オタクの妊娠 エピソードテン




妊娠糖尿病再検査を言い渡されたその日は千切りキャベツをとにかくモリモリ食前に食べた。そのあと汁物→飯、という順番で完食。元々サラダは最初に食べきる習慣があるけどここまで徹底してるのははじめてだ。あととにかくよく噛んだ。食後にお散歩もした。でもこれはお腹の張りがないとき限定かな~と思う。



日付が変わって、朝は鮭を蒸したものと千切りキャベツ、ごはんと無糖ヨーグルト。腹八分目にするのがいいらしく、ごはんは少なめにした。でもよく噛む分、量を減らしても満足感があるから八分目がいまいちわからなかった。満足しすぎて、これ食べすぎちゃうん。という気持ちになった。そのあと午前中から義母と配偶者と某ホンポへ出産用品を買いに出掛けた。退院直後に必要かつ消耗品ではないものを購入するという目標で、以前同ホンポのキャンペーンでもらった出産準備品チェックリスト(会員登録をするとサンプルとかと一緒にもらえる!やった方がいい)を持って店内散策。まずはチャイルドシートを吟味。本体をクルっと回すことができるタイプを望んでいたけど、今時のは大体回せる様子。値段はピンキリで、高いやつはリクライニングがほぼ完全に倒せてベッドみたいに使えるっぽかった。ほどほどの値段で長く使えそうなものを選んだ。あとでネットで調べたら(先に調べろ)まあまあ人気のやつだった。



次に抱っこひも。多すぎてびっくりした。わたしはもうお腹が出てしまってるので配偶者にいくつか試着してもらった。付け方はちんぷんかんぷんだったけど、見かねた店員さんがやってきて親切に教えてくれた。新生児の重さの人形も貸してもらえてとてもわかりやすかった。比較的装着しやすく、腰板のようなものがついて安定し、通気性がよさそうなものを選んだ。なんかおしゃれブランドとコラボしてるものとかもたくさんあった。ある程度装着してから赤を抱くタイプと、抱きながら装着するタイプがあり、落としそうで怖すぎて前者にした。きっと慣れたらそうでもないのだろうけど。



後はリストに従って肌着やハンカチなど大量の布類をぽいぽいとカートに入れた。わたしと配偶者はミッフィーが好きなのだけれど、どのコーナーに行っても大抵ミッフィーがスン…とした顔で陳列されていてかわいかった。他のキャラクターものはディズニーとか幼児番組のものが多く、意外とサンリオは少なかった。義母はわたしたちの趣味を知っているのでミッフィーを積極的にかごにどんどん入れてくれてとっても嬉しかったし、お会計を全てもってくださった。ありがたすぎる。後は実家に戻ってから、オムツやおしりふきなどの消耗品を妊婦面談時に市役所でもらった子育て応援クーポンが使えるサイトで購入し配送してもらおうと思う。ベビー用品屋さんの店舗内をゆっくり見て回ったのははじめてだったけれど、とにかく服や靴下はちっちゃくてかわいくて、どれだけ見ても飽きないなという気持ちだった。帽子コーナーなんてかわいすぎて逆に目を逸らした。義母も選ぶのが楽しそうだったからよかった。



その日はお昼を3人で一緒に食べて、義母は帰宅。配偶者は野音へ出掛けた。わたしはまっすぐ帰ってKAMIGATA BOYZのDREAM IsLAND配信をフォロワーと楽しんだ。自分的にはありえない神セトリで一生楽しくて、逆に笑った。ずっと待ち望んだ、Aぇがなにわと、そして他の関西の先輩と対等にステージに立つ姿はあんまりにも感慨深かった。ここまでこれたんだなと胸が熱くなったし、前述したとおり本当に神セトリで聴きたい曲は全部聴けたなというくらいの満足感。晴れて20周年を迎えたSUPER EIGHTは堂々の貫禄でスタジアムを支配し、アイドルとして100満点以上の挨拶を聞かせてくれた。関西の未来は明るい。ここまで来るのに本当に色んなことがあったひとたちの集まりだ。それなのにこんなに明るくて少し寂しい希望の歌をうたいつづけてわたしたちを照らしてくれる。辛くてもただ、そこにいてくれる。これをアイドルと呼ばずになんと呼ぶのか、としみじみ。関西最高!いけなくて寂しい!配信してくれてありがとう!!!!!



