4月から教師になるみなさんへ①
初任者のお世話を5年間してきた立場で、知っておいた方がいいと思うこと①
私が小学校勤務なので、小学校寄りにはなりますが、高校まで共通なこともあるので、参考になるところを見ていただくといいかと思います。
今回は、「心構え」的なことです。
~目次~
①「早目の作業」を習慣化
②「ほうれんそう」をしっかりと
③体調管理もしっかりと
④「休みの日」の使い方
⑤自分の立ち位置を知る
①「早目の作業」を習慣化
3年目くらいまでは、職員向け、保護者向け、外部向けだけでなく、子ども向けの文章やワークシートも、学年主任(教科主任)や管理職に見てもらうことになります。
是非、見てもらって下さい❗経験不足での子ども向けワークシートは、わかりにくいことがほとんどです。せっかく準備しても、ワークシートが?だと、余計に混乱した授業になります。
見てもらうと、必ず手直しが入るので、遅くとも5日前まで(ワークシートは2日前まで)には提出しないと間に合いません。
ギリギリに出すのもいただけません。
5日前までに提出し、手直しをして、2日前には提出完了する習慣をつけてください。それでも、体調不良や不測の事態で遅れることもあります。それを加味して下さい。
バタバタすると、ミスが増えたり、子どもが落ち着かなくなったりします。
②「ほうれんそう(報告、連絡、相談)」をしっかりと
ささいなことでも、先輩や学年主任や管理職に「報▪連▪相」します。できなかった時は電話やLINEでもいいです。翌日でも大丈夫な案件なら、職員室の机上にメモでもいいと思います。
経験不足での「これくらい大丈夫だろう。」の判断はやめてください。特に小学校では、取り返しのつかない結果になることもあります(ケガをした子どもが「大丈夫😊」と言っても、急変することもあります)。
また、「謝罪▪お願い」をLINEでするのは失礼にあたるので、直接言うか、電話で伝えて下さい。どの職種でもそうなので、「世代が違うから」ではなく社会人はそうするものだと知って下さい。
電話した時は「今、お時間大丈夫ですか?」と聞いてから話を始めてください(家庭がある先輩方は、帰宅しても家事や育児、介護などがあるので)。
電話がつながらない時には、都合のいい時間を知らせてもらえるように段取りして、後から電話します。
教師と言えども人間ですから、自分も忙しい中、失礼な後輩に手取り足取り教えようとは、なかなか思いません。
③体調管理もしっかりと
ストレス発散は必要ですが、担任が急に休むと、「時間割変更、自習準備、自習監督準備」と、大勢に負担がかかります。
もちろん、気を付けておいたのに病気になった▪身内に不幸があった などで休むのは、お互い様でカバーし合います。
でも、疲れてるのに、遅くまで遊んでた▪飲み過ぎた▪過密スケジュールで旅行に行った などが原因の体調不良は、無責任です。体調管理はしっかり行い、「いつもと違う。」と感じたら、早目に対処しましょう。
④「休みの日」の使い方
3年目(人によっては5年目)くらいまでは、教師として一人立ちするための修行期間だと、私は思います。
「教師」は「公務員」であり、「子ども達が、将来の日本(少なくとも家族)を背負う人材になるよう教育をする」ことを任されるために、税金で給料がもらえます。法令や規則、コンプライアンス違反でない限り、どんなに学級経営や授業が下手でも、減給▪退職はありません(見直しが必要だと思いますが💦)。
それだけ、一般の仕事より責任ある大変な仕事だからです。「一般の仕事と同じ働き方改革」では、税金で給料をもらうだけの技術は身に付きません。
(もちろん、「学校現場の働き方改革」は必要です!)
