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23_1枚のカラーラフを描くまで

今日はオリジナル作品として描き進めている「バルキリースパイク」のイラスト制作工程を公開したいと思います。

バルキリースパイクは、人間が地球の存続を賭けて神とバレーボールで闘ったとされる世界で、ヴァルハラに集められたバレー選手の卵たちを一人前に育て、再び神に挑んでいくというお話です。

”ゴッドバレー”
かつて、神と人とがバレーボールで地球の命運を賭けて戦ったという伝説があった。バルキリーによって集められた選ばれし少女たちは、神と互角の戦いを繰り広げたという。

時は現代──
神は人を滅ぼすため、最終戦争《ラグナロク》を起こそうとしていた。ヴァルハラに集められた彼女たちを、君は救い出すことが出来るのだろうか

バルキリースパイク あらすじ

どういう媒体で公開していくかは構想中ですが、少しずつ形にしていきたいと思っています。

「大それたものをつくる」というよりは、まずテスト版。読み切り、と小さいものをつくって出していきたい気持ちです。

小さくつくるの大事。

さて、今日は、その中のイラスト工程の公開です。

まだまだ構想段階なので、とにかく色々と描いていって世界を膨らませていきます。

2024年以前と今年で技術的に大きく変わった点は、アナログでラフを描くようになったことです。

イメージを出すことに苦手意識があった私は、デジタル上でツールを動かしていても数を出すことが出来ずに時間だけを消費してることに焦りを感じていました。

1時間椅子に座っていても、1つか2つ出てくるくらい。

ノウハウ本には「小さい枠でレイアウトをつくって沢山数を出そう。その中から良いものをピックアップして詳細に描いていこう」という教えがありましたが、小さい枠でレイアウトをつくる ということができませんでした。

2024年、朝活で少しずつ絵を描くことによって、アナログで描くことの苦手意識が徐々になくなっていきました。同時に、シンプルな形状を今までより早く描けるようになりました。

これがきっかけで「アナログなら、レイアウトをパッとつくれるかも」と思えるようになり、イメージがつくまでのラフをアナログで用意するようになりました。

これが功を奏したようで「頭を使う段階」はアナログで描く方がアイディアが色々と出てくるみたいです。

これは人によると思うので、ひとつの参考としていただけたらと思います。


今回は、オリジナルキャラクター 式根さち のプレーのワンシーンを切り抜いた1枚を描こうと思いました。

彼女は身長182cmの高校1年生 右利き 強烈なサーブに自信のある極度な負けず嫌い。オポジットと呼ばれるポジションで攻撃に全力を注ぐ。いつもひとりで練習している。

式根さち ステータス

練習もストイックで、ひたすら努力を重ねています(スラムダンクの流川をイメージ)。
反面、その性格もあって、バレーに対する考え方に周囲と温度差があったり、円滑なコミュニケーションができる人ではありません。

自分の納得するサーブを追い求める式根

ワンマンな彼女の1球のサーブを絵に落とし込むにはどうしたらいいか。

描きたい動きのイメージをアウトプットしていく

練習により、小さくイメージを描くようになれたことで「理想の1ポーズ」を思いつくだけ描いてみました。

バレーのシーンを描いていて思ったこと。

・上空のボールを見ることが多いので顔が上を向くアオリの形になることが多い

→アオリ状態で可愛く描くには技術がいる。まだそこまで自分の技術が到達していないので、打率が低い(納得できるアウトプットを描ける確率)。手が止まる原因になる

・1ポーズだけでは動きのないようなポーズに見えるため、実写をただ模写すればよいことではない

こういうことを特に感じていました。

「1ポーズで勢いをちゃんと見せたい」

このテーマに合うシルエットを模索し続けました。

この時気にしていたのはシルエットだけです。
〇、△のシンプルな形で勢いがあるように見えるかどうか。

そして、数ある大ラフの中から、これならいけるかも というものを見つけて詳細ラフに起こしてみました。

アナログで描いた中でも、↓のイメージが良さそうだと思いました。

逆三角形は不安定なイメージを想起させるので
これで勢いを感じられないか
最初に描いた詳細ラフ

良い感じで描けたと思いつつ「左腕に違和感がある」と指摘を受けて、サーブの参考資料を見ながら、さらにイメージを練っていきます。

インパクトした少しあとの瞬間を切り抜くことに

左手を直しました。

「力強く打つには力が入っている」という思い込みで最初は描いていたものを、他の資料も見ることで描写の仕方を変えることにしました。

資料を見るのは、やはり大事だなと思います。

アナログでラフが出来たので、これをスキャンで取り込んでカラーラフに移行していきます。

カラーラフをつくる理由は「色をつけたイメージを具体的にするため」です。

カラーラフは設計図のようなものなので、ここまで出来れば 完成したも同然。

色がつくとまた印象が変わります

ここまで出来て、だいぶ表現したいことを1枚に出せたと感じてきました。影を簡単につけただけですが、雰囲気が出たように感じます。

あとは、1日置いて さらに塗り込んでみると

アナログで描いた時には、顔のバランスに違和感は感じていませんでした

表情を大幅修正 陰影でさらにリアルさを増した印象にしました。

アナログで描いている時には、目の位置の違和感には気づいていなかったので、色を塗ったり 時間を置くことで気付けるものがあるなと思いました。

ひとまずカラーラフの説明はここまでです。

あとは、また時間を置いて、違和感のあるところを調整しつつ、線画 着彩へと移行していきます。

バルキリースパイクは、noteにも載せているtiktokアカウントで基本朝に作品の経過を載せています。興味のある方は覗いてみてください。


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