20231231 SHHisコミュ全部読んで取りこぼしたSHHisを拾い集めようの巻
(序文)
異次元フェスお疲れさまでした。
(序文終了)
前回のあらすじ
SHHis沼に落ちて、イベントコミュを読み切ったところでもうすでに深淵を除いた気持ちになっていたのだけど、
前述の記事の最後にも書いたが、未だにSHHisのファン感謝祭もG.R.A.D.もLanding Pointもクリアしていなかった。
とはいえ読める限りの幸せな仲良シーズに辿り着いた自分に、今更以前のギスギシーズを享受する心の余裕があるのだろうか、と自問自答したのだけど、
現状の自分を例えるなら漫画の1巻と3巻と6巻だけを読んでいる状態で、SHHisは1巻飛ばしたらもう何が起こっているのかわからないという進撃の巨人みたいな作品ではないにしても、読んでおいたほうがいいのは自明の理なので、
……………………読むかぁ…………
となったのが先日。
コミュ無料解放期間に先にアルストロメリアへの理解を深めてみたり、コメティックのW.I.N.G.を読む機会もあったけど、
いよいよもってSHHisを読んでいこうと思うので雑に感想をば。
本当はある程度推敲してから放流したいのだけど、
2週間くらいかけて書いている間に2023年が終わりかけていて、
2024年にまで引っ張るものではないと思うので、推敲も程々に海に流すためいろいろ乱雑さがすごいと思うのでご容赦を。
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感想文
にちかW.I.N.G.
既読だけど改めて再読。
最初は「歌とダンスを見てほしい」で始まったのに脅迫に移行していくというとても強引な手段から始まりつつ、アイドルの1歩目に立つことが出来てはしゃぐにちか、可愛い。
今改めて聞くとこの頃のにちかの声ワントーン高い気がする。可愛い。
そして勝ち進むごとにつらくなっていくのやめろ!
お前以外のW.I.N.G.そこまでは重くないんだぞ!
歌もダンスも平凡で素人っぽい、アイドルの才能はなかったけどなんとかなっている子、っていう印象だったけど、
今にして思えばにちかのパフォーマンスは憧れの八雲なみのコピーでしかなくて、本人の良さを本人が殺していたからプロデューサーにそういう印象を与えていたんだろうなぁと思った。
それでも「プロデュースしたい」と思わせる部分を見出だせたのは、にちかの本来のアイドルの才がちゃんと見えるくらいにはあったか、プロデューサーの慧眼か。
悲しいアイドルのコピーとして悲しいままでいさせたくない、ってのもあったかもしれない。
このときも、SHHis結成後も、劣等感を強く感じて自分に足りないものを責め続けるのは、
不合格になったらもう終わりという焦燥感もあっただろうけど、一番は比較する対象が憧れのアイドルの八雲なみと緋田美琴だからなんだろうなという気がした。
特に憧れを飛び越えて崇拝に近くなってしまえば、自分自身と憧れの間にはとてつもない乖離を感じてしまうから。
SHHisのキャッチコピー(?)、にちかのことを言うときはそういう意味なんじゃなかろうか。
「平凡」「凡人」「ただの人ごみ」っていう評価もにちかの自己評価でしかないし、
プロデューサーから見たにちかは八雲なみのコピーをしているときだけ平凡だと思ったのであって、
八雲なみのことを語るときのような楽しそうなにちか本来の笑顔をもう一度見たがっていたし、やっぱりにちかはちゃんとアイドルに必要な魅力を持っているんだろう、と思った。
「笑うなんて誰でもできるもん」と言う子もおりますが……
アニデレ、ちょっと見返したい。アニメの記憶も曲の記憶もほとんどなかったのにアイラブ歌合戦で聴いた流れ星キセキでちょっと泣いたので。
ただ結局、にちかのW.I.N.G.優勝は八雲なみのコピーとしてなのか、
本来のにちかとして勝ったのかが読み取れない。
八雲なみのコピーだとしても、それを作り上げるまでのにちかの努力を評価されたと信じたいところではある。
「そうなの?」と書かれた白盤を見つけたことでにちかを覆っていた八雲なみのコピーという膜がほつれて、にちか本来の輝きが少しだけでも漏れ出るようになったかもしれないし。
あと社長お前、どんな顔で自分が「作った」アイドルのコピーしてるアイドル見て泣いてんの?
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美琴W.I.N.G.
