PCキーボード四方山話 〜RealForce/HHKB(静電容量無接点方式)篇〜
正直言うと、このタイプのスイッチがイチバン好きです。
今回はキースイッチの機構が共通であるというところで、この2機種を並列に扱うことにします。ご了承ください。
はじめに
本記事はシリーズ『PCキーボード四方山話』のひとつとなります。
ちなみに。
大雑把な分類などはこちらの記事にも記載してありますので、お時間のあるときかつ興味があれば、ぜひどうぞ。
今回紹介するキーボードに採用されているメカニカルスイッチについての説明もありますので、ぜひどうぞ。
静電容量無接点方式とは
まずは機構についての説明から。
教科書みたいな感じになりますけど、しばしの間お付き合いくださいませ。やっぱりキースイッチにこだわってキーボードを選んでいる手前、そこら辺は書いておきたいという気持ちです。
それぞれのキーがすべて独立した構造になっているという点においてはメカニカルキーボードの類いとはされているんですが、中身はかなり違います。
主に金融業界、証券業界でよく使われる、静音性に優れタフなことで知られる形式です。
機構
なぜタフなのかというと、その仕組みに基づくもので。
電極自体が触れ合わないようになっているので、電極の摩耗が防げると。
電極部分が摩耗しないということは、したがって接触不良を起こす危険性が極めて低いから耐久性に優れている――という論理らしいです。
物理的なモノの衝突が少ないので操作音もしづらいというところで静音性にも繋がるということだそうで。
これ、日本の技術の結晶らしいです。
搭載シリーズ
著名なところでは、やはりこの静電容量無接点方式スイッチを生産を行える企業である東プレの「REALFORCE」シリーズ。
そして、そこからスイッチのOEM供給を受けているPFUの「HHKB(Happy Hacking Keyboard)」シリーズがあります。
そういえばPFUといえば「PFUブルーキャッツ」という2023-24シーズンはV.LEAGUE DIVISION1 WOMEN(V1女子)に所属する女子バレーボールチームを持ってますね。
特徴
やはり際立つタフさと静音性。
そして打鍵感の心地よさでしょうか。コレに関しては個人差や好みがあるので絶対的な水準で言えることではないですが、触ってみると解りますね。
その他のメカニカル系スイッチ搭載のキーボードとは全然違うことに気が付くはずです。
バネ系パーツのカタチやら大きさやらが全然違っている部分が、その要因のひとつなんですかねー。
ホントに、ぜひ1度触ってみてほしい。
そして、その感触を気に入ったら、勇気を出して買ってみてほしい。
※ちなみに、レンタルシステムもあるとか。
ですが、欠点はあります。
唯一にして、めちゃめちゃ大きいものがあります。
――高い。
マジで、値段が高い。
ちょっと上段で「勇気を出して買ってみて」なんて書いていますが、ちょっとやそっとの勇気じゃ留まらない可能性の方が高いですね。
いわゆる「清水の舞台から飛び降りる」ような気持ちが必要になるかもしれないッスね。
というのも。
メカニカルキーボードでは、初心者向けの廉価版で1万円台前半か、ものによっては4桁の金額。
それなりのモノだと2万円超えという感じです。
ゲーミング系だと応答性の問題からそれ以上になることもあります。
が。
静電容量無接点方式だと、3万超えが基本線です。
テンキーレスでさえそれくらいです。
フルサイズだと4万円台が余裕で視野に入ってきます。っていうか、消費税含んだら超えてくる恐れがあります。
メーカー側もそれを理解しているようで、PFUのHHKBについてはレンタル制度があるらしいです。
一度感触を試してみるというのが大事だと、理解しているんだな! って話ですね。
ただ、ハッキリ言いましょう。
一生モノの付き合いをする可能性があるキーボードです。
3万円程度なら、安いもんです。
――たぶん。
いや、価値観には個人差がありますね。
REALFORCE
東プレが世界に誇るキーボードシリーズ、それがREALFORCEです。
フルサイズとテンキーレスの選択が基本線ですが、それ以外にも仕様を選べます。
面白いところで言えば、例えばキーボードの押下に必要な力。
45g統一、30g統一で重さの選択ができつつ、「変荷重」というモデルがあります。ホームポジションに手を置いた際に、外側に位置するキーは軽めに、内側のキーは重めに設定されているという形式です。どの指でタッチしても力の入れ加減を大きく変える必要がなく押下できるという利点があるとか。
APC(アクチュエーション・ポイント・チェンジャー)という機能もポイントですかね。
これにより、各キースイッチのオン位置を4段階(0.8mm/1.5mm/2.2mm/3.0mm)で調節可能です。キートップを底まで押し込むのが好きな人にも、さらっと押すだけで入力を済ませたい人にも対応という便利機能ですね。
現在販売中のモノは第3世代。R3とR3Sの2モデルで、R3は有線無線両対応、R3Sは直線的でスリムなボディデザインで有線接続のみという感じ。
黒系と白系の2色から選べます(時々特殊な色になっているモノが販売されたりしますし、別色のキートップに交換することもできます)。
これとは別にゲーミングモデルのGX1というシリーズもあります。ゲーミングモデルというだけあって、やはりRGBバックライト搭載です。……何でゲーミングって光るんだろ。
HHKB
お次はHHKBです。
HHKBは略称で、Happy Hacking Keyboard が正式名称です。
ウェブ上でHHKBって言われてたらだいだいコレです。
スイッチの機構自体は東プレ製で、それをOEM供給してもらっているということで、要するに中身はRealForceシリーズと共通です。
この部分に大きな差はないです。
違う点と言えば――って、まぁ、かなり明確です。
サイズとか。
軽さとか。
配列とか。
キートップとか。
打鍵感とか。
あれ?
