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プレミアリーグ第一節(前編)

プレミア開幕

ついに24‐25シーズンのプレミアリーグが開幕した。
今年はユーロやコパアメリカなど代表活動が重なり、選手たちもコンディションを作るのに苦労したはずだ。まずは怪我無くシーズンを戦い抜いてくれることを願う。

昨シーズンのリヴァプール

本題に入ろう。
私の応援しているリヴァプールは昨シーズン3位と優勝争いに常に絡み続けるようなパフォーマンスは発揮できなかった。
そしてクロップ監督のラストシーズンということもあり、プレミア、FAカップ、カラバオカップの三冠を期待されたシーズンだったが、結果的にはカラバオ優勝のみとなってしまった。

しかしチームとして次のシーズンに期待の持てる要素もあった。
クアンサー、カーティスジョーンズ、エリオット、ブラッドリーなど若手の台頭。サラー、ファンダイクの残留。TAAの偽サイドバック化など新たな戦術の発見。
また退任発表後クロップがチームを良い雰囲気のまま新監督であるスロットに引き継いだことは非常に明るい話題だ。

このように期待と不安が半分のような状態で24‐25シーズンプレミア開幕を迎えることとなった。


開幕節 VSイプスウィッチ

日本時間8月17日20時30分、リヴァプールの開幕戦がキックオフ。
初戦の相手はチャンピオンシップからの昇格組のイプスウィッチ。
正直なところチャンピオンシップは結果しか確認していないため、どんなサッカーを展開してくるのか全く想像がつかなかった。

メンバー

リヴァプールのスタメンは
GK アリソン
DF アーノルド(TAA)、クアンサー、ファンダイク、ロバートソン
MF ボランチ(VO) フラーフェンベルフ、マクアリスター
   サイドハーフ(SH) サラー、ルイスディアス
    トップ下 ソボスライ
FW ジョタ
というメンバーで試合に入った。

ベンチにはケレハー、コナテ、ツィミカス、ブラッドリー、遠藤、カーティスジョーンズ、ヌニェス、ガクポ、エリオットが登録された。

両チームのスターティングメンバー

実際にはフラーフェンベルフが6番(アンカー)の位置に入り、マクアリスターとソボスライがインサイドハーフ(IH)の4-3-3のような形にも見えた。

試合のポイント

戦術的な細かい分析は私のような素人よりも解説者など専門家が適任となるため今回は省く。またゴールシーンやチャンスシーンはハイライト映像で簡単に確認ができるためここではあまり触れないようにする。
そこで立ち位置の嚙み合わせや両チームの攻守の狙いから試合全体のキーポイントとなる状況を切り取って私の考えを述べたい。

①リヴァプールのビルドとイプスウィッチのプレス

8分
リヴァプールはGKアリソンからビルドアップを試みる。ファンダイクを中央に置きクアンサー、ロバートソンとともに3バックを形成する。その前にマクアリスター、フラーフェンベルフに加えて例のごとくかなり高い位置で内側に関わろうとするTAAの中盤3枚でビルドを進めようとする。前の4枚も合わせて考えると3-3-1-3のような立ち位置だ。
それに対してイプスウィッチは前線から同数でプレスをかけてくる。このシーンでは結果的に一度ボールを奪ったイプスウィッチのミスからリヴァプールがカウンターでゴールまで迫る。しかしイプスウィッチの狙いだった同数でのハイプレスは成功と言えるだろう。

60分
得点シーンにつながる場面のリヴァプールのビルドアップ。
左サイドで回収したボールをファンダイクからクアンサーに代わってCBに入ったコナテに展開。そこからGKアリソンにバックパスを出し、そこにイプスウィッチのプレスが襲い掛かる。アリソンが冷静にファンダイクとのパス交換でプレスを一度いなして再度コナテに預ける。
このタイミングでリヴァプールはコナテ、アリソン、ファンダイクの3枚で最終ラインを作る。そしてロバートソンとTAAがサイドで高い位置を取り、アンカーの位置にフラーフェンベルフが入る。これにより8分のシーンではTAAが内側に入ることで幅を取る選手がいなかったのに対して、このシーンでは両SBがしっかり幅を取って中央にスペースを空けることができていた。
その空いたスペースに顔を出したフラーフェンベルフにコナテからの素晴らしい斜めのパスが通る。これにより一気にイプスウィッチのプレスを攻略し攻撃のスイッチが入る。
ここからはTAAの完璧なスルーパスから先制点までつながるがゴールシーンはハイライトで確認してほしい。

リヴァプールとしては前半は特にイプスウィッチのプレスに苦しめられていたが後半に修正を加えた。幅を取り、受け手と出し手のタイミングで見事にプレス回避を成功させて得点にまでつなげた。

②リヴァプールの時間の使い方

このポイントに関してはまさに試合巧者といったプレーだった。
2-0でリードしているリヴァプールはGK以外の10人がハーフウェイラインを越えて相手コートでボールを保持していた。もちろんイプスウィッチのプレスが弱くなり高い位置まで進出できるようになったことも影響しているが、試合終了が近づくにつれてその傾向を強めていた点はさすがだ。またボール保持の形もTAAを内側に入れたり、フラーフェンベルフがCB間に落ちてくるなどフォーメーションを崩すようなことはしていなかった。これにより万が一不用意なボールロストが起こった場合でもすぐに陣形を立て直し守備をスタートさせることができる。

前編まとめ

ここまでリヴァプールの開幕節を振り返ってきた。
スロット新監督の初陣でもあり、不安な面もあった。
前半は正直良くなかったが後半での修正力には驚かされた部分もある。

後編ではチーム全体ではなく個人にフォーカスする。
TAAとフラーフェンベルフについて触れる予定だ。

ひと言

イプスウィッチDF陣の気迫のこもった守備は素晴らしかった。
特に94分のゴール前でのブロックやGKのシュートストップは見入ってしまった。


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