初見。
余談から入るけど、
自分はもともと、作品の登場人物の魅力は他の登場人物とのコミュニケーションの中で見えてくる論者なので、ほぼほぼプロデューサーとしか会話のないW.I.N.G.から得るものってそこまで多くないと思っており、
今でもW.I.N.G.ってあくまでキャラクターの表面をなぞってるくらいでしかない、というイメージでいる。
実際今でもプロデューサー以外の他のキャラクターと会話しているほうが自分にとってはキャラクターは魅力的に映るし、知ることが出来ると思っている。
とはいえ表面ということはそのキャラクターを知るスタートラインなので、蔑ろにしたいわけでもない。
が、やっぱちょっと読むのが億劫であることも否めない。
あとW.I.N.G.だけ読んでぶん殴られるような衝撃を受けることがそこまでないなぁっていう経験則もあるかもしれない。
何よりこれが最たる理由なのだけど、
この手のランダム要素のある育成ゲームそこまで得意じゃないし……アクションとかRPGとかFPSのほうが好きだし……最近はメトロイドヴァニアが好きです……
閑話休題。
そんな感じで美琴さんのW.I.N.G.未読の状態でノー・カラットをなんとなくで読み、そのまましばらくゲーム自体を放置していたものだから、
最近ゲームに復帰して、モノラル・ダイアローグスを読む前に自分の中に残っていた美琴さんのイメージは冒頭の記事に書いた以下のとおり。
W.I.N.G.プレイ後は印象が変わった。
感情はあったけど偏りすぎなだけだこの人。
あと自分はキャラをある程度知って愛着を持ってからW.I.N.G.に戻るほうがあってるかもしれん。
歌うために北海道から14歳で上京し、
それが「歌って踊りたい」に変わって、
それが出来る場が美琴さんにとっての「アイドル」で、
「パフォーマンスでみんなに感動を与えるようなアイドル」が目標になった。
正直なところ、そもそもそこが世間一般で言うところの「アイドル」像とは少し異なるような気がする。そういうのはTRFとか新しい学校のリーダーズみたいなダンス&ボーカルユニットの領域じゃなかろうか。門外漢なのでどっちもあまり知らないけど。
まぁただここらへんはアイドル戦国時代の世界観と多様性か。いろんなアイドルがいていいからね。
とはいえレッスンを重ねるだけではパフォーマーとしてのスキルは磨かれてもアイドルとして必要な魅力は身につかなくて、
パフォーマンスの点では美琴さんに遥かに劣るであろう人たちのほうが先にデビューしていっていたという状況に、ちゃんと悔しさとか焦りみたいなものも感じられて良かった。人間だった。
でもそのせいでパフォーマンスだけがより一層磨かれていって、美琴さんのステータスを五角形のグラフにしたらパフォーマンスだけが伸びて鋭角化していく。
「そういうアイドルになれるなら死んでもいい」と思うまでにアイドルに入れ込む理由までは読み取れなかったけど、真っすぐさ純真さ不器用さから来る、目標に対してあまりにも直進してしまう先天的な癖、としてしまっていいか。
この人283プロに入れて良かったね……本当に……
しかし、SHHisになってにちかだけがバラエティで売れていたときはどう思っていたんだろう。
先を知っているから言えるが、美琴さんはSHHisを彼女なりに居場所と思っている節もある気がしないでもないような雰囲気が漂っている感じはあって、
にちか個人に対しても親愛かどうかは別として少なくとも仲間意識はあり、にちかに対してそれを表現出来なかった、する必要がないと思っていた、
故のすれ違い、クリニックからの筑前煮の現在、という過程だと思う。
だとしたらにちかはにちかに与えられた仕事をこなしているだけ、というそれ以上でもそれ以下でもない認識だったと思うが如何か。
でもそのとおりだったとしたら、ルカに対してもマイナス感情はほぼないんじゃないかって思うのだけど、
「ルカには関係ないでしょ」が思ったよりトゲトゲだったのがちょっとイメージと違って興味深かった。どちらかというと、よくにちかに対して言う「そう」「そうなの?」「そうなんだ」の三段活用と同じくらいの、なんでもないニュアンスのイメージだった。
先述のとおり仕事量の格差について思うことがないなら、トゲのある言い方になったことの原因はルカとのユニットを解消した経緯にあるのだろうけど、
美琴大好きルカが美琴さんに対してBAD COMMUNICATION/B'zになることはないと思うし、
例えば事務所都合での解散とかであれば彼女は「しょうがないね」で済ませそうだし、それなら美琴さんがルカに対してマイナスに思うことがあるとも思えない。
とはいえ「ルカには関係ないでしょ」に、少なくとも自分はトゲを感じたのも事実なので、なんかあったんだろうなぁと思う。先を知らなかった声優さんへのディレクション不備というメタ可能性を除けば。
ルカに対してトゲがあったこと、
ルカと組んでいたときとにちかと組んでいる現在で同じように格差があったことを踏まえて、
モノラル・ダイアローグスや感謝祭のときくらいならにちかに対してもトゲのある気持ちを抱いていそうという気にはなるのだけど、
とはいえルカとにちかは違うようで似ているようでそれでも違う人だし、付き合いの長さも違うから同条件ではないだろうし。
シャニマス解釈、難しい。
まぁ結局のところ電車の乗り方がわからなくてなんとなくにちかについていく雛鳥みたいになったり、逆にテレビで素を出せるようになったら天然すぎてギャル風の女性に気に入られるのが彼女の未来なのだが。
良いこと良いこと。
そこらへんの考察をしたいわけでもないし、間違っているなら間違っているでそれを知るためにこうやって取りこぼしを拾い集めているので、見当違いならそれでいいと思っておくことにする。
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明るい部屋
SHHisと関係があるかどうかは関係なく、コミュ無料解放期間にいっぱい読んだ中のひとつとして読んだ。
SHHisコミュを読了したあとに読んだのだけど、その情報ってここが初出だったのね!ってなるところがあったのでSHHis(+ルカ)コミュとして。
その情報がなくてもセブン#スを読んだときには
「えっ!?!??!!!!? はぁ!??!?!?!」
ってなった。
関係ないけど自分の心の中の仲人おばさんは、はづきさんとプロデューサーがお互いを異性として意識するようになればいいなと思ってます。
越境コミュはもともと好きだし、はづきさんがいろんなアイドルと話すところを見れたのも好き。
はづきさんは「そういうことがやりたいみたい」とは言ってたけどやっぱプロデューサーとはづきさん以外の従業員は雇ったほうがいいと思う。
あとノクチルと放クラの人気と知名度の差を如実に描くのもまたすごいシャニマスだなぁというかなんというか。
そもそもSHHisのイベントコミュがそういうところを描いていたし、
SHHisに比べたら樹里と智代子とノクチルだからマイルドにはなっていたし、
雛菜の「なんかアイドル来た~!」で笑った。
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OO-ct. ──ノー・カラット
再読。
これとモノラル・ダイアローグ、セブン#スを「SHHis結成三部作」って勝手に呼んでいるんだけど、
実のところ、この話は特別に何かが起こった話というわけでもないと思っている。
美琴さんはこの話の中で特別な変化はなくて、主ににちかの心の中だけの問題がちょっとだけ解消されて、
その代わりにSHHis間の仕事量や人気の格差が広がっていく気配が漂う、というか実際そうなる。
美琴さん!! なんで!! あなたは!!! にちかにだけ!!! そんなに!!! 言葉が足りないんですか!!!!!!??!??
と改めて思った。
美琴さん、パフォーマンス全振りすぎて人間性捨てがちなところあるからコミュニケーションも苦手かと思いきや実際そんなことは全然ないと思っていて、
むしろ数多くの業界の人と上手くやっている描写はいっぱいあるし、音楽関係でスタジオを共有する仲間もいるし、ホーム会話でも他のアイドルの仕事をこまめにチェックして感想を伝えたりしている。
イルミネ等のにちかと同い年のアイドルとも特に問題なくやっているし、あさひとは一緒に踊るし、果穂にも優しいので年下が苦手ってこともなかろう。
というかそもそもダンサーさんとめちゃくちゃ打ち合わせしてるし。
え、じゃあなんでにちかにだけ、そんなに何も言わないんです……?
