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一般入試を絶対だと思っている人が分かってないこと
AO
— 林尚弘@令和の虎二代目主宰FCチャンネル (@hayashinaohiro) January 20, 2025
指定校推薦はダメでしょ
学歴ロンダリングよ
若者代表の意味、、、、
信じれるのは
一般受験のみ
素晴らしい制度は
なんの差別もない
平等な
学力点数勝負
異論は認めたいけど
認められない、、、
一般受験は、受験生にとって負担が大きい制度です。
そのため、一般受験ではなく、AOや指定校推薦といった入試形式で合格した人達に対して嫌悪感を抱いてしまうというのは、引用元の林氏に限ったことではありません。
しかし、一般受験は絶対的なものではありません。
完璧な制度があり得ないように、一般受験にも欠陥があります。
欠陥があるというか、個人的には、かなり妥協した制度に思えます。
1. 一般受験の短所
一般受験の短所は、ほとんど以下の性質に集約されます。
"一発勝負だから"
一発勝負であることには多くのデメリットがあります。
2.東大入試をもう一度やったら半数が入れ替わるという言説
見出しのような言説があります。
どれくらい正確な言説か、ソースがどこなのか私は全然詳しくないですが、
確実に言えることは、
トップレベル同士の戦いでは、一発勝負だと結果の振れ幅が大きくなる
です。
なぜ、トップレベルのスポーツの大会では、何本勝負というルールが用いられうのでしょうか。
卓球は4/7先取ですし、バレーボールは3/5先取といったように。
運要素がなく、実力勝負に思える将棋でさえ、最強と言われる藤井聡太氏の勝率は83%です。(https://www.shogi.or.jp/game/record/all.html)
人間と人間が勝負するわけですから、パフォーマンスの振れ幅というのはどうしてもあります。
私の周りにも、この人は合格するだろうという人が落ちるというのは全然ありました。
50%というのは分かりやすく誇張された数字だと信じたいですけどね。
一発勝負で、どこまで実力が反映されるのかについては、過信しすぎない方がいいと思います。
(追記・参考)
以下の記事が面白かったです。
3.カバー率の低さ
一発勝負の入試ですから、網羅率も低くなります。
このことも、運の要素を大きくしています。
例えば東大数学は、大問が6つあって120点満点です。
つまり、出せる問題には限りがあります。
簡単に言うと、「たった6問で、なんでその人の実力を測れるんだ!」という話です。数学はわかりやすいですが、他の科目も同様です。
もう少し具体的な話をしましょう。
各大学にはその大学の傾向があり、例えば東大は確率の問題が大好きです。以下のサイトを見てもらえれば、多くの年で確率の問題が出題されていることがわかります。
しかしですね、そのサイトを見てもらえればわかる通り、実はその傾向が不安定な時期がありました。
そう、2018~2021年にかけては確率の問題が出題されていないんですね。
私たちの代は2021年2月に高校三年生の入試があったのですが、おそらく多くの理系東大受験生がこう思っていたと思います。
「東大はもう3年連続確率の問題を出していない。確率が大好きなあの東大が。そろそろくるか、そろそろくるのか・・・?」
確率の問題を解けるようにするには、確率の問題の対策をしなくてはなりません。しかし、入試本番で、東大が確率の問題を出さない。この、大学の簡単な気まぐれ一つで受験生の努力は簡単に吹き飛びます。そして、もし確率の問題が出たとしても、どの難易度の確率の問題が出るかもまた東大の御心のままなのです。それが捨て問だったら意味ないし、下手するとその問題に沼って点数が壊滅的になってしまうかもしれません。
単に、大学受験が不条理だと言いたいわけではありません。
一発勝負で実力を測ることは、想像以上に難しいのです。
確率が出ない年に落ちてしまった受験生は、もしかしたら確率が出た年だったら合格していたかもしれないし、別に確率に限らずその年に何の問題が出たかで合否を左右されてしまうことは珍しくないのです。
私達の代に限らず、2017年の東大数学は大幅に易化して、数学で周りと差をつけていた受験生は割を食いましたし、2018年は今まで当たり前のように出ていた確率の問題が事前告知なしで出なかったわけですから。
そこそこ具体的に、字数を割いて語りましたが、この不条理さのリアルは伝わったのではないでしょうか。
4. 推薦入試の妥当性
一般受験という制度が思いのほか難点を抱えていることはわかっていただけたと思います。
では、推薦形式はどうでしょうか。いくら一般受験が難点を抱えているといっても、推薦形式がひどかったら、やっぱり一般がいいってなりますよね。
私の母校はこれまで4人の東大推薦合格者を輩出しており、私自身は京大に入って何人か(数え切れないが片手は超える)の京大推薦合格者と交流がありますが、それらの人達を見て感じるのは、
「難関国立大学の推薦入試はレベルが高い」
です。
科学オリンピックのメダリストであったり、研究で成果を上げていたり、その他何かしらの大会で成果を上げていたり。
もちろん、みんながみんな化け物な実績を持っているわけではなく、必ずしも「天才」というわけではありませんが、一人一人自分が大学とどう合っているのかをアピールすることに成功しているわけですからすごいですよ。
しかも相対基準だけではなく、絶対基準で、基準に満たなければ定員以内でも落ちますからね。
推薦の話になるとやたら合格者に高い基準を求めがちな人はいますが、求めすぎだと思います。一般受験勢だって、「凡人」がほとんどなのですから。
京大で、推薦組が一般組より劣っていると感じたことは一回もありません。
私の高校の頃の友達に東工大にAOで合格した人がいました。
学力は一般では合格できないくらいだったと思いますし、どうも目覚ましい成果をあげたようには見えなかった(知らなかっただけではある)ので、正直
「なんで合格できたんだろ」と不思議に思ってたのですが、その人は東工大を主席で卒業していました。
結局、紙の試験でどれほど点数を取れるかは能力の一側面にすぎないし、一般受験だけでは拾い切れなかった学生を確保できた実績があるだけ、推薦は舐められたものではないのです。
もちろん、推薦でも、ふさわしくない学生が合格してしまう可能性も否定しきれませんが、それは、これまでの節でもわかる通り、一般でも同じことです。
5. 大学受験制度の合理性
じゃあ推薦の方が素晴らしいかというと、そんなに話は単純ではありません。
推薦はコストが高いです。今の難関国立大学が、推薦組の質を担保できているのは、そもそも数が少ないからです。
だから、私は推薦の流れが広がるのは、あまり良いと思っていません。
世の中の人間のほとんどは凡人なので、そんな凡人同士を比較して、この人は合格、この人は不合格って基準をつくるのは難しいです。しかも大量に。
一方で、今の一般受験のシステムは、比較的コストが軽い方です。
1回試験を実施して、点数の高い方から合格させていく。それで十分。機械的にできますし、しかも、学生の質もある程度担保されているのです。
結局、受験生の大半は試験で取り、一部推薦で多様な学生を確保できるようにする今の大学受験のシステムが一番合理的だと思うのです。
6.総括
完全な実力勝負にするならば、今の一発勝負の仕組みを変えて、何回かの試験の結果の合計とかにしないといけないですが、果たして何回やれば十分なのだという話ですし、コストには限界がありますし、どこかで妥協しなければなりません。
また、現状、難関国立校の推薦組は優秀な人が多く、一般受験が絶対正義という考えは視野が狭いように思います。(指定校推薦は詳しくないのでノーコメントですが)