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彼女たちの愛のカタチ #私を構成する5つのマンガ

 どもです、御子柴です。

 またまたやって参りました。
#私を構成する5つのマンガ 」シリーズでございます。

 今日は先日新刊発売、そして間もなく最終巻も刊行されるこの作品。


※以前の記事はこちら

 ……と、その前に、以前書いていた記事の紹介を。


 では、参りましょう!
 紹介サイトはアニメ版と……。

 試し読みはこちらから。



『ドメスティックな彼女』とは

 略称は「DOME×KANO(ドメカノ)」
 作者・流石景先生の連載2作品目である本作は、前作『GE~グッド・エンディング~』から打って変わって、エグめのスタートです。
 ※ちなみに『GE』は、主人公がテニス部の先輩のパンチラを双眼鏡でのぞき見していたところを撃退される、とかいうプチエロなスタートでした。

 なにせ、主人公・藤井夏生《ふじい・なつお》と、後のヒロインの内のひとり・橘瑠衣《たちばな・るい》との、性行為から始まります


『ドメカノ』第1話の雰囲気

 ナツオくんが好意を寄せているのは、通っている高校の英語教師である橘陽菜《たちばな・ひな》。
 ……うん? タチバナ
 まぁ、それはさておき。

 一応「先生を好きになるのはマズい」と思いながらも、やっぱりそう簡単に諦められないのは恋心たる所以か。
 それでもナツオくんは友人に誘われ(数あわせということもないけれど)相手は他校の女子生徒だけということもあったのでしょうか、なんとなく合コンに参加します。

 実は文学青年、夢は小説家というナツオくんは、高校デビューをするまでどちらかというと陰キャ寄り。中学時代に親友に向かって『オンナなんてどいつもこいつも……』などと愚痴ったりもしていました。
 ノリきれるかちょっとだけ懸念はあったかもしれませんが、そんな懸念をあっさりと吹き飛ばす少女がひとり。

 それが、橘瑠衣

 名前を訊かれれば名前しか答えず。
 カラオケが会場にもかかわらずマイクを持とうとしないどころか、友人が歌う歌に「これ知らない」と言い放った挙げ句、こんなことまで言っちゃう。

「最近の流行の歌って歌詞が軽薄でみんな同じに聞こえちゃうんだよね」 

 待て待てw
 素直なことは悪いことじゃないがw
(ちなみに彼女が好きな曲というのが、さだまさしの『防人の詩』と、中島みゆきの『命の別名』……。「たしかに軽い歌詞ではねえな」とはナツオの感想です)

 そんな雰囲気のルイなんですが、なぜかその横顔にヒナ先生の面影を見てしまうナツオくん。
 重症だな、なんて独りごちているところに、ルイが言います。

「二人で、抜け出さない?」

「ちょっと……、お願いあるんだよね」

 脅されるのか、何なのか、と怯えるナツオが連れて来られたのは、なんとルイの自宅。
 ――というか、ルイの部屋。

 そして、冒頭のシーンに繋がるわけです。

「藤井君さぁ」
「ここであたしとHしてくんない?」

 

 そんなこんなで無事に童貞は捨てられたナツオですが、何となく空虚さのようなモノを感じながら数日を過ごすわけです。
 その間、父・藤井昭人《ふじい・あきひと》は誰かとしょっちゅう電話をしているし、ヒナ先生が学校の屋上で泣いているところを見かけるし。
 悶々としているところで、ナツオは父親から「再婚しようと思う」と告げられます。
 ナツオが小学生のころに病気で亡くなってしまって以来10年間、男手ひとつで育ててくれた父親のこと。無愛想に「いいんじゃない?」と答えた矢先、「今からその人がウチに来る」と言われます。

「いやもう急すぎるだろ!」という展開に辛うじて食らいついたナツオが、父に引きずられながらも玄関で見た人は橘都樹子《たちばな・つきこ》。
 そして、そんな物腰穏やかで上品な雰囲気の人に連れられてきたのは、彼女の娘さん、ふたり。

 それが、橘陽菜と橘瑠衣。

 ハイ。
 そうです。

 父親の再婚相手の娘は、自分の思い人と、自分の初体験の相手。


 なるほど、ドメスティック。

 

 

 とか言ってる場合じゃねえ!

 

 

 ――というのが、第1話の流れです。

 

その後の顛末

 その後。
 ルイはナツオが通っている学校に転校してくるし。
 ヒナが実は不倫をしていることを知ったナツオとルイは、相手に別れを迫るし(ま、一応無事に別れてくれるわけですが)。
 その勢いでヒナに告白するナツオくんは、ヒナに諭されて何とか義姉弟で留まるし。

 ひょんな展開から文学部にふたりして入部することになるし。
 ナツオはルイのクラスメイトに熱烈に好意を寄せられるし、文学部の部長の子とも何となく仲良くなってくるし。
 ……その様子を見ていたルイは、ナツオに対してキスを迫るし。というか、するし。(3巻とか4巻とかその辺か?)

  

 さらにその後も、なんやかんやありまして。
(いや、だって、既刊27巻よ? 全部なんか書き切れるかーい!)

 あ、ナツオくん、どっちとも付き合いますからね。
 引き裂かれたり、反発し合ったりと、いろいろありましたが。

 まもなく完結を迎える、というところまで来てます。



アンバランスで、だけどどこまでもピュア

 ラブコメではありますが、その周辺要素がかなり多岐にわたっている上に重い、というのが特徴でしょうか。
 義姉弟妹の恋愛。
 教員との恋愛。
 不倫。
 自傷行為。
 ネグレクト。
 ストーカー。
 ドラッグも、あるか。
 あ、あと、LGBTだ。ラマンのマスターとエリカちゃん(本名・悦夫)を忘れちゃいけねえ。私はあのキャラが大好きです。

 これでもしっかり少年マンガ的コメディ要素を突っ込んでくるのが、流石先生さすがと言いたいところ。
 むしろ、『これが言いたかっただけ説』まである。

 でも、やっぱり何がイイか、って。
 みんな、成長してるんですよね。いろいろと。
 これは『GE』のときもそうだけど、見返していくとぐっと来る要素がいっぱいあります。

 ナツオくんも人間的に大きくなってきたと思います。
 ヒナちゃんもだし、いちばんはルイちゃんかな。あの無愛想な彼女が徐々に感情を出してくるところなんか、キュンキュンします。
 無理して明るく振る舞っていたようなところがちょっとだけあったモモちゃんも、ガッツリ引っ込み思案だったミウちゃんも。
 アルくんもそうか。お化けは怖がるけれど、男気ありますね。
 文芸部の後輩たちもそうかな。

 間もなく終わってしまうのが寂しいです。



ということで、総評

 あなたもこの「ピュア」な恋愛を体験してみてください。



次回予告……?

 えー、どうしよ。

 この辺?

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