とはいえ、美琴さんが普通に話してんなと思う人たちってみんな仕事相手にカテゴライズされそうな人たちで、
ユニットの仲間というのはそれに比べるともう少し距離が近い相手で、距離が近い相手に逆にどう接していいかわからない、ということはあると思う。自分もよくわかる。
ルカの場合は昔から知っている相手で、かつルカは美琴に対してぐいぐいタイプだったから、向こうから積極的に関わってくれる相手とは話しやすいというのもわかる。
やっぱコミュニケーション下手部かしら、美琴さん。
でも美琴さんを「隣に立つ仲間」じゃなくて「背中を追いかける尊敬の対象」にしていたにちかに接する態度に困るのもわかる。美琴さんからしたら目線を合わせるためにはいちいち後ろを向かないといけない。
アイドルとして活動するようになってからもCDショップの業務を続けているあたり、好きが高じて、はありきとしても、やっぱり姉妹揃って裏方業務向きなところはあるのかもしれない。
後に美琴さんへの八雲なみプレゼン資料を作るあたりもそれっぽい。
だけどにちかが軽んじられているなんてことも、みんなの目に映ってないなんてこともなくて、
ペンシルターンの練習をしているにちかを見て声をかけてくれるダンサーさんもいたし、
美琴さんもにちかから差し入れされたレモンのはちみつ漬けを「なんとなく手が伸びた」で「おいしかった」って言ってくれた。
にちかが作ってくれたものだからなんとなく手が伸びた、ということなら、
「なんとなく」って、理由を上手く言語化できないっていうだけのことで、大事なことなんじゃないかってなんとなく思う。
だからトラブルを起こすことから始まったものではあるけど、
「美琴さんはにちかを見ている」を実感できたときにちょっと前向きになり、隣に立って相互にコミュニケーションを取れるようになって、にちかはより幸せに向かっていけるようになった。
にちかを見る人が意外と多かったこともあり、にちかだけのバラエティの仕事が多く入るようになり、美琴さんとの仕事量に明確に差が出始める。
美琴さんはかつての相方ルカとユニットを組んでいたときも同じ状況になったことを思い返しつつ、終わる。
コマの話はこの話よりもこのあとのSHHisの暗喩だったのかな。
この話を初読のときは美琴W.I.N.G.未読だったのでルカはこの話を初めて読んだときめちゃくちゃ「誰?」だった。
とはいえ知っている人でも、美琴W.I.N.G.のあの印象じゃ「美琴が活躍しているのが気に入らない子」だったんだろうなと思う。
「美琴が(自分以外の人と)活躍しているのが気に入らない子」だった。
あと美琴さんの声、クラブで聴こえなさそう。真乃と霧子もたぶん聴こえない。透と円香……は聴こえている話あった。
非常に余談だけどリフターといえば内田彩の武道館ライブがすごかった。
天井近くまで上がるもんで見てるほうがビビったし、手すりから手を離すなと言われていたらしいのにバリバリ手離すもんだからスタッフもひやひやしていたとか。
とても良いライブなので興味あれば。
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アイムベリーベリーソーリー
SHHis初の越境イベント。あんまり越境してないけど。
カモメにエサをあげると「あい」をくれる。その「あい」は何かの品物と交換できる。
その品物を、静かな海辺の町で夫を亡くした骨董商の女性(CV.月岡恋鐘)に渡すと「あい」で返される。どうやら彼女は何かを探しているらしい。正解の品物を渡すと話が先に進む。
主人公は彼女の探しものに協力するつもりで品物を渡し続ける。そして知っていく彼女の過去と真実は……
という、アプリゲーのイベント。どんな重いイベントやってんねん。
職場体験として花屋で働くことになった283プロの面々。
アイドルの仕事との兼ね合いや接客でトラブルが起こったりなんだりするけど、協力し合いながら、店長さんに助けてもらいながら、学んで、成長していく。
そして恋鐘がCVを担当したという縁でゲームもする。この話に出るみんなだけでなく、事務所の他のみんなもしているらしい。283プロは仲良し。
夏のイベントに向けて練習するSHHis。
トレーナーのアドバイスを受けて美琴がにちかに基礎練習を施すことになるのだけど、上手く教えられない美琴、美琴のレベルについていけないにちか。
前回の話でお互いを向き合えるようにはなったものの、なかなか上手くは行かずに苦労する。
という、3つの話が同時に進行する。めっちゃくちゃ難しい。
とはいえ単純に読んで良い話だとは思う。
お客さんの思い出に寄り添って、作法とは違う花を敢えて選ぶ花屋の店長さんと、
ひどい台風が起こって花屋での被害もひどく、その日のライブで復帰するメンバーがいるアイドルに届けるフラワースタンドの花が確保できなくなり、
その花じゃないとダメだという推察のもとに、近くの花屋を走り回って花を確保する職場体験のみんな。
ゲームの話も職場体験の話も、たぶんそんな「あい」の話。
「上手く行っていない」と思っていたSHHisの基礎練習も、結局は「ただ寄り添う」ものだと大事だと作中で言われる。
美琴さんのカウント「ワン、ツー、スリー、フォー」が、
にちかに合わせて「いち、に、さん、し」に変わる。
きっとそういうのが、小さくてもSHHisのふたりの間に確実にある「あい」の話。
そして自分に対する「あい」の話。
食事が疎かになっても練習をする美琴さん、美琴さんについていくために自罰的になるにちか。
職場体験のメンバーや恋鐘とはまだ少し違うSHHisを描く部分もあったように思う。
っていう感じで
「あい」の話ね! なるほどね! SHHisの間にも「あい」はあるんだ!
花屋の店長さんすっごいいい人! フラスタ間に合ってよかった!
つらい話もあったけど最後は良い話だった気がするばい~~~!!!