スイッチが同じなのに打鍵感が違うの? って思いますよね。
実は結構違います。
筐体の作りに因るものかなぁ、なんてことは思ってます。
私が所有しているのは Professional HYBRID Type-Sです。
有線接続・無線接続の両対応で、静音モデルかつ高速タイピングに適したモデルになっています。
高速タイピングとは何か、という話ですが、キーストローク(押し込み完了までの深さ)が標準モデルより0.2mm短くなっている部分でキー戻りが早い、すなわち早く次の文字が打てるということだそうです。
……言われてみると、たしかにちょっと短い……か? という感覚です。
いや、ごめんなさい。そこまで劇的に違うワケではないので、あまりハッキリと言い切れません。
ただ、REALFORCEの4.0mmと換えながら打ってみると、たしかに何となく違うかもしれない――という感じにはなれますので、効果はある模様。
形状については、かなりコンパクトです。
ファンクションキーの列も省略していて、その分を諸々の装飾キーを押しながら入力することで多数の機能を使うという仕掛け。
慣れるとかなり便利ですし、そもそもボディが軽量なので持ち運びにも長けてます。
無線接続にも対応していますが、乾電池駆動なので軽量化に一役かっている感じ。バッテリーだと劣化したときに困りますけどね、こちらはエネループなどの充電池にも対応しているのでヘタってきたら交換すれば良いだけ。その辺含めても便利です。
ただ、この「特殊配列に慣れる」という過程を乗り越える必要があるのは弱点と言えば弱点かもしれませんが。
打鍵音ASMR
では、打鍵音のご紹介。
REALFORCE R3
こちら、キーボード本体やキートップの色が特殊になってますが、打鍵音には違いが無いのでとくに動画側には書いてません。
特別色・藍色モデルです。『一太郎』で知られるJustSystemの公式ECサイトとのコラボ品でした。残念ながら終売済みです。
中身は現在販売中のR3静音キーモデルと同一なのでご安心を。
続いてHHKB、こちらも静音モデル。
無線有線両対応の、日本語キー配置モデルで、色は『雪』。
大抵の方はHHKBのUS配列を購入している感じを受けますが、個人的には日本語配列をオススメしておきます。
何故かと言えば、右下に『方向キーユニットがあるから』です。
US配列は筐体上のボタン配置がとてもスッキリとしていて、かつほぼ左右対称になっています。
スマートさがある種の売りであるHHKB的にはこちらの方が見栄えも良いんですが、その代わり上下左右のカーソル移動にはFnキーを押しながらそれぞれ「@」「;」「:」「/」を押す必要があります。
当然慣れれば早いんですが、あまり直感的な動作ではないんですよね。どの操作にFnキーが必要なのかということを念頭に置いておかないと当然ながら操作ミスします。
だったら最初から装備されている方がいいや、ということで、自分は日本語配列にしています。
物理キーが多いということで、キーボードカスタマイズでそれぞれの機能割り当てに使うことができるキーが増えるという利点もあります。
もちろん好みにも個人差はあるので、その辺はぜひレンタルなどをして自分で確かめてみていただきたいところ。
ご用命はこちら
REALFORCE
通販サイトは Amazon を掲載していますが、わりとどこのサイトでも買えるとは思います。ですが、出品者には注意。
HHKB
こちらは直販サイトかAmazonになりますが、こちらも出品者には注意。
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