1ヶ月経った今、私が見るフィンランド
こちらは、5月2週目に書いたものです。公開するのに時間が経ってしまいましたが、時系列は5月2週目としてお読みいただけたらと思います…!
こんにちは。フィンランドに来て1ヶ月が経ちました。
1ヶ月経った今、私が見えているフィンランドの生活と学校のことを綴ります。
最後には、今の心境も書き残しておこうと思います。
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今回は、新緑の写真をnoteの表紙にしてみました。
あまりにも綺麗でエネルギーが湧いてくる新緑を見かけて思わずたくさん写真を撮り、「よしよしやっぱり春がきたな」と思っていたのは4月のおわりのこと。
5月に入って気温がぐっと下がり、雪も降り、冬に逆戻りしました。
気温の変化はまだ激しいですが、春、夏に向かうフィンランドの様子からまずはお届けします。
VAPPU!
日本が令和のはじまりを祝った5月1日、フィンランドでは「メーデー」(VAPPU)として夏のはじまりを祝いました。
メーデーと聞くと労働運動をイメージしていましたが、ヨーロッパでは夏のはじまりを祝う行事として定着しているようです。
この日は学校もお休みなのでホストファミリーとピクニックに行く予定でしたが、冒頭に書いた通りこの日から寒くなってピクニック日和ではなくなり断念。残念。
夏のはじまりを祝うはずがむしろ冬に遡ってしまいましたが、至るところでVAPPUを体感できました。
Munkkiと呼ばれるドーナツ。メーデーに食べるお菓子です。
このMunkkiはホストマザーが作ってくれました!甘くて美味しいです。
これはSimaというメーデーに飲む炭酸飲料。
ジンジャーとレモン、レーズン、砂糖、イーストを加えて発酵させて作ります。
こちらはホストファザーが作ってくれました!
さっぱり甘くてアルコールもちょっと入ったレモネードって感じです。美味しい!
また、メーデーの前日、学校ではちょっとしたフェスティバルがありました。
ユニコーンやバットマン、プリンセスの仮装をして授業を受けている子がちらほらいたり、マーケットが開催されていたり。
マーケットではこんな感じで、たくさん(100人ほど?)の生徒が手作りお菓子や家にある小物などをテーブルや床に並べていました。
事前に保護者さんの同意を得た希望者がマーケットを出店できる仕組みになっています。
どの売り物もだいたい1~2ユーロほどで、みんな小銭を持って来て気になるもの食べたいものを買っていました。
こんな風にアクセサリーも。ピアスの穴を開けたくなります。笑
お昼休みに開かれていたマーケットは、生徒も先生もとても楽しんでいた素敵な空間でした。
私もお菓子やネックレスを買ったり、ヘアアレンジや顔のペインティングをしてもらったりして満喫しました!
いつも5年生以上の授業に参加させてもらうことが多いのですが、この日は低学年の子とも交流することができました。
恥ずかしそうに接してくれる子もいれば、おしゃべりで私の購買意欲を掻き立てるのがとても上手な子もいました。笑
商品の並べ方や値段説明の紙の書き方も、本当にそれぞれです。
ちょっと短絡的なことばになりますが、それぞれの個性を大切にしたいと改めて思った日でした。
「なんかすごかった」授業
この頃は、社会系の授業にもよく参加させてもらっています。
ここでは、ある日に参加した社会の授業を取り上げます。
いつも、新しい発見があったときは善し悪しではなくまずは事実をしっかり汲み取ることを意識しているのですが、その上で「なんかすごかった」と思ったので書きたいと思います。
でも、「なんか」がまだ付いている状態なので、完全に「すごい」を言語化できていません。
私が参加した授業は9年生向けの授業でした。テーマは「EU」。
5月末にEU議員選挙を控えているのでタイムリーです。
この日は、まず初めに宿題や前回の授業の内容を確認しました。
先生の問いかけに対してみんなたくさん挙手して目も真剣で、こっちに来てその真剣さに一番圧倒されました。
次に、動画やインターネットのサイトを見てEUの基礎知識を学びました。
実際にEUのホームページなどを見ながら先生の話を聞くことで、学校で学ぶことと現実社会とがリンクしている感覚をより持ちやすいのではないかと思いました。
その後は、先生から指示されている課題に取り組んでいました。
紙のノートを使うときもありますが、この日は生徒たちは学校に置かれているパソコンを使って、サイトを見て調べたことや自分の意見をGoogleドキュメントに記入していました。