って思考停止してもいいと思う話なんだけど、SHHisのイベントでカモメにエサをあげる人が出てきちゃったことでこのイベントの持つ意味が増えたんじゃなかろうか。
3つの話を行き来するのでそれだけで難解なのだけど、ガチで考察する人たちはあとでめっちゃ頭抱えてそう。
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ファン感謝祭
初見。
ファンに感謝を伝えるためのライブで、自分たちで自由に作れるステージに向けて新しいことに挑戦するためにコンテンポラリーダンス(とてもむずかしい)を提案する美琴さん、
バラエティの仕事が忙しくなり、レッスンに時間を当てられなくなったことでもともと開いていた美琴さんとの実力差がさらに開いていくことに焦るにちか。
そして美琴さんはルカと同じユニットだったとき、同じようにファンに感謝を伝えるというお題目のライブでコンテンポラリーダンスを提案して、
実力が足りる/足りないの差はあれど、にちか同じようにルカのスケジュールが取れずに断念したときの現在を重ねる。
結果、にちかは自分から美琴さんに「コンテンポラリーダンスはできない」を伝える。
そしてプロデューサーの提案で、美琴さんが考えていた「ボーカルを重ねる」がにちかに任されることにする。
少なくとも「踊るひとり」と「声を出すひとり」のステージにはなる。
そして世論はにちかへの注目がメインで、かつにちかの「ちょっとうまくない方」の面ばかり取り沙汰されていて、
これでは美琴自身も、そしてSHHisも、美琴が目指す「パフォーマンスでみんなに感動を与えられるアイドル」とは程遠い。
とはいえこの反応もまたしょうがないものかなぁと思う。
ノー・カラットでも語られていたことだけど。
少なくとも「アイドル」がパフォーマンスで人を感動させるならそのパフォーマンスに付随するものが必要で、
パフォーマンスで表現したいものであったり、そのパフォーマンスに行き着くための努力が可視化されていたり、究極「パフォーマンスで人を感動させたい」という想いが垣間見えるだけでもいいと思う。
不純物や欠陥があるから人はそこを補填して見たくなるんじゃないだろうか。
オタク(クソデカ主語)はみんなメイキング映像が好きだし、ミロのヴィーナスは両腕がないから良きなのだ~!って国語の教科書にも書いてあった。
にちかが愛されるのは、美琴さんと比較したときに粗が目立つから気になるわけで、それでも「完璧」な美琴さんに対して「ちょっとうまくない」だけなのだから完成度は高いのだと思う。
ジャギだってAC北斗だと最弱キャラだけど他のゲーム基準だと強い。でもジャギとは違い、にちかはバラエティに出してみれば生意気ででも妹さながらにそこが魅力的に感じられる可愛い女の子だから、
そんな子がパフォーマンスのためにしているであろう真剣な努力を想像で埋めてみたくなる。
ジャギがバラエティに出たってそこまで面白くはならないし、お茶の間に愛されることもないし、美琴さんと並べて躍らせたところで「ちょっとうまくない方」では済まない。
冬優子が演じる理想のアイドルふゆも、普段はちょっと頼りなさそうで守ってあげたくなるようなTHE可愛いという感じの子で、
それでもパフォーマンスになると他のふたりに負けないくらいかっこよく決めるから、そのギャップで表に見えない死角を想像したくなる。
「完璧なアイドル」はたぶん「完璧」との差にある魅力が大事なんじゃなかろうか。そういうところをきっとファンは応援したくなるものだし、愛したくなる。
美琴さんはたぶん、純粋ゆえに完璧すぎるものを作ってしまう。
美琴さんは完璧なパフォーマンスを見せたくて、そしてそれが実行できる実力がある。
その上で自分はやりきったと思うパフォーマンスを見せて、それで感動してほしいと思うけど、
アイドルに求めるものが少し違うかもしれないお客さんから見ると「すごかった」とは思うかもだけど心の深くまでは刺さらない。
それが本人からすると「パフォーマンスが不十分だった」からまた「練習する」に至る。悪循環。
にちかやプロデューサーは、その美琴さんのとてつもない練習量を見れる立場にいて、美琴さんの「想い」を知っている。
だから、にちかは元より無理だっただろうなと思うが、プロデューサーもお客さんから見たときの客観視はあまり出来てなかったように思う。
コンテンポラリーダンスを見せることで「敷居が高くなる」とした美琴の前事務所の人たちの意見のほうが理はある。
実際イベントとしてはにちかのキャラクターに助けられて「成功」だったかもしれないけど、プロデューサーが求めるような「結果」ではなかった。
プロデューサーのプロデュース方法で、にちかと美琴を二人三脚で歩めるようにするのは土台無理だっただろうなぁ、と思う。
先を知っているから思えるズルだけど、第三(四)者としてクリニックの先生を引き入れたのは間違いなく正解だったし、実際本人たちがちゃんと歩み寄ろうとしてうまく行ったし。
アイドル本人やその意向を大切に活動できるようにするのは本当に大事なことだし好ましく思うけど、SHHisをSHHisにするには向いていなかった、で切り捨てたい。
pコミュをほぼ読まない自分の中でシャニP解像度はそこまで上がっていないので、その方法がセブン#スでは出てこなかっただけで、パラレルの世界では彼がちゃんとSHHisをSHHisにできることもあったかもしれないが。
何はともあれこんなに重い話とは思わなかった。
他のユニットの感謝祭って紆余曲折はあれどもうちょっとハッピーじゃなかったっけ……?
