神格化する賞レースの意義
本格的に冬に入り、いよいよM-1グランプリ2023の決勝が迫ってきました。
これを読んでくださっている方はほぼお笑いファンの方だとは思うのですが、皆さんにとって “賞レース”ってどれほど大きな存在でしょうか?
個人的な体感としては、今はかなりのお笑いブーム。賞レースというものの価値がとんでもなく上がってきているように感じます。
今年のM-1のエントリー数、ご存知ですか??
このニュースが流れてきて本当にたまげました。
ついこの前まで3000組とか4000組とかの世界じゃなかったっけ??
M-1グランプリ、恐るべしです。
この記事を書いている時は、さぁいよいよM-1の準決勝が始まるぞ!くらいの頃(アップするのはもっと遅いと思います🙏🏻🥲)なのですが、9~10月くらいになると劇場でもM-1をバチバチに意識した3~4分尺&配信なしの舞台とかが増えますよね。あくまで私の肌感ですが、なんか劇場入ると空気が違うし芸人さんもなんか普段と雰囲気違う…!!とか思ったりします。ピリついている感じというか緊張感というか、そういうものを舞台からひしひしと感じることもあります。
といいつつ、私は今年M-1グランプリのTOP3の動画をほぼほぼ見ていません。去年までは8割くらいはチェックしてたんですが、今年はちゃんと最初から最後まで見たのは、大阪吉本勢何組かと話題になっていたラブリースマイリーベイビーくらいかな?笑という感じのレベルです。
その理由としては、一番応援しているコンビが昨年準決に行ったので今年はシードで2回戦から登場というのが1つと、ルール改定で昨年の準々決勝進出組も2回戦からになった為、こう言ってはあれですが、有名どころが少なくなったというのが1つです。
3回戦と準々決勝はバッチリ見ました!!👍🏻👍🏻
まぁ私のM-1事情は置いといて、、、
いまやお笑い界のみならず国民的な年末の風物詩となったM-1グランプリですが、お笑いファンの中にも
「お笑いに順位つけるって……どうなの??」
と、今のこの賞レースの価値がとんでもなくあがってきてるお笑い界に納得していない方もたまにいらっしゃいます。
すごく理解出来るというか、前も何かの記事で書いたんですが、お笑いって絶対に正解がないものなので、それにわざわざ点数をつける=優劣をつけるというのはそもそも大変だしその必要がないよね!!と考えるのも普通の考えだなと思います。
ただ、そうは言っても私は、賞レースは存在すべきだと思っています。
それは、賞レースに明確な存在意義を感じているからです。
私は、賞レースが存在する意味としては、
“芸人さんが売れる手段”
になっていることにあると思っています。
もちろん、「日本一面白い漫才師(コント師)」を決める大会なのは分かっています。ただ、さっきも言ったように、そんなの無理というか、何をもって面白いというのかも曖昧ですし、明確な正解がないものに点数を付けるのはなかなか難しいことです。
『M-1グランプリ』という1つのお笑いの大会があって、審査員が7人とか得点制でとか様々なルールがあって、それに基づいてその日の1番を決めるよっていう事です。芸人さんも言ってたりしますが、出番順が違ったりお客さんが違ったりしたら順位だって優勝者だって変わってくるだろうと思います。
それを”日本一面白い漫才師を決める大会”とだいぶスケールを大きくして言ってしまってる(その方が盛り上がるので)ということであって、本当に準決勝で負けた人達は決勝の人達より面白くないのかと言ったら決してそういう訳では無いです。だから、「M-1の決勝に出てないからそんなに面白くないんじゃない?」という風に捉えられると嫌ですよね。
昨年のM-1チャンピオンであるウエストランドの井口さんは、「M-1で優勝するためじゃなく、テレビに出て活躍するために芸人になった」と仰っていました。
結局、そういうことだと思います。
