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親が嫌いなあなたへ【第二話】
占い師さんに何が見えたのかは分からない。
今、思えば、手相を見る以前に3人並んで歩いていた私達はきっと買い物を楽しんでいる家族には見えなかったのだろう。
ともかく、その占い師は、私と妹に言ったのだ。
母親の前で、
許してあげてね。
1️⃣許すって何?ふざけんなよ。
妹はどう思っているかなー。
妹の反応、いまいち分からん。
母の反応、泣きそうになってる。
ね、お母さん、泣きたいのは私。
占い師さんの後の言葉はなんにも残って
いない。優しい音楽のようだった。
だって、これまでのことを思い出しながら、
何も言葉を発しない左右にいる二人の反応を
気にし、そして考えてたから。
2️⃣お母さん自身も色々プレッシャーがあるか。
夫婦関係、生活費や教育費の金銭問題、お母さん自身の母親との関係、後継問題、反抗期の私や妹の子育て、家事やら仕事やら余裕なし。
3️⃣私たちがつらいという気持ちを誰かに受け取ってもらえたことは、ささくれだった、どうにもならない気持ちが少し丸くなったような、髪の毛を撫でられて気持ちよくなるような感じ、
そう、間違いなく、私のあたまの中に余白が作られたのだった。
とは言え、相変わらず母は変わらなかった。
だんだん妹への風当たりがきつくなった。
私は、たまに母の言いたいことを通訳するよう になった。妹が可哀想だという気持ちがあったし
同志だと思ったから。
その一方で、母の仕打ちは私の方がひどいのだと妹に言った。
痛みに小さいも大きいもないのに。
続く
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