ストレイライト感謝祭とか普通に泣いたんですけど……
わりとしっかりめのクレームになってもおかしくないと思うんだけど、実際面白くはないから暇なのは本当で、ちゃんと注意するに留めたのかもしれない。
わかるんだけど、
自分はアイドルではないけど、好きなバンドには「ありがとうございました!」なんて言われるよりもどんどんすごい曲作ってすごいライブ見せてもらえるほうが嬉しいし、そういうことに感謝したい。
だからそういう演者側にありがとうって言われても……ってなっちゃうので、このときのにちかの考えがすごくわかる。
けどこれは自分が完全に客側でしかないから出る感想であって、その自分が共感してしまうこのにちかは客側の視点で、どこまでも「アイドル」であろうとする美琴さんとの意識の違いがすごい。
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モノラル・ダイアローグス
相変わらずバラエティで売れていて練習時間が取れないにちか。
パフォーマンスで人を魅せられるアイドルに憧れがあるゆえ、バラエティで売れている自分のことを「アイドルだ」とは言えず、
ノー・カラットで「アイドルじゃない人とは、私は組めない」と美琴さんに言われたことを鑑みると、このときのにちかは美琴さんの相方であろうともしていないわけで、
やっぱりこのときはSHHisはSHHisとしての形を成していないかもしれない。
美琴さんの前の相方・ルカのことはもちろん知っていたわけだけど、物語上でルカについて言及したのはそういえばこれが初めてなような気がする。
そして相変わらず仕事があまりなくてレッスンに励む美琴さん。
だけどもよく咳き込むシーンが散見されて、体調が芳しくなさそう。
あと公開練習のオファー。
プロデューサーはたぶん完成したものだけを見せたい美琴さんの意向を汲んで受けるつもりがなかった、受けないことになるだろうと思っていたようだけど、
美琴さんの尋常じゃない練習量を見せるのは、見る人に対して緋田美琴の「歌やパフォーマンスで感動を与えられるようなアイドルになりたい」という想いの片鱗を見せるチャンスであるように思うので、受けるほうがベターなのでは?という気はした。
結果的に受けることにはなるし、もちろんクリニックを経てないときに意味があるかはわからない程度のIFでしかないのだけども。
そして斑鳩ルカの里帰り。
シャニマスに復帰して最初に読んだSHHis関連のコミュがこれだったので「うっすら記憶にあるような気がするけど誰……?」だった。
だもんで里帰りしたルカのギャップにびっくりするシーンかもしれないのだけど全然わからなかった。
今見ると生来の性格はこちらなのだろうけど、シンプルにこのときのルカめちゃくちゃ可愛いですね……
話の主題は、SHHisがSHHisとして機能していない現状を芳しく思わなかったプロデューサーによってにちかと美琴さんがクリニックに通うことになるというところで、
なんというかこう、プロデューサーが不思議パワーで友情だの仲間だの絆だのを説いて「私たちは仲間だ! SHHisだ!」とはならず、
アイドルゲームで取るとは思えない手段を取ってくるのがすごい。
シャニマス、すごい。
あと美琴さんに誕生日と血液型を覚えていてもらって嬉しそうなにちかが本当に可愛いのだけど、
逆を言えばそんなことすら知っていてもらえているか不安だった、ということか。
切ない。でも可愛い。
でも誕生日や血液型ってむしろ基本的なプロフィールであるだけに、いちいち相手に聞かないし、友達の誕生日や血液型を知らない、なんてことも現実にはままあるかもしれない。
自分は友達がいないので覚える誕生日も血液型もなくていいな~脳のリソースを趣味に割ける~って思うんだけど、最近物忘れが激しいので脳のリソースがそもそも少ないらしい。
美琴さんはたぶんプロフィールとして少なくとも283プロの全員分覚えていそうな気がする。
最後のほうにちょっと……だいぶ……かなり紆余曲折はあるけど、
お互いを向き合ってSHHisをやっていく意味があるかどうかをちゃんと考え始めたから、
まだ美琴さんが出す答えはわからないし、にちかとルカの間でいろいろあったけどきっともうSHHisは大丈夫なんだろう、と初見で思っていた。
天井がなんか突然ルカを煽るので若干印象が薄れてしまっていた。
このあたりのにちかの笑顔がとても可愛い。
間でルカがマネージャーを拒否ってるけど。
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にちかG.R.A.D.
初見。
いつも出ている番組のレギュラーがルカと交代制的な感じになって、
時間で切羽詰まっていた頃より余裕は出来ていそうだけど、日常を過ごす機会が増えたことで自分がフェードアウトしていくかもしれないと焦り、
追い込むようにレッスンを重ねて、仕事に対する姿勢も殊更ひん曲がったのでトレーナーさんからもプロデューサーからも休養を言い渡されて、さらに焦りが加速する。
モノラル・ダイアローグスの最後、美琴さんが休養すると聞いたあとでもネガティブになるのではなく、前向きにやっていこうって思っていたところにこれなので、
これはまぁ確かに上げて落としての流れがもはや規定事項って感じで、
まとめて追っている自分でも「またそれか~~~~~い!」って感想は正直あったので、
リアルタイムで追っていた人はいい加減にしてくれってなるかもしれん。
至るところに斑鳩ルカの幻影を見るにちかは5周回ってもう恋だよそれ。
ルカのほうもちょくちょくにちかのこと考えてるし10周回って両想いだよ。
にちかの中ではずっと輝き続けているアイドルも世間では忘れられているから、よりそういうことへの恐れがあるんだろうなぁと思った。
にちかにとっての「靴」は、八雲なみがそうだったようにアイドルとしての姿とか立ち居振る舞いを表現するもので、
自分に合わない靴を履いて練習して自分を痛めつけていてにちかに靴を脱がせ、裸足でステージに立たせることで、にちか本来の姿が表現できて、
八雲なみを靴に合わせさせてプロデュースしていた天井とは違い、
プロデューサーが与えたのはにちかに合わせた靴で、にちかはにちかとしてのアイドル像を作り上げていける。
っていうことでしょうか。
ということはここまでのにちかは、やっぱりまだ八雲なみのコピーを抜け出せていなかったのかな。
ここからが本来のにちかになる……というところでトリビュートギグでまた八雲なみを思い出させようとする構成はもう怖いとしか言えん。
もちろん、結果としてセブン#スは八雲なみへの悪い意味での執着を解く機会になったかもしれないけども。
あとトリビュートギグの話、セブン#スで来ていたわけじゃなくてここで来ていたのか~ってなった。
自分は先にイベコミュだけ読んだのでルカ母=八雲なみ説はうっすらそうなのかな?って思っているくらいだったけど、このG.R.A.D.の表現が先にあったら確信してセブン#スを読んでいたと思う。
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美琴G.R.A.D.
