デルタ株との戦い《第13章》
明日は我が身と思いながら、連日の感染者数最多の報道を見る人は多いだろう。
もはやワクチンを打っても打たなくても、油断はできない状況になりつつある。
そんな中で、来週火曜日はパラリンピック開幕を迎える。ウイルスが人類の体内に存在し、なおかつ人が呼吸をしながら移動することで、毎日新たな感染者が発生する。こんな日が、あと何日続くのだろうか。
昨年は、飛沫によるエアロゾル感染がよく言われた。だから、机の上やドアノブなど人が手を触れるものや飛沫が付着しているところは消毒液で拭きましょう、私たちも小まめに手を消毒しましょうという対策がなされてきた。
飲食店やオフィスでは、飛沫が相手にかかるのを防ぐためにパーティションを設置するのが当たり前になっている。
この対策をやめていないのに、まじめにやっているところで、まさかのクラスターも起きている。
そうすると、接触感染よりは空気感染の可能性のほうが大きいのではないかという見方が最近では出てきている。
したがって、迂闊にマスクは外せないよねという話になるのだが、そういった情報はあまり強調されていない。
権威のある人が言っているから間違いないという思い込みを、私たちはしばしばしがちである。
そうではなくて、この1年を振り返って、何かが違う、どう考えても今までの考え方では説明できないという、個人の肌感覚を大切にしなければいけないときがきている。
私の考え方も正しいかどうかは分からない。だが、可能性はあるかもしれないという意識こそが、自分や周りの人を救うきっかけになるのである。