翌日はフォロワーとラストマイルを鑑賞した。あんまりにも隙のない脚本に脱帽。この面白さで的確に社会問題を組み込む巧みさ。役者のよさを存分に堪能できるこの采配。ぜんぶよすぎて笑っちゃった。過不足…ゼロ。映画らしい爆発!みたいな演出もふんだんで楽しかった。ちょっと悲しかったけど。そのあと焼肉食べた。肉はいい。本当に。糖質は控えめだし。肉って最高だね。

フォロワーのJOE指人形。わたしのイマジナリー正門と違って場を回したりしない。



その後はいそいそと赤に影響のない程度で糖質を制限し、来る妊娠糖尿病再検査日。仕事を休んで病院へ向かった。わたしは実は注射がダァーイ嫌いだ。だって痛いモォン。でも意味あるモォンだからやってやってあげてるだけで、できればやりたくない。のに、3回も採血で草も生えん。採血こそそろそろ医療の進歩でいい感じにやれんのか?と思う。



まず前日21時から絶食の状態で朝イチの採血。そのあと前回より甘くなったっぽいサイダーみたいのを飲んで、1時間待機。外出もOKなのでわたしは近所のスーパーに出掛けた。業務スーパーは肉類が安くてLOVE。そのあと10分前くらいに戻って、時間きっかりにさっき採血したのと逆の腕で採血。そしてまた1時間待機。天気もよかったのでお散歩をした。学生さんの多い駅なのでワイワイしているイメージだったが、朝だから人も少なくのんびりしていていい時間だった。20分前くらいに戻ってゆっくり休んでまたさっきとは逆の腕で採血。終わってからは2.3分止血バンドをつけて様子を見て、落ち着いたら帰宅。動いていたから意外とあっという間に終わった。結果は悪かった場合は早めにお知らせする必要があるので1.2日中に電話連絡が来るとのこと。



帰ってからはゆっくりごはんを食べ、なにわ男子のアオハル円盤を観た。若さ溢れる輝きに圧倒された。どうしてジュニアの頃の西畑ってこんなにも目がギラギラと輝いているのだろう。今の穏やかな心地のいい、春の午後の木漏れ日みたいなきらめきも心底愛しいけど、これはやっぱり忘れられない。この目とこのステージでみせるオーラに惹かれたのだなとしみじみ思う。他メンバーも今よりオラついてたり大人しかったり、もうやらない掛け声をやっていたり、かわいすぎ。セトリは神。ちなみにこれを見てたら興奮したのか2回採血した方の腕の絆創膏から血が染み出してた。草。そのあとはゴロゴロして気づいたら結構昼寝していた。夕方前は眠気がすごくて、病院での所要時間的に午前休でも大丈夫だけどさすがに3回採血やから疲れるやろうし1日にするか…と保険で休んだけど、その判断はたぶん正解だったっぽい。



それから1日経ち、2日経ち…電話連絡はなし。わたしはガッツポーズをしておやつをつまみ、夕食にバーガーキングを貪った。食べたいものを我慢せず食べられること以上にいいことはない。断言できる。そして里帰り前の最後の健診。エコー。しっかり育っていて、1600gを超えていた。1500g以下で出産の場合、極低出生体重児と呼ばれるので、そのラインを越えたことになる。急に大きくなったとは思ったけれど、アンタ糖分控えめの2週間でもそんなに育ったのねとホロリ。でもそこまででかくならなくていいから。ペース合わせようね。頼むね。



糖尿の検査もらくらくクリア、というかむしろ基準値ギリギリの低さ。あの数値は何だったんだ?と思ったけどクリアできてるならヨシ。里帰り頑張ってねと先生からエールをもらう。そのあと任意・自費3万円のRSウイルスのワクチンを打った。このウイルスは生後半年くらいでかかって重症化する可能性が高い呼吸器系の疾患をもたらすもの。母親が打っておくことで胎児にも免疫がいくらしい。定着に2週間かかり、持続は半年くらいなので、28~34週で打つことが推奨されている。わたしはこのくらいがベストかなと思い30週で打った。ふつうに注射ダァーイ嫌いなのにめっちゃ打ってて偉すぎ。ていうかこれに関しては全然迷わず打とうと思えた。多分これが母性。



ついに次の検診は2週間後、里帰り先。配偶者を置いていくので、ふたりの時間は本当にもう残り少ない。これが本当に驚くほどさみしい。里帰りやめればよかったと思うくらい。父が危なくなければやめてたと思う。約6年くらいふたりきりで暮らしたのに、全然まださみしい。赤がやってきたら喧嘩とかするようになるのかな。仲が悪くならないといいな。妊娠前より配偶者のことを大切に思っているのは、もしかしたらわたしが元来「家族」をめちゃくちゃ大事にするタイプだからなのかもしれない。わたしはこのひとと家族になったということだと思う。ならやっぱり赤は大切な存在だ。きっと楽しいだろうし、楽しいといいな。これは考え出すとキリがないので、今はこれから来る未来がしあわせなものになるように一生懸命全部を大事にしようと思う。普通にからだが重すぎてしんどいこの変なシステム以外を。



次回里帰り!



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