自己紹介
はじめまして。音楽ライフメンター、クラリネット講師、吹奏楽コーチの浅原ルミ子(あさはらるみこ)です。私のクラシック音楽家としてはちょっと変わった経歴と、noteでやりたいことをここに記します。
■嫌々始めたクラリネットでプロに
・クラリネットを嫌々始めるが後にハマる
私は13歳の時にクラリネットを始めました。全校生徒が必ず1つ部活動に参加しなくてはいけない全入部制中学校でした。私は部活に入るのがとても嫌だったのですが、抵抗も虚しくルールに従いました。小規模中学だったので選択肢は少なく、小学5年で負った大怪我の影響と、ピアノを弾き続けるという条件を満たすのは吹奏楽部しかありませんでした。
しかし、希望していた打楽器やトランペットには割り振られず、見たこともなかったクラリネットを吹くことになってしまったのです。ただでさえも、部活動に入りたくなかったので気分は最悪でした。その結果、最初の2年間は顧問の先生方を睨みながら活動していました。しかしながら、真面目な性格が幸いして練習には毎日行っていました。
そうして、中学3年の時『ぐるりよざ』(伊藤康英作曲)に出会い衝撃を受けました。色も形も匂いもない音楽が、史実や人の感情を表現できることを知ったのです。そこから音楽で表現することに夢中になり、高校でも吹奏楽を続け、文字通り部活三昧の日々を送りました。
・家庭の事情で大学進学できず高卒就職
勉強が大好きで大学への進学を希望していた私は、高校も進学校を選びました。しかし、父親が多額の借金を負い、高卒で就職することになってしまいました。非常に取り乱しましたが、年下の二人のきょうだいが高校に通えるように19歳の春に郷里の秋田県を離れ、神奈川県で社会人生活をスタートさせました。
ちなみに、貸付型の奨学金を得ればよかったのでは?と言われることが多いのです。しかし、高校の学費にすでにそれを利用しており、大学で更に利用した場合、返済があまりにも長期になることと、利用したところで生活費についての仕送りも不可能と宣告され、アルバイトで大好きな勉学時間を削ることは私には考えられなかったので、高卒で就職することにしたのです。
・オランダ社会人吹奏楽団に見出した希望
就職後は神奈川県藤沢市で社会人吹奏楽団に入りました。そこで素晴らしい友人を得て活発にアマチュア音楽活動をしていました。
人生で初めてクラリネットの個人レッスンを受けたのは24歳の時でした。先生と音楽について一緒に考えたり、クラリネットの本当の音色について知るにしたがって、
「果たして吹奏楽って本当にこういうものなのだろうか?」
「器楽演奏って何なのだろう?」
とさまざまな疑念が湧く様になりました。
そんな頃、CDでオランダの聖ミカエル・トールン吹奏楽団の演奏を聴き圧倒されました。それはとても華やかで、かつ、味わい深く、場面により鮮やかに変化する音色と表現力が、それまでに日本ではたとえプロの演奏でも聴いたこともないものだったからです。実に人間らしい演奏で完全に心を奪われました。しかもプロではなく、オランダ南部のアマチュア吹奏楽団と知り更に驚きました。
そして、日本の吹奏楽コンクール全国大会を聴きに行った時に、どのチームも同じような音色とスタイルで演奏し、それぞれの個性を感じなかったことにショックを受けたことを思い出しました。
聖ミカエル・トールン吹奏楽団のようなサウンドを日本の吹奏楽の選択肢の一つにできたなら、どんなにこの世界が豊かになるだろうか。
それを伝えるためには、私が専門の教育を受け、知識を深めて新しい価値について説明できるようにならなければいけない、と考え33歳の時に音楽大学の受験にチャレンジすることを決意しました。
・35歳で海外音楽留学
レッスンを受けていた先生に相談したところ「それならば外国に行きなさい。」とアドバイスを頂きました。
年齢や語学、学費などの条件、更には運命的なユトレヒト音楽院との出会いがあり、オランダに留学することを決意しました。約1年半の準備期間を経て2014年に35歳でユトレヒト音楽院のクラシック音楽科クラリネット専攻に入学しました。
4年間勉強して2018年に卒業し日本に帰国してからは、音楽ライフメンター、クラリネット講師、吹奏楽コーチとして活動しています。
■音楽ライフメンターとは
メンターとは「相談できる人」の意味です。私は音楽ライフメンターとしてアマチュア演奏家の皆さんの悩みや困りごとについて、対話を通して解消や解決を目指します。
仕事や育児とのバランスや、楽団内の人間関係、練習での悩み、演奏するときのメンタルの整え方など、広くお話を伺います。
演奏会のパンフレットの内容やレイアウト、司会原稿の書き方、楽団の運営に関する困りごとなども相談を受け付けています。
■レッスンの特徴
・生活スタイルに合わせた練習の仕方についての提案とコーチング
ただ「こうやればいい」と指示するのではなく、何に困っているか共に考え、通勤や通学のついでに練習できる手法を提案しています。
従来の楽器のレッスンは「課題を仕上げてレッスンでチェックや指導を受ける」というスタイルが多いです。しかしこれはすべての生徒さんに有効ではありません。
特に管楽器については、楽譜の読み方と練習のやり方そのものに引っかかっているケースが圧倒的に多いからです。
