VERSE_nに見る最短の収益化方法への1考察〜推しのために今ファンが出来ること〜
VERSE_nは最短で収益化しようとしている?
いなくなってしまった推しの話
デビューしたての推しに僕らが出来ること
ABSTRACT
VERSE_n is smart and interresting. But, We should consider them as Rookies. Let’s subscribe their channel.
はじめまして、ruminoriと申します。
ここ3、4年くらいVtuber(バーチャルユーチューバー)にどハマりしていまして、11/19にデビューしたばかりのVERSE_nというグループも視聴するようになりました。
背景は分からないのですが、Vの活動(生配信や動画投稿)の裏に最短で収益化を通そうとする意思みたいなものを感じとったので一度考えてみたいと思います。
ぶっちゃけ考えすぎかもしれませんし、もっと深いところまで練られているかもしれません。
ただ、ひょっとしたら明文化することでこのVtuberという文化が続いていくことに何かしらの貢献が出来るかもしれないと思い、筆をとりました。
企業勢Vの目的というのは、誰かに聞いたわけではないですが、利潤の追求ではないかと思います。
Vの活動から得られる収益とそれにかかるコストのバランスが崩れてしまってはどんなに面白い配信者もかわいいVtuberも良い声で歌うVsingerも活動を続けていくことは難しいわけです。
そんな中で、一個人の一ファンが出来ることがよりハッキリと見えたら良いかなと思います。
1 VERSE_nは最短で収益化しようとしている?
1-1 VERSE_nとは?
VERSE_nとはソニー・ミュージックレーベルとHelixesが共同で手掛けるVtuberプロジェクトです。様々な物語を巡ることを活動の軸に据え、現在3人のVtuberと2人のVsingerがデビューしています。YouTubeにてライブ配信やアニメーションPV、オリジナル曲・歌ってみた動画の投稿をしている他、Twitterでは各キャラクターの過去に関するイラストや物語を投稿しており、また、公式サイトでは物語の視点であるリン目線での小説が展開されています。
漫画化の予定もあるようで大きな資本が動いていてダイナミックなメディア展開が予想され、今からwktkが止まりません。
*VERSE_n:ヴァース 他Web記事ではVERSEnと表記されていますが、筆者は公式TwitterのIDを参考に本稿ではこう呼称します。
*Vtuber:ヴァーチャルユーチューバー 2次元のイラストや3Dモデルを動かし、ライブ配信や動画投稿などをするYouTuberのこと
*Vsinger:歌唱を主なコンテンツとするVtuber
*VERSE_nの各キャラクター:Vtuberをキャラクターと呼ぶのは文化的に正しくないのですが(cf.中の人などいない)便宜上、本稿ではそう呼称します。
・リン:物語のキーとなる女子高生。アニメーションPVへの露出がある他、各キャラクターの挿話にも登場。公式Webサイトでは彼女を主人公としたストーリーが公開されている。
以下初配信順:一言コメント(詳細は見るのが早いです)
・カシ・オトハ(歌メイン):かわいい
・カガセ・ウノ:自由人
・アルバ・セナ(歌メイン):苦労人ポジの匂いがする
・マル・ナナモナ:羊だが羊ほど大人しくはない
・ヒトシロ・イツキ:フィジカルお化け
1-2 ライブ配信と歌動画の違い
VERSE_nにてデビューしているVtuberはライブ配信メインで活動している3人と歌動画を投稿している2人とでデビューしてから1週間の活動内容に大きな差がありました。その差はひょっとして収益化条件クリアのためではないかというのが本記事の出発点です。
YouTubeの収益化の条件は規約に違反しておらず適切なコンテンツであることに加えて以下の2点をクリアする必要があります。
この内、4,000時間以上というのは3分程度の動画なら8万再生以上、1時間のライブ配信アーカイブなら4000回以上ということを表します。
もちろん、ライブ配信も歌動画の投稿もどちらも出来れば最強ですが、各キャラクターの強みを活かし最大効率を狙うとその限りではないかもしれません。
ライブ配信がメインの3人はほとんど毎日ゲームの実況をしており、1時間から2時間程度の精力的な配信活動をしています。アーカイブも11〜12動画程度貯まりました。対して歌動画メインの2人は初配信も30分と他3人に比べて短い時間となり、また活動内容も週に1回程度3分ほどの歌動画の投稿と露出は少なめです。
この活動内容の差は総再生時間に顕著に現れることとなりました。
試しにライブ配信メインと歌動画メインのキャラクターを比較してみましょう。
11/29 20:55現在のデータです。
ライブ配信メイン
カガセ・ウノ 10万時間
ヒトシロ・イツキ 8.1万時間
