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22_人体を描くのは難しい
キャラクターを描くのは楽しい。
けれど、人体構造をちゃんと勉強して描こうとすると、
終わりがないことに気付きます。
学生の頃は、人体が上手く描けた!と思えるまで頑張ることはできませんでした。
出来なかった というより やらなかった。
19、20歳の専門学校の2年間で、授業以外できちんと人体の練習をしたことはなかったと思います。
だって、難しいんだもの。
どう形をとったらいいかわからないし、良くなる兆しもわからない。
「シンプルに形状を捉える」ことの練習効果を体感できていたら、もう少し成長できたかもしれない。それを体感したのは15年後。
遅い。遅すぎる……。
ですが、人によって気付くタイミングはそれぞれ。
気付いた時が始まりで良い。
そう思いながら、コツコツ朝活しています。
「人体の練習をした方がいいのか」
ゲーム・アニメの商業イラストと呼ばれるものを仕事にしたい場合は、やっておいた方が良いかもしれません と答えます。
何故かというと、作品のキャラクターを依頼で描く という時には
「自然なポーズで描く」という技術要件が求められるからです。
これは、他のイラスト仕事に比べて顕著なことかもしれないと思っています。
「自然なポーズ」
を描くには、人体構造 可動域を把握しておく必要があります。
特に、肩回りと腰回りは技術差が大きく出るところで、難易度も高いです。
人体の勉強でずっとお世話になっているのは、ソッカの美術解剖学ノートです。多分、5%も会得できていないような気がしますが、この先も辞書的な使い方で人体に悩むたびに助けていただく本です。
「人体パーツがどう連動して動くのか」
ということを、少しずつ知識を付けていけるのがこの本の良いところです。
絵の上達という面で見ると速効性があるものではないと思いますが、基礎固めにジワジワと効いてくるイメージです。
1~2年練習を続けていくと、立体の取り方、ポーズの取り方に変化が出てくるのではないかと思います。
先日、坊主頭の描き方を話したことがありますが、人体も「素体」を描けるようになると、今後のイラスト活動がとても楽になると思っています。
脳内イメージしたフィギュアをアウトプットするような感覚です。
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素体を描く というイメージはこんな形になります。
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昔のキャラクターをリファインすると言っても、素体をイメージして、そこに髪や衣装を載せていくイメージです。
今回は、商業を意識しておおげさにポーズをとってみました。
練習のおかげで、ポーズをつけても形がとれるようになってきました。
商業でイラストを描くとなると、キャラにあったポーズを描けるようになる必要があるので「アイドルらしいポーズ」「元気なポーズ」「かわいいポーズ」「学生のポーズ」などパターンを練習しておくのがオススメです。
要は、慣れの問題なので、
シンプルな形で繰り返し描く
その時に、参考と見比べて形が取れていない箇所はどこなのか、を振り返りながら描くと、違和感に気付けるようになると思います。
こちらに服を載せたバージョンは、また別の機会に。