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小説 万テチョライフでレベルアップ~よりそう Season2 ~ 44
先輩たちの手帳を買いにきたはずが、結局2人は買わず、明日部長になんで言おう。
逆に自分が買いましたっていわなきゃ。
買ったとはいえ、自分のイメージはノート的に使おうというイメージ。
とはいえ、手帳といえば手帳なので恒例の名入れイベントをしたい。銀座で手帳といえばいつものあの店かな。ついでにパスタでも食べて帰ろう。
心のどこかで結城さんも来るかななんて、淡い期待を感じながら。
「アイスコーヒーと明太子のパスタをお願いします」
やっぱり銀座のカフェだけあって混んでいる。いつもはあまり周りを気にしないのだけど、さっきの一件があったせいか、少し周りが気になった。やっぱりこの時間カップルがおおい。最初に受け取ったアイスコーヒーを持ちながら小さいテーブルに座る。
赤杉先輩には気をつけろか。東郷先輩は何を知っているんだろう。
一口アイスコーヒーを飲み、ふぅと深呼吸。机が濡れていないかペーパーナプキンで念のため確認。そして紙袋から今日購入したプロッターの箱を取り出す。見慣れたオレンジの箱ではなく真っ黒な箱だ。結城さんが言うには、オンライン限定品だかららしい。
箱を開けると革に優しそうな黒い袋に入った手帳が入っている。そこから手帳を取り出す。
深緑という感じの手帳が現れた。トラと呼ばれる模様が波のような感じにみえる。
うん。良い。
早速、バインダーにリフィルをセット。今のところこのノートのような真四角のリフィルしかないらしい。さてどこに名前かこうかな。リフィルノートの後ろは黒の厚紙なので書けそうにない。
いつもはオレンジの表紙のノートパッドはこれも限定のためかグレーだ。これに書こうか。
ぺりぺりと表紙を取り外し。
あ、いいこと思いついた。ひっくり返せばいいのでは。
ひっくり返してこちらを表面にしよう。
そしていつもの通り自分の名前を書く。
うん.これでこの手帳は俺のものだ。
早速ノートの1ページ目に移り、この手帳をどう使おうか考える。
一枚で四角。二つ合わせると長方形。今回のプロジェクトのことをまとめていきたいなー。
決まったこととかをまとめてみようか。
と思っていたら、パスタが届いた。
手帳をしまい、パスタを食べる。おいしい。
あっという間に食べ終わり、残ったアイスコーヒーを飲んでいた。もう一回ノートを開こうとパスタのさらを少し机の奥の方によける。
さて、どうするかと考えたときに、ドアから見慣れた人が入ってきた。もちろん、結城さんだった。