20201225 Misty Frosty Loveについて
2020年12月9日、ラブライブ!サンシャイン!!デュオトリオコレクションCD VOL.2 ~WINTER VACATION~が発売された。
ジャケのようりこちゃん何度見ても可愛い。
普段は9人で歌うAqoursだけど、
今回はデュオトリオということで2人の組み合わせが3つと、3人の組み合わせがひとつで計4組、4曲の新曲が世に出たこととなる。
この組み合わせ、前のデュオトリオであるSUMMER VACATIONのときはあらかじめ決められていたもので、
こういう企画の2回目以降はあまり見ない組み合わせを見たい人も多いだろうけど、ファン投票で決められたのは今回が初めてということで、
前回も黒澤姉妹や千歌&果南といったわかりやすい組み合わせはあったけど、それ以外の組み合わせの中で大多数の希望が反映された今回の結果であると思う。
肝心のその組み合わせだけど、
ルビィ&花丸
果南&鞠莉
曜&梨子
千歌&善子&ダイヤさん
なるほど納得の組み合わせである。これ以上はなかろう。
ふたりについて
さて。
自分は、曜ちゃんと梨子ちゃんという組み合わせ(ペア)(カップリング)がとても好きである。
拙作ながらPixivに数本SSをあげているし、拙作ながら薄い文章だけの本も出したし、買った薄い本もふたりが仲良しするか、こじれながらも仲良しするやつばっかである。
つーか他の本買ったことあったっけか。ない気がする。
ようりこはかなり小説の二次創作が盛んなカップリングなのだけど、件のPixivに最初にあげたSSは実はかなり早い段階であげていて、タグ検索したら古いほうから探したら10本ちょいくらいで見つかるので、わりと古参のつもりでいる。
4年半近く彼女たちの動向ばかりに注目して生きてきたが、飽きるどころがずっと好きなままでいるし、
絶妙な距離感を保ちつつ、たまにぐっと近づいたり、かと思ったら少し距離を空けたと思わせつつ実は当然のように隣にいたりと、
オタクをはらはらさせることに関しては枚挙に暇がない彼女たちにも原因がある。
そういうオタクにとってこのデュオトリオは公式によって立てられる金字塔に他ならなかったが、
自分はめんどくさいオタクなので、だからこそ一歩間違えば、また比較的間違えやすそうな一歩によっては一生聴かないかもしれないなと思っていた。
解釈違いというやつ。
本題
■
Misty Frosty Loveという曲を試聴で一聴したときに思ったのは、
まず曲が最高である、ということ。
作編曲が倉内達矢さんということで、
μ'sではShangri-La Shower、Paradise Live、Pure girls project、LONELIEST BABYなどなど。
AqoursでもWATER BLUE NEW WORLD、冒険Type A, B, C!!を作編曲していて、
普段は作編曲者で曲のイメージを固めたくないのであまり意識しないようにしている自分でもわかってしまうくらいには、最高の曲のラインナップに加わる曲になるのだからそれはもう最高が約束されているに決まっている。
冬の夜を彷彿とするような、ひんやりとしつつもどこか暖かく透き通ったサウンド、ジャンルには詳しくないがエレクトロスウィングジャズって感じだろうか。
歌い分けは1番のメインが曜ちゃん、2番では梨子ちゃんとなり、掛け合いやハモリがあるので片方の声ばかりではないけど、なかなか思い切った歌い分けだと思う。
自分はKinKi Kidsのダイヤモンド・ストーリーと、
あとラブライブ!シリーズからSaint SnowのAfter The Rainくらいしか知らない。
ふたりの声の相性はかなり良いものだと思っているからこそ、試聴の時点ではこういう方向性かぁと若干思ったりもしたのだけど、
前述のKinKi Kidsの曲ではその歌い分けがあってこそ大サビで重なった瞬間のカタルシスがものすごく、
この曲もその例のとおり、フルで聴いたときの後半がとても良い。
■
歌詞について。
彼女たちが好きなオタクにとっては当然注目したいポイントであるし、
個人的には前述の「間違えやすそうな一歩」が発生しそうなポイントでもあった。
はっきりと言えば、
最初は完全に望まない方向で来たと感じて、正直なところあと何度この曲を聴くだろうかと考えた。
ただサウンドはやっぱり最高で大好きだったし、彼女たちの声の重なりも当然のことながら良すぎたので、そこ目当てにもう少しだけ聴いてみようと思った。
そうしてふっとピンと来た。
Misty Frosty Loveはようりこの両片想いの曲である
まず、この曲の歌詞は三角関係を描いたものになっている。
そして、正直なところ自分は三角関係があまり好きではない。
読んだり見たりすることは全然あるので嫌いというほどではないのだけど、
