小説 万テチョライフでレベルアップ~よりそう Season2 ~ 39
新プロジェクトはまず、プロトタイプやってみようということで、最初のステップとして手帳を買いにいこうということで、赤杉先輩と東郷先輩と一緒に買いに行くことになった。ちょっと早めに会社を出て銀座に向かう。
念のため確認のLINEを送ったのだけど、結城さんも今日はお店にいるらしい。よかった。
「なんで銀座なんだっけ」電車の中で赤杉先輩が。
「銀座に有名なお店あるからじゃない。」東郷先輩。
「自分が手帳すすめてくれたいいスタッフの人がいるんですよ。自分に合った手帳を見つけてくれますよ。」 自信ありげに話すと、ふたりともびっくりしたようだ。やっぱりいつも自信なさげなのか。
銀座の例のお店につき、4階に向かう。
登っていくエスカレーターに乗りながら、
「色々調べていたと思いますが、どのサイズにするかとかなんか考えています?」聞いてみるが、
「いや、なんも。」二人ともそんな感じ。
高杉先輩から「雲川はどうやって決めたんだい」と聞かれたが、
「いくつかこういうことで使いたいと言ったらおすすめ三選を出してくれて、そこから選びました」と答える。
「雲川ぽいな」と赤杉先輩。褒められていない気がする。
久しぶりにきた4階の手帳フロア.懐かしさすら感じる。結城さんいるかなーと思ってフロアを見回していたら、
「何かお探しですかー」といつもの声をかけられた。いつもの結城さんだ。
「結城さん。ありがとうございます。さっき話していた先輩たちです。ちょっとみんなで手帳を学ぼうということで、この2人におすすめを選んでもらいたくて。」と口早に説明をすると。
ぽかーんとしている2人。
「雲川がなんでこんなに手帳に燃えてるかわかったぜ。」ボソッと赤杉先輩。
「だな。」こういう時の相性は良い東郷先輩
一瞬間があった後、「あれ、そういえば、この前のエンジニアのイベントの時、雲川と一緒にいた人ですか?」東郷先輩の素っ頓狂な声が珍しい。
「あ、そうです.一緒に行きまして。。。ちょっと人探しを。」
笑って誤魔化す、結城さん。誤魔化さなくても。
「いつも雲川がお世話になってます。」切り替えて話す赤杉先輩。いつもより声が低い気がする。きざな感じ。
「もう、そこはどうでもいいんで。早く話進めましょう。結城さんが困ってる。」
「どんな手帳をお探しですか?」
もう一度聞いてくれる結城さん。営業スマイルだ。
「どんな手帳ではなくて、どうやって手帳を選べば楽しいのか、どう使うと雲川のように愛着を持って、いや、こいつは違うな。一般的にハマる人たちのポイントはどこなのかを教えてください。」
さすが赤杉先輩。聞いている内容はプロジェクトにぴったりなんだけど、訳の分からない結城さん。
「はい?」と何を言っているのか?という顔をする。
「実はですね。大きな声ではいえないのですが。」
そう言って2人の先輩を見る。話して大丈夫ですよねというアイコンタクトで。
頷く2人。
そして経緯を小声で話し始めた。