その理由はスタートが学校の吹奏楽部であることです。楽器に詳しい人から適切に楽器の構造や仕組み、練習のステップを教わる機会が、部活動では非常に少ないのです。
・楽譜の読み方を楽しく恥ずかしくなく学び直すサポート
また、練習に必要な音楽の知識を教えてもらえずに大人になってしまう事例が非常に多いです。これも部活動において知識を軽視し、行事をこなすことを過度に優先し、「気持ちを込めて演奏すればOK」という、音楽を演奏する大原則から大きく逸れた活動を何年も続けさせるからです。
これは「自分は下手だから吹けない」と思い込んでしまうひとを多く生み出しています。
そのため、演奏への情熱はあるのに、練習手法でつまずいたり困ったりしている奏者がとても多いです。そのことに気づいていないことも少なくありません。そういった方々を助けるレッスンを行っています。
なので、レッスンに何か曲を仕上げてくる手法をとっていません。
演奏上で困っていることを分解し、練習のステップを仕事や日常の生活の環境に合わせてプランし、実践しやすくカスタマイズします。継続レッスンの場合はそのフォローも行います。
■社会人吹奏楽団の研究
日本の吹奏楽は部活も社会人楽団も、リハーサル1回あたりの時間が長く、い頻度も毎週、週に2回など拘束時間が非常に多いです。そのため、家族や友人との時間が取りにくく、家族との間に亀裂が入っていますこともあります。結果、離婚に至ったカップルも知っています。
また、本来であれば楽しみとリフレッシュのための吹奏楽活動ですが、活動やそれにまつわる人間関係で苦しみ体調を壊す人も多く見ました。
さらに休日を目一杯使ってしまい吹奏楽以外の趣味も作りにくいです。もちろんそれで幸せならばOKですが、
「吹奏楽が好きだから続けなければならない」
「これ以外の趣味を作ってはならない」
と気持ちを制限している事例も多く見ました。こうなると、せっかくの趣味が人間としての視野を狭め人生全体に悪い影響を及ぼします。
私は、吹奏楽を多く経験し自身も管楽器奏者でありますが、部活動や社会人吹奏楽団にもっと余白があった方が総合的な幸福度が上がると考えています。そのための提案やコンサルを個人レベルから楽団レベルまで実施しています。
参考にしているのは、ユトレヒト音楽院卒業時にリサーチし、現在も研究を続けているオランダ社会人吹奏楽団のシステムやメンタリティです。
■noteでやりたいこと
心のヒダを見つめ、観察し、文章にすることにより、社会に生きる音楽家としての思考力と洞察力を磨こうと考えています。
コンプレックスをしなやかに許容し、タテヨコナナメから見つめ、競争の多いクラシック音楽界にどうやって住んでいくかをnoteに記していきたいです。
それらが同じような悩みや葛藤を抱える方々へのエンカレッジメントや、思考のきっかけになればこの上ないです。その対象はプロ・アマ関係なく全音楽家です。業界への良い耕作や種まきにでもなれば更にハッピーです。
■パイパーズ
私の書いたオランダの社会人吹奏楽団に関するリポートがパイパーズに掲載されました。購入はこちら
■その他の発信
・ホームページ
あなたが吹けないのは下手だからではありません。必要な知識と練習のやり方を身につければ誰でもいつでも上達します。人生が豊かになるアマチュア生活と練習のヒントを発信しています。
きっとあなたに合う練習のやり方を見つけることができますよ。
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■略歴
1979年 秋田県羽後町生まれ
1992年 旧羽後町立三輪中学校入学。クラリネットを嫌々始めるが、途中から開眼し熱中。
1995年 秋田県立湯沢高校入学。高校も吹奏楽部三昧。大学進学を諦めざるを得なくなり人生の壁にぶち当たる。高卒就職を決意。
1998年 高校卒業と当時に就職のため神奈川県藤沢市へ引越し。国家公務員、アルバイト、派遣社員、会社員などを経験。アマチュアとしてウィンドオーケストラ音秘、湘南交響吹奏楽団グランドシップなどで活動。その間,
伊藤正太郎先生(元東京フィルハーモニー・オーケストラ団員)にプライベートレッスンを受ける。
2004年 結婚。この頃オランダの聖ミカエル・トールン吹奏楽団の演奏に出会い衝撃を受ける。吹奏楽が芸術になり得る可能性を初めて感じると同時に、日本の吹奏楽はこれでいいのか?と考え始める。
2012年 夫の短期出張でユトレヒトに2ヶ月間滞在。ユトレヒト音楽院と運命的に出会う。ユトレヒト音楽院を志望校に設定し受験勉強開始。
2014年 ユトレヒト音楽院に無事合格・入学。オランダののびのびした空気も気に入り、落ち込むこともあったけれど勉強と人生を楽しむことを知り、かけがえのない時間を過ごす。
2018年 学校推薦でコンセルトヘボウのランチコンサートに出演。ブラームスのクラリネット三重奏を演奏。ついでにテレビでも同曲を演奏。最高の思い出。同年6月にユトレヒト音楽院を無事卒業。7月に完全帰国。フリーランス音楽家として活動開始。
■おまけ
好き| コーヒー、ビール、散歩、草花、山、猫、オランダ
得意| 自動車運転、掃除、英会話、演奏会タイムスケジュール作り、MC
夢 | 登山と編み物を趣味にする。