キャラクターがつらい気持ちになっていることをエモいとか良いと言える人間ではいたくないので、なんとなくそういう雰囲気を察知したらシャットアウトすることがままある。
そして残念ながら、ようりこは千歌を巻き込んだそれが発生しやすいカップリングでもある。
気がついたら二人を見ている
なので初めてこの歌い出しを聴いた瞬間、この方向の可能性は考えていたので歌詞を半分シャットアウトすることを決めた。
もちろん、ようりこのふたりに千歌が欠かせない存在であることは重々承知だし、千歌がいてこそのようりこであるし、
ようりこの結婚式の友人代表のスピーチでは当然のように千歌が出てきてほしいし、最初は楽しくスピーチしていたけど途中から千歌が感極まって泣き始めたら曜ちゃんも梨子ちゃんも一緒になって泣き出してほしいし、最終的に千歌はマイクほっぽりだしてようりこも高砂から降りて3人で抱きしめあって千歌が涙ながらに大声で「幸せになってね!!!」って叫んだりしてほしいし、
自分も梨子ちゃんが好きだけど「梨子ちゃんが千歌ちゃんが好き」と思っている曜ちゃんと、
自分も曜ちゃんが好きだけど「曜ちゃんは千歌ちゃんが好き」と思っている梨子ちゃんと、
親友故にふたりの気持ちがわかっていてどうしたものか……と思案する千歌とかも大好きだし、
曜ちゃんが梨子ちゃんを好きになってどうしていいかわからずに真っ先に相談する相手は千歌だし、逆に曜ちゃんが梨子ちゃんを好きだってことを本人より先に気がつくのも千歌だし、
曜ちゃんと付き合い始めた梨子ちゃんが一向に進展しないことを愚痴ってると思ったらただの惚気になっていて、呆れながらもちゃんと相槌打ってあげたりするのも千歌である。
でも完全に矢印が千歌に向くと話が違う。
話をめっちゃ戻す。
最初は矢印が千歌に向いている歌詞だと思ったので、その点については少し首を捻らざるを得なかったのだけど、
やっぱり曲自体は非常に好きなので、何度か聴いていた。
で、思った。
曲中で三角関係を印象づけるフレーズがある。
誰かとあなたと私と Misty Love
誰かとあなたと私と Frosty Love
ふたりで歌っている曲だから「あなた」「私」はふたりの視点から見てお互いのことで、
この「誰か」というのがふたりではない第三者。
で、「誰か」というワードは他の場所でも使われていて、
誰かと比べて もやもやしちゃうよ
こんな自分 イヤなんだよ
誰かを気にして いらいらしたくない
自分よ、しっかりしなさい!
登場人物は3人だから、ここの「誰か」=「誰か」って考えられるじゃん。
そしてこの部分を読めば「誰か」は恋の対象ではない。
これってつまりようりこすれ違い両片想いじゃん?
曜ちゃんは梨子ちゃんのことが好きで梨子ちゃんが「誰か」と話してるの見てもやもやしてるやつだし、
梨子ちゃんは曜ちゃんのことが好きで曜ちゃんが「誰か」と話してるの見ていらいらしそうになるけどしっかりしなさいってなってるやつじゃん?
オタクの考えた最強のようりこじゃん?
つまり畑亜貴はようりこオタクだった、Q.E.D.
しかもこの曲の終わりが「……伝えたいよ!」だし、事実上の結婚式の曲じゃん。
って考えたら、畑亜貴唯一神が作り給うたようりこ両片想いという神話に等しい物語を惜しみなく享受することが出来た。
Misty Frosty Loveはようりこ両片想いソングである。
それはそうと畑亜貴神はすげぇって話
まぁもちろん曲の解釈はそれぞれ勝手にやればいいし、
逆に自分は自分のようりこ両片想い解釈を、たとえ磔刑にされて血の池地獄に沈められようと曲げることはしないのだけど、
この解釈の余地を全力で残しまくる畑亜貴という人、やっぱすげぇんだよなぁ!ってのが一番思った。
そもそもこういう作品のキャラクターが明確にキャラクター自身の恋愛を歌うわけがないので、この曲をやれようりこだやれ何某だって言うのが妙な話なのだけど、
そういう解釈をさせてくれつつ、三角関係だったり、普通に恋に悩んでそうな乙女もちょっと自己投影しつつ楽しめそうな歌詞にもなっているのがすごい。
Aqoursに限らず、ラブライブ!シリーズ自体が一定の時期から彼女たち自身の等身大の歌詞が多くなってきていて、もちろんそれも好きなのだけど、
たまにはμ'sのLOVELESS WORLDやBiBiの最低で最高のParadisoみたいな、彼女たち自身よりは、彼女たちがだいぶ頑張って想像を膨らませて書いたのであろう背伸びして重たかったりするような歌詞ももっと見たいので、
Misty Frosty Loveはいい感じにその真ん中で書かれている感じでちょっと背伸び歌詞ロスが減った。
そして何より、ようりこ曲の衝撃が大きすぎてまだ他のデュオトリオを聴いていない。
この文章を書き終えたら……って考えながら2週間は経ったので、書き終えた今、そろそろ聴こうと思う。
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