【文化財の温泉♨】会津東山温泉 向瀧(福島県)①外観
この春、行きたい!行きたい!行きた~い!!!と切望していた、福島県 会津若松東山温泉「向瀧」さんに行ってきました。
大工さんの粋を尽くした建築と、源泉掛け流し完全放流式(加水なし、加温なし、循環なし)の極上のお宿✨
事前にお願いして、特別に平田社長にお宿の歴史や建築、温泉についてお伺いさせていただきました。特別なお計らいで、はなれや大広間などもご案内していただきました。
文化財の温泉宿、向瀧さん(福島県)①外観をご紹介いたします!
訪問日:2024年4月10日
ルカオが気になる!♨温泉データ
泉質名:ナトリウ・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉
泉温:56.6℃
湧出量:24.0ℓ/min(自然湧出)
pH値:7.7
溶存物質計:1.773g/kg
メタメイ酸:48.3mg
形態:宿泊施設
状態:掛け流し完全放流式 加水なし、加温なし、循環なし
<外観>落ち着いた雰囲気と赤瓦
向瀧さんは、玄関棟、はなれ、客室棟(花月の間・梅の間ほか)、客室棟(会議室、菊の間ほか)が、登録有形文化財 第07-0001-0004号として登録されています。「第07」は福島県のこと。福島県で最初の登録有形文化財です。
福島県特有の赤い瓦は、鶴ヶ城でも採用している瓦。
なぜこの辺りは赤い瓦が多いのかなぁと思ったら、豪雪地帯で冬季に起こる「凍み割れ(しみわれ)」という、瓦の割れを防ぐために、鉄分の入った釉薬を掛けて焼くのだそうです。
そして庇は、「せがい造り」という建築様式。
神社などでも見られる工法で格式の高い建築で用いられます。
母屋・玄関とも、入母屋屋根の妻部分に狐格子が施されて、火除けのまじないと言われる懸魚(げぎょ)は猪の目(いのめ)という形状で、両脇に鰭(ひれ)が付いています。
玄関の屋根の棟に置かれた棟飾は獅子口(ししぐち)で「経の巻(きょうのまき)」と呼ばれる形状。向瀧さんの家紋「丸に片手蔓柏(まるにかたてつるかしわ)」(の変形?)も確認できます。鰭は雲水吹き流し(うんすいふきながし)かな?瑞雲と波のモチーフが優美です✨
柏は冬に落葉しないことから「代が途切れない」、縁起の良い植物として広く好まれた家紋だそうです。謂れ…聞いてみたら良かったなぁー
母屋の鬼瓦は鬢付鬼瓦(びんつきおにがわら)、鰭は玄関と同じ雲水吹き流し。どれも造形が本当に美しい✨
向瀧さんは、池のある大きな庭園を囲むようにコの字型に配置された建物です。川側から見たり、庭園を望むお部屋から見てもその表情を変える建物です。