黒人と僕

ヘイブラザー。安い洋服があるヨ!ちょっと見てきなヨ!

体感的にはアメ横を25メートル歩くと必ずこのように黒人が声をかけてくる。最初はトモダチとかブラザーとか言ってグータッチをしてきて自分達の店に誘導し服を買わせるのが狙いだ。まともに引っ掛かる人は見たことがないし付いていくなと言われる。最初に断っておくが全く彼らを否定する気はない。客引きなんて歌舞伎町のトー横で見飽きてる。

私は物好きでもありファッションセンスがずれている。初めて社会人でアメ横に行って黒人の客引きを受けてこのトレーナーを買った。勿論自分の意思でね。

値札を見ると15000だけど財布に8000しかないって言うと7000円値下げしてくれた。原価1000円もないんじゃないかしら？でもこういうギラギラした服は痛い私にとって好みだ。似たような服がクローゼットにたくさんあるし日によってローテして着てる。その人がどんな服装をしようとその人の自由。
だからこういう服を売ってる黒人とこういうのが趣味な私の利害が綺麗に一致している。もはや客引きされる前に彼らの店に入り込んでいってる。彼らは僕のことを鴨が葱を背負って来やがったと思ってるが鴨で全く構わない。だってほしいものが買えるんだから。お互いウィンウィンである。騙されている感覚もない。黒人の客引きは日本人の客引きより異質扱いされるが私のように進んで歓迎する物好きというか変わり者がいるものだ