初見。
美琴さんの帰省の話。
なんか美琴さんが今後を見据えるために前向きに帰省する話かと思ってたんだけど、
帰省はプロデューサーの提案で、美琴さんはぜんっぜん乗り気じゃなくていきなりマジかよってなった。
なんだったら一泊でもした?ってくらい帰省して帰るまでがめちゃくちゃ一瞬で笑ってしまった。
ご両親と特別仲が悪いってわけではなさそうなんだけど、「生き急いでいる」というかなんというか。
調律の合わない場所で生きるよりも調律が合っている場所で生きることのほうが自分のやりたいこと、と改めて見つけられて、
いつかは帰るかもしれないって思っていた場所である自分の部屋がなくなっていたことで、良くも悪くもそうやって生きることへの迷いもなくなったんだろうな、と。
後に引きずる内容があるエピソードというわけでもないので
やっぱSHHisの重たい話成分はにちかとルカが全部背負ってんなって改めて実感したような気がする。SHHisでもないのにルカ大変だね……ルカには関係ないほうが良かったかもね……
美琴さんは青春時代をレッスンで塗り潰した形で人格が完成されてしまっているので、大きな変化というか、成長は物語上あまりないんだろうなという気はする。
ただ咳の原因はなんだったのか、結局ハッキリとは言及されてなかったか。
空気が綺麗とか汚いとかじゃなくてモノラル・ダイアローグスでも言われていたとおり精神的な原因だとは思うので、
美琴さんが、自分がどういう場所で生きたいかを改めて認識したことが理由とするなら、
前のルカとのユニットでもSHHisでも、相方にばかり仕事が入っていく状況や、世間からの反応に対して少なからずストレスがあって、
それでも自分はそこでしか生きられないことを実感して吹っ切れたとかかしら。
美琴さんはそういうの気にしていないイメージがあったのだけども、認識を改めないといけない可能性はあるかもしれない。
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セブン#ス
クラブイベントか何かでDJが流したに端を発し、世間で八雲なみが再燃し始める。
そして企画されたトリビュートギグに、以前から八雲なみが好きなことを公表していたであろうにちかを擁するSHHisに出演依頼が来る話。
トリビュートギグに際してかはわからないけど、たぶん美琴さんも出ているので関連企画としての番組も作られて、八雲なみについてのエピソードがいろんな人から語られる。
ルカとにちかの対比構図も多い。直接対面しないはずなのになんでこんなにバチバチなのか。いやわかるけど。
小さめのステージ上で後ろに下がる振りの加減が上手く取れないときの、美琴さんからのアイコンタクトの提案。嬉しそうなにちか(可愛い)。
SHHisの最初の話は美琴さんが自分を見てくれているのかどうかわからないにちか、というところから始まったので、見るだけのこちらとしても嬉しい。
最初読んだときは美琴さんは特になんとも思ってないぞ!? 気にするなにちか! って思っていたんだけど、
モノラル・ダイアローグスからG.R.A.D.に続く美琴さんの咳の原因は仕事量の格差にあるんじゃないかって自分の中では解釈したので、今読むとここちょっと胃が痛くなる。
実際気にはしていなかったように思う。というか結局のところ「聞こえていなかった」のだろうか。
八雲なみトリビュートギグの話が美琴さんからにちかに伝えられて、レッスンに入るふたり。
このセブン#スにおいてテーマになる八雲なみのアドリブによる右手の振り付けについて、
問答無用ににちかのほうが八雲なみに詳しい、というのはもちろんあるのだろうけど、美琴さんが疑問に思ったことをにちかに聞くのは信頼の表れと思いたい。
そして動画を見ている美琴さんがルカを想起するのは、やっぱり母娘で似ているからなのかな。そもそもふたりの関係について美琴さんが知っていたのかどうか。
たぶん知らなかったと思う。ルカも言ったりしなさそう。
八雲なみが大好きで、SHHisになってから美琴さんをずっと横で見てきて、審美眼もなまじあるだろうから、スキル的に美琴さんが八雲なみを凌駕していることに気づく。
ここ、未だにプラマイどっち寄りの感情なのかがわからない。
二極で振れる感情ではないのだろうし、憧れのアイドルと憧れのアイドルを比較せざるを得ない状況を見てしまっているので複雑だろうなと思う。
にちかもスキルおばけの美琴さんの隣にいるせいか、元からなのかはわからないけど、観点がスキルという点に偏重気味なのを感じるし、その1本で見てしまえば美琴さんと八雲なみは比較するべくもなく優劣がついてしまう。
美琴さんがふと名前を読んでしまうくらいにルカのことを考えているの、
八雲なみに向き合うのは同時にルカと向き合うことになっているからなのだろうけど、
やっぱり関係を知っていたのか。それとも八雲なみを見ているとどうしても思い出してしまうからなのか。わかんねぇな。
セブン#スを読むのは2回目というわけじゃないけど、ここらへんからいろいろなものが少しずつ報われていくような気がしてだんだん泣けてくるようになった。
今回は同時にルカにも感情移入してくるようになっていたので、そっちではつれぇ……の気持ちで泣けてくるので、今回読み返していて気持ちがめちゃくちゃ。
明日からコメティックのイベントだからそっちで報われて……お願いね……
だぶるはは良い子たちだよ……
美琴さんにしてみれば、かつての相方だったルカと組むことになったとて、
それはあくまで一時的ににちか以外の人とパフォーマンスをすることになったその相手がたまたまルカだったというだけで、
きっとルカじゃなかったとしても美琴さんは変わらず、いつもどおりパフォーマンスをこなしていたのだと思う。逆に予定どおりにちかだったとしても変わらないかもしれない。
それでも美琴さんの自意識はとっくに「SHHisの緋田美琴」で、
一時的に他の人とやることがあったとしてもにちかと共に作るSHHisが美琴の戻る場所で、
自分はステージの上に居続けるから「SHHisの七草にちか」が戻ってくるのもそこだと思っている、という感じなのかな。
それを!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
にちかに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
言って!!!!!!!!!!!!!!!!
あげて!!!!!!!!!!!!!!