マル・ナナモナ 5.8万時間
歌動画メイン
アルバ・セナ 9200時間
カシ・オトハ 6800時間
*秒単位29捨30入
*初配信告知動画と配信中の枠は除く
*上から3桁めで四捨五入
いやぁ、こうしてみるとどうにか収益化の申請は全員が出来そうですね(感想)
やはりライブ配信のアーカイブが再生時間の面では有利に働きそうです。しかしながら歌動画の投稿は準備に手間と時間がかかり、数を打てないというのがネックです。役割分担をキッチリ分け、配信頻度の高いライブ配信者と一緒にデビューさせることは、存在感を失わせず、限られた時間をそれぞれの得意分野に充てながら収益化の最低ラインをクリアするやり方なのかもしれません。
この主張は歌うまVtuberを2人だけでデビューさせていてもこれほどはやく収益化条件をクリアしなかったのではないかと意味を含意します。
たとえクリアしても増えていく稼働時間に対してかかるコストが膨大化し無理が出てしまう未来になってしまう懸念があったのではないかと心配しています。
まあ、結果的には問題なくすくすくと成長していそうなので、何か事件でも起きない限りはもうしばらく楽しむことができそうです。
多言語を操る配信者に大きな資本、関わっているクリエイターも有名・人気の方々ばかりで練りに練られた配信スタイルの分業化。成功する要素しかないこのプロジェクトを『今回はきっと大丈夫だよな』と一抹の不安を抱えて筆者が見守るのにはある推しVtuberの引退があまりにもやるせなかったからです。次章で触れます。
*多言語を操る配信者:マル・ナナモナは英語とフランス語と韓国語が話せる。ヒトシロ・イツキは中国語が話せて英語が分かる。カガセ・ウノはナナモナに英語を教えてもらっているらしい。(初配信より)
2 いなくなってしまった推しの話
長くなってもあれなので簡単に。
3年ほど前まで歌動画メインの3Dモデルを使った2人組のVtuberが活動していました。10万人登録も越えていてこれからもっと増えると期待されていた中堅です。
しかしながら引退しました。
新しいことに挑戦とか新境地開拓とかそういうポジティブな理由ではなく、増えすぎた仕事量のせいでした。
表向きは本業との両立が難しくなったということになっていますが、専業に出来なかったということはつまるところ求められているクオリティと時間的なコストや労働条件が合わなくなってしまったのではないかと思います。
その運営は英断だったと思います。
きっと演者から見たら良くないところもあったかもしれませんが揉めている様子もみせずに魂を入れ替えることもせずうまく畳んだと思っています。
当時の僕には引退が発表されるまで順風満帆に見えました。3Dモデルも運用出来るゴツい運営がついててチャンネル登録者も伸びている。生配信で音ズレの訪れがありましたがすぐに笑い話にでもなるさと、そう思っていました。
何かできることはあったかといえば無かったと思います。
でもあったかもしれない。
そんな気持ちが順風満帆に見える企業勢にも不安を抱く根本です。
3 デビューしたての推しに僕らができること
3-1 今のVtuberは新規のハコは伸びにくい(小並感)
Vtuberという言葉が社会的に認知され始めてからもうそろそろ2年が経とうとしています。配信者も投稿者もどんどん増え、もはや需要という器は満たされて、溢れ出ています。大人数を抱える大きなハコが知名度や人気度からこれまでのファン層を抱えたまま新規層を取り込み大きく膨れ上がって格差が生まれています。それらは自由度の高い市場では必ず起こることですし、別に問題とするところではありません。ただ、大金突っ込んで広告打ちまくってもそれほど伸びないと言うことは言えるかと思います。ブームや新しさに敏感な全体の15%は掴めてもその他のマジョリティを動かすのはこの国では同調圧力です。
そんな中で新しく出来た推しを生き残らせるために矮小な僕らで何ができるのか。
それは誤解を恐れず言うならば他人に迷惑をかけることです。
Twitterで動画を共有しましょう。
グッドボタンとチャンネル登録をしましょう。
どんなことでも何かのネタになるかもしれません。やめろと怒られるまでマシュマロを書きましょう。
Twitterのリプライは追うのが大変なのでやめてください(個人の趣味)
反応があるのは配信者にも励みになると聞きます。
ファンとの交流を魅せるのも人気な配信者の得意技です。
何が出来て何が出来ないか、何が得意で何が不得意なのか。デビューしたてで見えてこないそんなことを交流で明らかにしちゃいましょう。
きっと、何もしないよりかは良い選択となるはずです。
後悔のない推し活をエンジョイしてください。
*認知されて2年: 2019年はNHKにVtuberが出演するなど既存のマスメディアへの露出が多かった。
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