伯夕利子さんアレンジの元、スポーツとは何か?を探求してきました。その時の様子を何回かに分けてnoteに記録しておきたいと思います。
佐伯夕利子さんの著書2冊を事前に読み、予習してから参加しました。2冊とも学び多き本なので、スポーツの指導者はもちろんのこと、企業で部下の育成をしている方が子育て中の方にもとってもおすすめです。リンク貼っておきます。
実はこの企画に参加すると決めるまで、夕利子さんのことはほとんど知りませんでした。本を読んでその考え方にめちゃくちゃ共感し、お会いするのがめちゃくちゃ楽しみになりました。「教えないスキル」の中の序章で夕利子さんはこのように記しています。
「これからは、大人になってからではなく、彼らと出会った瞬間からケアが開始されるべきだ」
「フットボーラーを育てれば言い訳じゃない”人”を育てるのだ」
「人格形成ができることは、必ずフットボーラーとしての進化を促進させるはずだ」
「選手じゃなくなった時の彼ら」にも責任を持とう。
というのも、こんな背景があるそうです。
フットボール発祥と言われているイングランドにおいて1部のプレミアリーグのクラブでは、9歳でアカデミーに入団する子供でトップチームでデビューするのは1%に満たないそうです。13歳〜16歳までの間に4分の3以上が戦力外となり、16歳でプロ契約を結んだ選手の98%近くが、18歳時点ですでに1〜5部までの上位リーグで生き残れないという現実。
スペインでも協会登録選手のうち、スペイン1部リーグでデビューを果たすのは2,600人に1人、0.038%という確立だそうです(2000年の数字)プロへの道は思っているより相当に険しいのです。
また、元NBAの選手の約60%が現役を退いてから5年以内に自己破産するというデータも出ています。(2008年のデータ)日本でもプロ野球の選手などでもそういったニュースがたまにありますよね。
私もここ数年ずっとアスリートの引退後についてのサポートをしたいと思って動いていますが、一部のトップを目指す選手は幼少期から競技だけに時間を割き、人生のほぼ全てを練習にあて、社会の接点が希薄なまま大人になります。社会のこと、お金のこともよくわからないままプロになって、大金をもらうこともあります。お金のことだけじゃありませんが、引退した後のギャップでうまく社会に適応していけず、その後の人生をうまく生きていけないという現状があります。そのことに対し、育成の段階から、「フットボールだけじゃなく人間形成をしていこう!」と競技の強化と人間形成を両立させているところに共感しましたし、実際にそれをやれいるのならとても希望に思いました。どうやってそれが実践されているのか?肌で感じられるのを楽しみにスペインへ向かいました。
ヨーロッパはベルリン、ロンドンはマラソンで訪れたことあるけれど、スペインははじめて。スペイン語は子供と一緒にやっている他言語のコミュニティでほんの少しだけやっていたり、去年うちにホームステイに来ていた女の子がメキシコ人でスペイン語だったので、ほんのちょっと馴染みがあるけれど、気候含めどんなところなんだろう〜、とワクワクでした。
バレンシア空港を降りてホテルヘは高速を使ってバスで。車窓には広大なオレンジ畑が広がっていました。どれだけ走ってもこの景色!ってくらい広大でした。
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基本情報として、ビジャレアルFCはバレンシア州にある人口約5万人ビジャレアルに本拠地を置くクラブで、クラブのオーナーはスペインの実業家で、世界有数のセラミック会社のオーナーであるフェルナンド・ロッチ会長。その町のリーガ2部に所属する質素なクラブだったのが、1部昇格しリーガ1部上位やチャンピオンズリーグでも成績を収めるクラブになったそうです。
下部組織の徹底的な強化を実施し、ビジャレアルはそのおかげで人口に対するフットボールのコート数が欧州で一番多いそうです(その様子は別の記事で書きますね!)
ということで、まずはオーナーのやっているビジネスを見るということでPAMESAというセラミック会社のショールームを見学。今年50周年のようで入り口はこんな。このチャーミングなデザイン、日本ではなかなか見ないかも。もうこの時点でテンションあがっちゃった私です。(実は20代の頃、インテリアコーディネーターを目指してスクールに通って勉強していたことがあり、よくショールームには行っていた。)
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ショールームの展示はどれも最高に素敵で。セラミックってこんな風に使えるんだ、という驚きもありました。日本ではなかなかなさそうな、キッチンの天板もセラミックだし、床も壁も天井も収納の扉なんかもみんなセラミック。技術が発達して大理石風のものや木目調のものもあって、一見セラミックとは思えない感じです。
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写真あまり上手く撮れてないので公式のインスタ貼っておきます。
この辺り一体の産業が、元々は最初に写真を載せたオレンジ畑=柑橘系の農業だったそうなのですが、それが縮小してきて、20世紀になりセラミック産業が盛んになってきたそうです。セラミックを作るための材料が豊富だったのかと思います。スペインのセラミックタイル企業の9割がカステリョン県にあるそうです。そして21世紀に入り、スポーツ産業ということでフットボールが1つの産業となっているそうです。
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モザイクタイルについては障がい者の働く場所としてしっかりと雇用してお仕事としてやっているそうです。こうした素敵なモザイクタイルがいろんなところにあって、とっても素敵でした。(障がい者雇用のことは別の記事で書きますね!)
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そして、その後はビジャレアルのホームスタジアムであるエスタディオ・デ・ラ・セラミカへ。2017年に改修し、この黄色の外壁もセラミックタイルだそうです。田舎町にドカーンと黄色いスタジアムがあって街のシンボルって感じです。
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エスタディオ・デ・ラ・セラミカっていうスタジアム名ですが、日本でも最近よくあるネーミングライツです。でも、オーナー企業のPAMESAとなっていないところがすごいのです。産業名をつけているそうです。セラミックスタジアムって感じ。産業で盛り上げていこう!といった思想が込められているそうで、スタジアム内にも同じセラミック企業のロゴも掲載があるそうです。日本ではなかなか考えられないですよね。競合が共にロゴを並べるという。オーナーの心意気というか懐の深さを感じます。
(日本で例えるなら自動車スタジアムって名前にしてトヨタ、日産、ホンダが並ぶようなもの。日本では鎌倉の銘菓は鳩サブレの豊島屋が海岸のネーミングライツを取って会社名をつけなかったってことはありましたね)
そして上の写真のアート。これはスペインの有名なアーティスト、虎ノ門ヒルズにあるルーツというアート作品も手がけたジャウメ・プレンサ氏のものだそうです。市民が一流のアートに触れる機会をということで設置されたそうです。
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そもそもなんでこんなにことができるのか?オーナーすげぇなって思いますよね。そこには『メセナ』という精神があるそうです。
メセナ(mécénat) は、フランス語で「文化の擁護」を意味し、企業が主として資金を提供して、文化・芸術活動を支援すること、だそうで、私も教えていただくまで全く知りませんでした。調べてみると日本にも企業メセナ協議会というのがあるそうですね。
ということで今回の記事はこの辺りで。また続きの記事を書いていきたいと思います!最後までお読みいただきありがとうございました〜!
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