小説 万テチョライフでレベルアップ~よりそう Season2 ~ 45
入り口のカウンターで何かを注文している結城さん。結構席は人で埋まっているが、ここは声をかけるべきなのか。なんて考えながらずっと見ていることに気がついて、急いでアイスコーヒーのグラスに焦点を当てる。
とはいえ、気になる。そんな気持ちが我慢できずに顔を上げると、アイスティーをもったまま開いている席を探している結城さんがいた。
声をかけるべきか、迷う。
迷うが、やっぱりかけようかな。でもな。そんな感じでもぞもぞしていると、結城さんがこっちに気が付いた。こっちも今気づいたふりをしながら手を振る。
「ご一緒してもいいですか?」と結城さん
「もちろんです。どうぞ」と自分のカバンをもう一つの椅子から取り出して結城さんに勧める。
「ありがとうございます。」といって席に座った。
「今日はありがとうございました。いいものが買えました。でも、なんかうちのせんぱいがいろいろごめいわくをかけてしまってすいませんでした。」といって謝る。
「いえいえ、気にしないでください。参考になればうれしいですが、やっぱり難しそうですかね。」
「そうですねぇ。ちょっと自分たちも考慮が漏れていてたというか、具体的に考えれていなかったんだと思います。結城さんが言ってくれたみたいに、集中の導入に使うか、集中の間も使い続けるかによって大きさは変わるよなというところと、どこでもそれを使い続けるためにはやっぱりある程度持ち運びやすくないといけない。そういう意味では、今回進めてもらったような薄いタイプの手帳がいいかもなーとは思っています。」
さっき急いで今日の会話のポイントを手帳に書き出しておいてよかった。頭が少し整理されていた。
「そうですね。PLOTTERの場合は、どのサイズもリングは11㎜なので確かにあまりたくさん入らないのですが、大きいA5サイズでも比較的軽いので持ち運び林安いですよね。」
「結城さんも使ってるんですか?」聞いてみると、
「はい。私も3冊くらいもってますよ。A5とm5とスクエアタイプと。」最後のスクエアは気持ち小声だった・・・?
「あ、おそろいですね。」何気にいうと、心なしかうつむき加減になる結城さん。うん?
「さっき少し書いてみたんですが、やっぱり大分たくさん書けますね。いつもの手帳の3倍くらいの大きさを感じます。」
「きれいな革ですよね。お選びになったものは。」
「いいものを消化してもらってとても感謝です。」ちょっとした沈黙の時間。
「実は、ここに来たら雲川さんがいるかなぁと思ってきたんですよ」と小さい声で教えてくれる。
「ほんとですか?」