もちろん、「M-1グランプリで優勝する」ということ自体が芸人としての最終目標というコンビもいると思います。ゆにばーす・川瀬名人のように、テレビで活躍することにはほとんど興味はないです、とにかくM-1獲りたいんです!!というコンビは少なくないのかもしれません。
もちろん今はテレビが全てじゃないし、そんなのに出なくても日々の劇場やライブだけで十分生活出来てる人は大勢いると思います。特に吉本の人とかは。
ただ、
どんどんM-1グランプリやキングオブコントを踏み台にしていけばいいと思うんです。
見た目に特徴があるとか、経歴が変わってるとか、そういうコンビは賞レースがなくても売れることが出来るのかもしれませんが、大半のコンビはそんな事ないです。
今、数え切れないほど多くのお笑い芸人が存在している世の中で、そういう人達がどうやって売れるか(テレビなどに沢山出るか)というと、もうネタを磨きあげるしかないと思います。
ネタを磨く
↓
賞レースで結果を出す(注目される)
↓
テレビなどのメディアに呼ばれる
↓
そこで爪痕を残す
↓
売れる
この道筋が多分多くの芸人さんにとっての最短ルートだろうと思います。
そう考えた時に、賞レースというものがなくなってしまったらこのルートは潰される訳で、ネタは面白いのに全然注目されない!!!という芸人さんばかりが増えるという状態になってしまいます。 それは悲しすぎる。出来ることならみんな報われて欲しい、、というのが一お笑いファンの本音です。
ダウンタウンというコンビが存在していなかったらこの道を志していなかった芸人さんが多くいるように、M-1グランプリという大会が開催されていなかったら世に出てこなかったコンビが数多くいます。
賞レースというものに縛られたお笑いは、本当にお笑いなのか。コンテストの審査員ではなく目の前のお客さんを笑わせるべきじゃないのか。すごく分かります。
ただ、これだけ多くの売れっ子芸人を輩出出来たのも賞レースの力が大きく、沢山の人に「自分もああいう風になりたい」と夢を抱かせてお笑いの世界へ誘ったのも賞レースの影響力によるものだと言えると思います。
もちろん、賞レースで活躍したからと言ってその後売れるかどうかは自分たちの頑張り次第ではあります。優勝しなくても爆発的に売れた人達もいれば、その逆のパターンもあるにはあります。ただ、まずはそこに辿り着くまでのスタートラインを作ってあげるのもとても大切なことだと思います。
売れるまでのわかりやすいスタートラインを示してあげて、長期的なブレイクとまではいかなくても一時的に注目される機会を与えるということも、現在の賞レースが担う大きな役割ではないかなと感じています。
M-1シーズンというのもあり、ほぼM-1のことを中心に書いてきてしまいましたが、同じような考えをキングオブコントにもR-1グランプリにもTHE SECONDにも持っています。
THE Wとかも、未だにジェンダーの事とかを絡めてこの大会が存在すること自体にすごく異議を唱えてる人も見かけたりするんですが、なんかそんな難しいことじゃなくて、「女性芸人さんが注目される機会が増える」という考え方をすればこの大会をやる価値は大いにあるのではないかなと思ってしまいます。実際、私もTHE Wがなかったらずっと知らないままだっただろうなという芸人さんが何組もいます。
ここ何年かで賞レースがさらに増えて、本当に1年間ずっと何かしらの予選をやっているような状況になりました。
年明けからはTHE SECONDの予選も始まるでしょうし、お笑いファンとしてはずっと楽しみが続いてとても嬉しいです。
参戦されている芸人さん自身は大変な思いをされているのかもしれませんし下手な事は言えないんですが、それだけチャンスを掴める芸人さんが増えるんだと思うと、視聴者としてはとても嬉しいです。
一組でも多くの芸人さんが賞レースをキッカケに売れていってほしいなと思っています。
お読みいただいてありがとうございました!!
M-1グランプリ全力で楽しみましょう🤤❤️🔥
ストレッチーズもまた来年頼んだよ!!😭😭