ですから、「死に物狂いで」「24時間教師」まではなくとも、ある意味、医療関係者が「命を預かる」のと同等の、「子どもの命と将来を預かる」覚悟を持っての自己研鑽が必要です。
特に小学校は、初任から担任を任され、子どもから見れば、隣のクラスのベテランと同じです。もちろん、ベテランと同じレベルの学習指導▪生活指導ができるはずはありませんが、保護者から沢山苦情が来るようでは困ります。
初任なりに、自己研鑽して熱意を持って取り組んでいれば、保護者も「温かい目」で見守ってくれる方が増えます。
具体的には、
金曜日の放課後に「再来週の時間割」を立て(国語5時間、算数4時間などでOK)、土日で「再来週の教材研究」をし、月~木で再来週の教材やワークシートを準備する(必ず誰かに見てもらう) 。
この繰り返しを、私が後補充する初任には伝えます。つきっきりで指導する立場ではないので、なかなか身に付きませんが😥
それくらいの準備がないと、ただでさえ不慣れな授業が更に分かりにくくなり、それが1年間積み重なれば、他のクラスと雲泥の差がつくことになります。
実際に、算数の単元テストの、学年主任クラスと初任者クラスの「クラス平均」で、20点の差がついたことがありました😵
担任にとっては、「来年への反省材料」で済みますが、子ども達にとっては、やり直しのきかない1年間が「わからない授業続き」では、「大損害」です。
例えば、2年生で九九が身に付かなかった子どもは、「かけ算の筆算、割り算、割り算の筆算、少数のかけ算や割り算(筆算も)、分数のかけ算や割り算、かけ算や割り算の文章問題」などが苦手になります。
大人になればコンピューターに任せることができますが、仕組みがわからないので、騙される可能性は大です。
あくまでも、これは授業準備です。
この他に、毎日の採点作業(宿題、小テスト、テストなど)▪学年や全体で割り当てられた仕事▪初任研の提出物▪研究授業の指導案作成▪時期が来たら通知表(成績は、テストの点数をパソコンに入れれば出ます。所見は、日頃から一人一人について、気が付いたことをメモしておかないと書けません)などが、時にはいくつも重なりながらやってきます。
平日は、その日の授業や仕事で「てんてこ舞い😵」。休日も、自己研鑽や授業準備などで「仕事三昧😣」。
と、希望が持てなくなることを書いていますが、「若い時の苦労は、買ってでもせよ!」です。
5年目くらいになれば、同じ仕事内容が3分の2~半分の時間でできるようになります。子どもの扱いにも慣れて、生活指導も上手くなるからトラブルも減ります。
つまり、「努力したら、努力しただけ」早く技術が身に付き、仕事も私生活も充実してきます。
逆を言えば、「できるほど」でやっていれば、技術向上もゆっくりで、ずっと大変 ということです。もし、「大変」と感じないなら、誰かがカバーしている(誰かに迷惑をかけている)ということです。
休みの日は、「体は休めて、頭と心は先を見越した準備と自己研鑽」を推奨します。
⑤自分の立ち位置を知る
教師同士では
「教えてもらう側」「お世話になる側」です。
いろんな立場の先生方が、いろんなアドバイスを下さると思います。
アドバイスの中には、先輩によってやり方が違うことがあったり、「そんなこと知ってる!」「考えてやってるから、口出ししてほしくない!」と思うものがあったりするでしょう。
でも、先輩方は、嫌な思いや悔しい思いをしながら積み上げた経験から、たどり着いた方法を教えてくれています。
「納得できなくても、やってみたらうまくいった」初任の話を、何度も聞きます。やって損はありません。
今、使いこなせなくても、いつか役立つ日がきます。紙やデータに残しておき、時々見返して、使えるものはジャンジャンつかいましょう。「学ぶ」は「真似る」ことから始まります。
先輩の中には、「自分が苦労して得た方法を、簡単には教えない😤」という人もいるので、教えてもらえることは、ありがたいことです。
保護者に対しては
「子育ての後輩」であり、
「担任する子どもについて教えてもらう側」であり、
「子どもを育てる同士」です。
わからないことは、初任の強味でどんどん聞いて、できないことは、同士として協力をお願いしましょう(学年主任などに相談した上で)。
けっして、「日中、子どもを預かってる人」ではないので、保護者の理不尽な要求や、仕事の範疇以上の要求に従う必要はありません。1人の言うことをきくと際限なくなることがあるので、気をつけて下さい。
子どもに対しては
「言うことをきかせる人」であり、
「子どもに理解を示す人」であり、
「一緒に学校生活を楽しむ人」です。
今は、「子どもの意思を尊重する」ことが一番とされますが、まだ、学習態度も学習習慣も生活習慣も身に付いていない小学生(特に1~3年生まで)の意思を、新学期そうそう認めれば、見る間に学力低下▪学級崩壊します。
まずは、基本厳しく「子どもをコントロールできる」状況にし、ある程度、学習態度や学習習慣や生活習慣が身に付いた2学期半ばくらいから、子どもの意見を取り入れたり、子ども主導の時間を作ったりするのがいいと思います。
子どもに好かれようとしたら、「先生は怒れない」ことを見透かされ、主導権を取られてしまいます。
「先生の言うことはきくもの。きいたら良いことがあった。」「先生は怖いことが多いけど、自分の味方でいてくれる。話を聞いてくれる。面白い時もある。」経験を積めば、コントロールもきくし、自主性も育つクラスにできます。子どもも寄ってきます。
初めが肝心です。「優しい=甘い=言うことをきかなくていい」にならないように、始業式にクラスでする話を学年主任や管理職に聞いてもらうと安心ですね。
①~⑤のような心構えで、5年後くらいには、子どもや保護者に安心を与えられ、周りの教師から頼られる存在に成長していって下さい。
次回は、「授業準備としてできること」を発信する予定です。