という感じがしないでもない。美琴さんだからしゃーないかもしれない。
まぁ実際こんなこと思ってたって言えないと思う。友達に「友達でいてくれてありがとう」って言うことに近い。友達いないけど。
八雲なみを知らなかった美琴さんが八雲なみのトリビュートギグに際し、
アドリブで踊っていたただ1箇所の振りについて、八雲なみのパーソナルにまで踏み込むくらいにリサーチを重ねてあそこまで真剣に考慮したのがすごいなと思った(小学生)。
最初に読んだときは、トリビュートギグは相手に対して敬意を払うものっていう至極真っ当な価値観と、「美琴さんは仕事に手抜くとかしないしそのくらいするか~」という気もしたけど、
好きなアイドルのトリビュートギグに出られないにちかの想いを持って行ってあげるため……だったらいいですね。仕事を最大限こなすためだとは思うのだけど。
ルカのファンってたぶん「苦しさを表現するルカ」に感情移入しているので、ルカにとっての救いにはなり得ない。
だぶるはは良い子たちだからね……明日だからね……1年とか2年とかかけて重いイベントが続いてユニットになるタイプじゃないといいよね……
かつて家族の中の「アイドル」だったにちかが様々な家族の問題の中でいつからか「アイドル」じゃなくなって、
それでも憧れを諦めなかったことで出会えた憧れのアイドルがいて、
かつてアイドルだったときのにちかの象徴のビールケースのステージの上に、今の憧れのアイドルが登ってきてくれる。
SHHisがなくても活躍出来ると思っている、SHHisを必要としてくれているのかもわからなかった憧れのアイドルがSHHisに戻ってきてくれて、にちかをもう一度アイドルにしてくれる。
にちかにとってどれだけの救いだろうか。
ビールケースの上のアイドルだった過去のにちかのことも、今のアイドルとしてのにちかのことも、SHHisとして美琴さんの隣に立つにちかのことも、まとめて肯定してくれる。
美琴!!! にちかの心をずっと振り回しやがって~~~!!!
いや本当、この終わり方、初見から何度も思っているけど良すぎる。
どんなもの食べて育ってきたらこんな結末を考えられるんだろうか。やっぱビールか。
そしてこの美琴さんのカードのタイトル、【STAGE】なんですよね……持ってないけど調べました……
BDは(まだ)買ってないのだけど、シャニマス5thライブでルカの283プロ加入が発表されたときの動画だけ見たんだけど生で見た人の情緒はどうだったんだろうか。
自分だったら狂ったと思う。
というかリアルタイムで見てたわけでもないのにこの動画見たら「ルカも救ってくれるんだ……」って思ってちょっと泣いたもん。
このあとのサプライズDye the sky.はさぞ格別だったでしょう。
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にちかLanding Point
初見。Landing Pointすらこのために初めてやった。
ワンマンライブに向けて頑張っているにちかに入ってくる、子供たちと一緒にダンスレッスンを受けるのを撮影する、というWEB広告の仕事の話。
まだ美琴さんに対して自分は劣っている、という気持ちは残っているけど、セブン#スを経てSHHisとして美琴さんの隣にいる自分を肯定できるようになっていて、めちゃくちゃ良かった。
素直な子供から「がんばろうって思える」って言ってもらえたことで、
主観でも客観でも事実ではある「ちょっと上手くない方」だけど、
卑屈にならずに笑顔で言えるの、良い。
でもその流れでこれはBGMも消えるので「うわぁ……」ってなった。
ダダ滑りやんけ新人お笑い。お笑いもドン引きやんけ。というかこのときはまだ美琴さんのほうが露出少ないのでは……?
こんな噛みつき型の一発屋にしょうもない難癖つけられても、
今まで美琴さんと一緒に積み上げてきたものを思い返せる強さを今のにちかが持っているというのがわかるの、良い。
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美琴Landing Point
初見。
にちかのほうを先に読んだけど、ワンマンライブの話が出たのこっちが先か~い!ってなった。
ワンマンライブに向けて自然体の自分を見せよう、という提案をされて模索する美琴さんの話。
自分はバンドやアイドルのMCは全然なくていい、と思っていて、
少なくともステージ上ではしっかり作り上げたものを見せてくれるほうが嬉しい。
だからこそラジオなんかでは自然体で楽しそうなメンバーを見るときが一番楽しかったりするし、大事なタイミングでステージ上から投げてくれる言葉がすごく大事に思えたりするんですよ。
これはまぁ完全に特定の自分の好きなバンドの話なのだけど。
パフォーマンスをしているときの「楽しい」って気持ちを全面に出す、それが緋田美琴の自然体。
めちゃくちゃ良い答えだなって思った。
結局自分の好きな人たちが楽しそうにしているのを見るのがいっちばん楽しいんだから。
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not enough
仲良シーズが大好きなのでこれは何度も読み返しているのだけど、
読み返すたびに美琴さんの「筑前煮」の一言だけで泣くようになっていく。
そのうち食卓に並ぶだけで泣くようになるかもしれない。
にちかが美琴さんに隣に立つ覚悟を前向きに決めて、
美琴さんがSHHisとしてにちかをパートナーに選んで、
SHHisはようやくSHHisとして土台がしっかり出来たけど、ふたりの関係においては残る問題だったふたりの間のバランスがもう少しだけ良くなって、
いわゆる「おたくんとこのよさ」が出てくるのはこの話からなんだろうなと、ここまでのSHHisを読んで改めて思った。
レンジ爆発させた女の言う「レンジってすごい」は重みがちげぇや。
ハムがレンジで簡単に作れるかはわからないけど、このあとのにちかの反応はなんだろう。ちょっと自分を褒めてほしかったのかな。可愛いね。
この演出家、もしかしてSHHisのコミュ読んでる?
いや本当に、シーズが仲良シーズになっていく、その瞬間を描くなら本当にこのタイミングしかなかったよね……演出家すごいね……
やっぱコミュ読んでるでしょ……?
