【「生徒のこえ」ピックアップ】それぞれのルールメイキングのかたち
ルールメイキングの当事者である中高生たちが書いた記事をまとめた「生徒のこえ」。ルールメイキングに関心をもったきっかけや、実際に取り組んで味わった困難や達成感など、それぞれの声が語られているマガジンです。
今回はそのなかから5本の記事をピックアップし、まとめてみました。
なぜ、なにを、どう見直すのか、最も望ましい形を求めて
大阪にある小津中学校が、「服装(制服)」と「iPadの使い方」について1年間どのように話し合い、変化があったのかを紹介する記事です。
特に目を引くのは、新しいルールや変更の一つ一つに対して、そもそもなぜ見直しを決めたのか、そしてどのような経緯でどういう案にしたのか非常に丁寧に綴られている点です。さらに、取り下げた提案については、なぜ取り下げたのかについても書いてあります。
また、「iPadの使い方」については細かなルールを定めるのではなく原則という形にすることにしたそうです。決まりを定めるうえで、その内容だけではなく、どういう形が最も望ましいのか、という根本部分から話し合ったその過程をぜひご一読ください。
臨場感あふれるルールメイキングの様子
ある中学校でルールメイカーだった、みくさん。「中学3年生、今日も元気に校則見直し!!」というタイトルから分かるように、臨場感あふれるルールメイキングの活動風景が伝わってきます。
なかでも、先生方と生徒たちが向かい合わせで座り、新しい校則案の承認のために話し合う「学校運営協議会」の様子は、印象深いです。生徒たちが先生方に何かを提案し、その承認を受けるという光景は普段、なかなか見られないのではないでしょうか。
その他にも、協議会の結果とそれに対する気持ち、保護者からの意見が多く集まったPTA実行委員会の様子なども書かれています。
ルールメイキングプロジェクトによる気持ちの変化
大阪の高校でルールメイキングプロジェクトに携わっていた平尾さん。
高校入学当初は、「『校則は破るのが当たり前』とでも言うように、校則違反の生徒だらけだった」といいます。その中で「なぜ校則を守っている自分が苦しんで、なぜ校則を破っている人が楽しんでいるのか」という気持ちを抱えるようになりました。自分から動かなければ何も始まらないと思い、生徒会に入り、ルールメイキングプロジェクトに取り組み始めたといいます。
その後、校則見直しにどう取り組み、校則や校則を守らない人たちに対してどのような心情の変化があったのか、記事をご覧ください。
ルールメイキングで変わった自分と学校
ある中学校で生徒会長としてルールメイキングの活動をしていたharukaさん。校則見直しの過程で、校則だけではなく自分自身や学校全体の雰囲気も変化していったといいます。
話し合いの大切さに気がついたことで、「人の意見を大事にする、全員で活動できるようにこだわりぬく、そんなことができる自分に変われました」。
また、学校全体としても「主体的に行動する姿が増え」「進んで何かを頑張ることが認められる学校であるような気がして、すごくうれしいです!」と語っています。
ルールメイキング活動を通して見つけたお役立ちアドバイス
安田女子中学高等学校のある生徒によるこの記事には、ルールメイキングプロジェクトに取り組む過程で見つけた、対話やアンケート調査、プレゼンのコツがまとめられています。
実際に班のリーダーとして活動したからこそ分かった説得力のあるアドバイスは、タイトルにあるようにルールメイキングや学校での活動に限らず、あらゆる場面で参考になるものばかりです。単に校則を見直すことを目標とするのではなく、それを実現する過程の一つ一つを大切に進めていたことがよく伝わります。
「校則見直し」というと、校則がどう変わったのかという結果に目が向きがちになりますが、これらの記事に綴られているようにその過程で学校ごと、メンバーごとに様々なドラマがあったことが分かります。取り組み前と後の心情の変化、乗り越えた困難、より良い話し合いの進め方…。
今回は5本のみのピックアップになりましたが、他にも沢山の記事が投稿されています。ぜひ各人各様のストーリーを覗きに来てください。