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ロミオとジュリエット

劇団千年王國「ロミオとジュリエット」を観にいった。
12月24日だったから、ドクリスマス・イブに愛の物語見るって最高だね。最高だよ。


本家のロミオとジュリエットは「家柄」が大きな障害となって2人の愛を阻んでいたけど、
こちらの障壁は「同性愛」、周囲の偏見とか無理解とか色んなものが2人を邪魔する......
そんな設定

彼女に振られて傷心のロミオが
クラブで歌うジュリエットに一目惚れ。
ジュリエットも
「ボク、彼女いるから」
とつれない態度してた割には
コロッとロミオに恋しちゃって。
周囲は
「お前おかしくなっちゃったんだよ!」
って止めるけど、
恋は盲目、走り出したら止まらない。


途中ちょこちょこ
結婚に関する法律の歴史とか
セクシュアリティに言及していくようなくだりもあるけど、
ほとんど原作に沿って話は進んでいく
ジュリエットは家柄もよろしい感じだったので、普通に家柄が障壁にもなってた。うーん。

原作と違う点は、性別。
これが私の心を大いに揺さぶるポイントになった。
ジュリエット▶️男
ということは婚約者のパリスが女性
原作を読んだ時、パリスに抱いて感情は
「なんかいけすかねぇヤツ〜」
そもそも政略結婚だしね、お互い想いあってる関係ではないから、ロミオと恋をしたとて何も思わなかったけど

今回のパリスは違った。
ジュリエットをとてもとても愛していて、ジュリエットだってパリスを「恋人」と認識していた、
なのに、パリスを振ったわけでもないのにロミオと結婚式まであげちゃって、永遠の愛なんか誓っちゃって、
こんなの略奪愛じゃないか‼️
倫理観が暴走しちゃうことで有名なルカちゃん
序盤からこの点が許せず泣き始める。

筋を通せない人間が語る愛なんて大嫌い
ルカちゃんはジュリエットに憎しみの目を向けていたけど
パリスは最後まで懐の深さを見せる
原作通りなんやかんやすったもんだありまして
ロミオが追放された後
悲嘆に昏れるジュリエットを見かねて、
「結婚は本人たちの決めることですから〜」と言っていた母親がパリスと結婚させようと画策する。

それを聞いたパリスは喜んだ。
しかし彼女はロミオとジュリエットの間に生まれてしまった愛も知ってるから

「あなた達に起きたことは言及しない」
「私と一緒になる事が家の為にもなる」

ぽっと出の男に恋人を奪われて
パリスが何より傷ついているはずなのに
自分の苦しみを訴えることなどせず
ジュリエットがロミオを裏切る形になることの罪悪感も軽減させようとする
なんてできた子......

本来ただの恋人同士だったのだから
浮気だって咎めたいはず、愛し合って結婚したかったはず、
それでも、それでも何も言わないパリス
もうマスクが重たくなるくらい泣いた。

パリスになりより感情移入してしまうのは、
女性だからというのもあるけど

彼女はこれからも生きていかなければならない存在だからだとおもう。

例によって例の如く
ロミオもジュリエットも死ぬ
そこにどんな悲しみがあったとしても死んでしまう。

死んでしまえば、止まってしまう。
悲しみが軽減されていく過程も、
その間何度も大きな揺り戻しにあって絶望に瀕する段階も
全部全部彼らにはない。
でも残された人間には生活がある。
人生がある。
明日も朝起きてご飯を食べる。
それを思うと死んでしまうロミオよりジュリエットより
パリスに共感してしまった。

劇中で救いがなかった人間に思いを馳せるとキリがない。
あらゆる創作物で救いのなかった人間には幸せになって欲しい。

現実世界では
「いや、それっておかしくない⁉️」と声をあげて主人公サイドの人間にウザがられる人に私はなりたい
私から見た世界では、いいことした人にいいことがあって欲しい。
真面目に生きた人、人のために頑張った人、ちゃんと筋を通した人が報われていて欲しい。

と、言ってるだけじゃ上手くは行かないから
私はずっといいことした人を称えて、不利益を被らないように努力をする。頑張りが報われる世界を作るのは個人の努力だよね。

歪んだ正義感を振りかざして喚いちゃったけど、ただの日記なので勘弁

ワタシの倫理観を排除して見ればとてもいい作品だったし、最高なクリスマス・イブを過ごすことができたよ!

曲も知ってる曲が多くて聞いてて楽しかった

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