大学生にもなるとまた変わるかもしれないけど、
高校生くらいの頃って友達の家ですら行って遊ぶ、誘うなんてことがなかったりするし、
美琴さんを家に誘うにちかの心情たるや。
にちかにとっての美琴さんは憧れの存在であるだけに、今まではある意味で気を許せない相手だったと思うのだけど、
もっと踏み込みたい、もしくは踏み込んでほしいというにちかの願望が表れている行動だったら嬉しい。
美琴さんに注目したとき、
素の飾らない自分を見せる、ということをG.R.A.D.でやったあとに、
今度は演じることをやらせるっていう流れになるの、なかなか面白い。
特にこの演目はふたりのために書き下ろされたものだから、
パフォーマンスしている美琴さんや、バラエティに出ているにちかに着目して当て書きされたはずで、
バラエティに出ているときのにちかは真面目にやってはいただろうけど美琴さんとの仕事に繋げるためにやっていた部分が「からっぽ」だったのだろうし、
パフォーマンスしているときの楽しそうな美琴さんというのは、にちか(リリア)との出会いから楽しくパフォーマンスすることを知ったように見えて、
そのギャップで演出家も悩んだのかなぁと思うようなそうでもないような。
消臭を頑張るにちか可愛い。
相手のプライベートな空間の匂いに対して「好き」って言う美琴さん。
「懐かしい匂い」ってことは実家の匂いに近いものを感じたのだと思うけど、今の美琴さんの実家は建て替えられて自分の部屋もなくなって、
もうその記憶の匂いが感じられないと考えるとちょっと切ない。
美琴さんからにちかを誘うくだり、
わりと何度もやっている気はするんだけど全部特別なことに見える。
でもこのときはにちかがすぐに応えられないという違いがあって、
初めて美琴さんがにちかを求める側になったような気がする。
いやもうなんでこの「筑前煮」で泣いてしまうのかわからん。
けど泣いちゃうんですよここほんと。
美琴さんからにちかに寄り添ってくれる話はカウント然りビールケース然りで今までもあったけど、
料理っていう今まで出来なかったことを出来るようになって、それだけの手間をかけて出来たものを誰よりも先ににちかに渡してくれるのは、
美琴さんが表現出来る最上の「あい」だと思う。
はちみつ漬けのレモンがあったり、豆腐のチーズケーキがあったり、この話でも冒頭で手作りのハムを入れたサンドイッチがあったりはしたけど、
美琴さんからにちかに渡したものって、ノー・カラットの最後に渡したペットボトルの水だったと思う。
手作りだから偉いとかじゃないのだけど、それでもペットボトルの水が手作りの筑前煮に変わったのってすっごい「あい」じゃないです?
いや「あい」です。
にちかから美琴さんへはちょっとずつ「あい」を渡していたけど、
美琴さんにとってのにちかも、好きなことややりたいことを優先しているときに、欲しくもないから腐らせてしまって、そして捨ててしまえる野菜みたいな存在じゃなくて、
「あい」のやりとりをして、一緒にいたい存在になったんですよね……
自分は直接知らないのだけど、にちかの声優さんが
『今までのにちかだったら「美琴さんが作ったものがまずいわけないです」って言っていたと思うけど、美琴さんの料理にもまずいことがあって、美琴さんにも出来ないことがあることを受け入れた』
的なことを言っていたそうで。
にちかの最大の理解者かよ……って頭を抱えました。
どこで言っていたもわからんのでWikipediaなら[どこで?]って書かれるかもしれん。
自分がWikipediaなんぞ書くことないけど、あれの煽り度合いちょっと嫌。
あんな綺麗なのに天然なのヤバイよね、マジわかりみすごいんだけど。
ってか、曲エグちなのにミコトさんもにっちーも可愛いとかさ~、
シーズってもしかして最強すぎない? もうシーズしか勝たん。すこ。
というか「すごくまずくて食べられないパン」ってマジでただの天然だと思ってたんだけど、もしかして筑前煮のやりとりがあったから出てきた言葉だったんだろうか。
いやそれでもただの天然だわ。
あと「あい」で思い出したけど、
アイムベリーベリーソーリーのとき、美琴さんがにちかの練習に寄り添うことで見出したSHHisの間にある「あい」の他に、
自分に対しての「あい」をSHHisのふたりはまだ得ていないんじゃないかなって思ったのだけど、
LP編でふたりともそういう「あい」も得られていたのかなって思う。
他者に与える「あい」だけじゃいずれ自分の中にある「あい」は空っぽになってしまうから、
自分のことも「あい」で満たせるようになったことで、こういう筑前煮のやりとりが出来るようになったのかな。
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あとがき
SHHisね、めちゃくちゃ良い……
イベコミュだけ読んでいたときにチラチラ見える回想シーンであったり、
話の本筋ではないけど出てくる要素をいろいろ回収出来たし、
個人的にはイベコミュだけをnot enoughまで読んでもまだ把握しきれていなかった美琴さんの根本のキャラクターをちゃんと知れた気がして良かったなぁと思う。
しかしまだにちかとルカとの関係が改善していないのもまた事実で、
自分の母親を守ってくれていた弁護士がにちかの父親であることとか、
ルカの母親が自分の原点のアイドルであることとか、
そのあたりを知ったときにふたりの関係がどう変わるんだろうってのは楽しみである。
魂の根本が似た者同士なんだし、ふたりとも本当に良い子なのだから仲良くやってほしい。鋼の錬金術師のノックス先生だって子供が殺し合うのは見たかねぇって言ってたよ。殺し合ってはいないけど。
でもその話すると必然的に越境になり、サイドストーリーで済ませられる軽さではないと思うので、
どうしてもふたりがメインになりそうなのはなんかバランス悪い気がするので難しい。
あとはそもそもルカについてはコメティックになっていくのが先か。
だぶるはによるメンタルケアが済めば受け入れる余裕も出来るのかな。
イベント発表されたときは年始になんつーものを投げるんだ、と思ったけど、自分はそこまで節日や節目にこだわりがないのでよく考えたらいつ来ても良かった。普通に楽しみです。
「コメティック」になるまでが長くならないといい、本当に。
SHHisは特ににちかの気持ちの上がって下がっての繰り返しが長かったのは事実なので、正直ちょっと疲れたところはある。
それだけにセブン#スで出してくれた答えと、not enoughでの仲良しさが良かったのもまた誠ではあるのだけど、
これをリアルタイムで追っていた人たちは本当に頑張ったんだなぁと思った。
改めてシャイニーカラーズという沼の深さを実感した年末でした。
以上。