課題はグラフから読み取れる情報やその出典、根拠を尋ねる質問、トピックに対して自分の意見を述べる質問に取り組むものが多いです。
テストも、語句を尋ねるものではなく意見記述をさせる形式となっており、先生は中立な立場から意見のロジカルさを評価します。
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総じて、前のめりに授業に参加している生徒の姿とその状態を作り上げている先生、授業の形式に「なんかすごい」と感じたのだと思います。
何か聞きたいことがあったら生徒は先生の名前をすぐ呼んで、先生は引っ張りだこ。「対話」はやっぱりキーワードです。
また、実際のEUの様子や世論調査などをサイトで見て、そこに対して自分の意見を考えることで、授業をこなすためではなく社会を知るために学べているのかなと、見ていて感じました(実際にそうなのかはわかりませんが)。
そして、事実を汲み取ることに気をつけると言いつつあまり具体的な事実を汲み取れていないことを、これを書きながら痛感しました。。
もっと具体的な部分を汲み取るよう心がけたいと思います。
「なんかすごい」の言語化は難しいです。
1ヶ月が経ちました
4月6日に出国して、1ヶ月が経ちました。
最初の1週間は長く感じましたが、その後は光陰矢の如く時間が過ぎています。
自分に対する焦りや、なんでもっとこう動けないのかなというような思いはたくさんあって、自分を否定したくなることがあります。
先日もそんな感じで自分を否定をしてしまっていたのですが、それを見かねた日本の友人が「肯定しよう!」と励ましてくれました。
偶然にも2019年は「肯う年」にしようと年始に決めていたのですが、最近忘れていたと思い出させてくれました。
「肯定」に再び重きを置いたら、自然と視野が広くなり心がちょっと楽になった気がします。
何かを生み出すことができる「肯定」を大切に。1ヶ月目の学びの一つです。
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行きたかったフィンランドに来て生活できていることに喜びを感じています。
まだまだわからないことだらけです。それが苦しいと感じることもあります。
でも、わからないを実感できていることにどこか安心している自分もいます。
(もちろん、わかりたいのですが)
時たまユートピアかのように語られるフィンランドは、安直にわかりやすい場所ではなくて生きている場所だと感じました。
世界幸福度ランキングは確かに1位だけれど、何もかもがスペシャルな国ではなくて、人間味があってリアルで懸命に生きている人と場所だと感じました。
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先日、授業でよく話す高校生の子に「なんであなたがフィンランドに来ることを選んだのか、私は未だに理解できないよ!」と言われました。
最初に会った時にも理由を聞かれて伝えたのですが、その上でこう尋ねられました。
「フィンランドは世界一幸せな国って言われているけれど信じられる?」と聞いてみたら、「信じられない!」と彼女は言いました。
理由を聞くと、「秋と冬は(寒くて日照時間が短いから)本当に最悪の季節なんだから!」だそう。
確かに日照時間の短さはフィンランドの生活にとても影響を与えていて、近年減少傾向と言われているもののうつを抱える人の多さや自殺率の高さは依然課題となっています。
日照時間が短い時期があることは知っていましたが、その中で生活する人はどう感じているのかまで十分に想像することはできていませんでした。
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わからないことだらけですが、だからこそ、いろんな人に気になることを聞いてみて感じてみて、少しずつ現実に触れられることが本当に面白いです。
ぐんぐんと、自分の見えている世界を少しでも広く深くしていきたいです。
そして、日本のことや私が知っていること感じることをフィンランドの人に伝えることで、その人たちの見る世界が少しでも広く深くなったら、きっと私はめちゃくちゃ嬉しくなるでしょう。
1ヶ月目よりもさらに知ってさらに世界を広げられる2ヶ月目にできますように。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!