小説 万テチョライフでレベルアップ~よりそう Season2 ~ 24
新規事業のアイデア出しのために、部長が提案したのは歩くことだった。目的地は2キロ以上先の本屋さん。
最初のテーマということで、10億あったら何をしたいかをまずは先輩と2人で話しながら歩こうというものだった。。
自分の話が一段落した、というか、先輩がまとめてくれたので、
「先輩は何しますか。」
「うん、、、、『何しますか』か、『何したいか』じゃなく。」また歩きながらちょっとしたをむき考え込む先輩。
なんか引っかかるところが想定外すぎて、楽しくなってきたかも。
「手堅く行くなら、半分は貯金というか運用を考えるかなー。」
「手堅いっすね。なんで手堅いんですか?
ちなみに自分はもう死ぬまでに使いきれないなと思って使うことしか考えなかったんですけど。」 ちょっと驚きながら聞き返すと
「え、10億だろ
すぐ使えるよ。そこら辺のマンションなんか一棟買うならゆうに10億越えだろ。」 目の前のおしゃれな15階建てくらいのデザイナーマンションっていうのか名を指さしながら、お礼状に驚いた表情で言う先輩。
「た、たしかに。。。なんか、やりたいことないんですか。夢というか。」
「うーん、よく本とかで人気本コーナーとかでよく見かけるけどなー。あんまりピンとこないんだよなー。なんでそんなに簡単に夢なんて見つかるんだろうな。
お前のコーヒー農園みたいな。」ちょっとうらやましそうに言う先輩。
「ま、コーヒー農園やりたいわけじゃないですけど、カフェやってみたいのはありますかね。自分の場合は、いい人たちに会えたのと、万年筆と手帳使ってからいい感じになりましたよ。」ここは自信をもって答えられるところだ。
「夢に日付をってやつか。それがわからんのよ」すこし呆れ気味に言う先輩。
「いや、それ全然やってないです。それは自分もよくわかってないというか。できる人もいるんでしょうけど、自分の場合は、今日のやりたいことを朝に書くようにして、夜どうだったかっていうのを書き込むことしてます。
そんだけなんですけど。」ちょっと自信がなくなってきた
「へぇ。
なんでそれでうまく行くようになったんだ。」
「えっとですね。」一呼吸を置くくらい少し考えて
「世の中って、やらなきゃいけないことがおおいじゃないですか。その中で一つでも自分でやりたいこと決めて、それをやりきろうって決めれるようになったんですよ。もちろんできないこともあったりしますけど。」思いついたことを話しきったところ、
「なんか楽しそうな話してるな。」後ろを歩いてた部長に声をかけられる。
「手帳の話はきになるのか?なんか面白そうだから、カフェで休憩しながら続きを聞かせてくれ。」歩いている通りの右側のカフェを親指で指さす部長。本当に今までと雰囲気が違う。
よく知られているチェーンのカフェがそこにあった。歩いて30分くらい。もしかして、いい感じに話に詰まってくるくること見越してこの道だったりする?
考えすぎか。いや、部長ならありえる気がする。
部長と一緒に後ろを歩いていた東郷先輩も追いつきながら、「部長のおごりっすか? 」と楽しそうな声をかけてくれる。この辺のノリはさすが東郷先輩。
「流石に会社に請求できないからな。安心して高いやつ頼んでもいいぞ。」
そう言って、カフェに足を運んだ。