小説 万テチョライフでレベルアップ~よりそう Season2 ~ 43
先輩たちの手帳を買いに来たはずなのに、なぜか自分で買ってしまった。
でもなんか気に入った1冊。なんかいい感じ。だからよし。
「で、先輩たちはどうするんですか?」支払いをしながら、戻ってきた先輩たちに声をかける。
「そうだなぁ。もう少し悩むは。今日いろいろ専門家の人の話が聞けて少し考えたいなと思って。」と赤杉先輩。えーー。先輩の手帳を買いに来たのに。
「俺はこれ」普通の紙のノート。と革のノートカバー。
「さっきの話を聞いて、リングないほうがいい気がした」と東郷先輩。
なるほど、きっと頭のいい二人だからいろいろ考えたんだろう。
支払いを入れ、紙袋に入れてくれている結城さんに赤杉先輩が、
「あ、結城さん。今度もう少し手帳の相談をしたいから連絡先をきいてもいい?」 こ、これは、ナンパか?
「先輩なにいっているんですか」と止めに入るよりも前に、赤杉先輩の後ろに、大柄のチーフリーダーがドンと立っている。
「うち、そういうのやってないんで」ぼそりと一言。「はい、すいません。」そう言って赤杉先輩は俺たちを置いて階段を下りて行ってしまった。
苦笑いを浮かべている結城さん。
「本当すいません。失礼な奴で」代わりに東郷先輩が謝っている。
「いい奴なんですが、礼儀を知らないというか。。これからも雲川をよろしくお願いします。」といって、先ほどのノートを購入していた。
「ありがとうございました。」最後はしっかり営業スマイルの結城さん。
「ありがとうございました。」そう言って東郷先輩と階段へ向かう。
階段を歩いて下っていると、東郷先輩から
「赤杉に気をつけろ」とアドバイスが。
「えっ、どういうことですか」と驚いて聞いてしまう。
「さっきも行ったが、悪い奴じゃないんだけど、お節介なんだよ、あいつ。頼んでもいないのに、がんばろうとして、周りを壊していくやつっているだろう」
「は、はぁ。」どういうことだ。
「お前と彼女の関係性をみて、必ずちょっかい出してくるぞ。」困ったように声を振り絞る東郷先輩。
「俺も一応釘はさしておくけど、期待するなよ」そういって、お店の外で先輩と別れた。赤杉先輩はもういない。
『お前と彼女の関係性』か。会うこと自体、久しぶりだったんだけど。
俺と結城さんってどういう関係なんだろう。大事な人ではあるけど、向こうの方が5つくらい年上で、俺を恋愛対象に見てくれているのかどうか。。