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東雲システマティック 〜超短篇〜

東雲システマティック

 

 

 東の空からは夜明けの報せ。
 春の朝は次第に足早。
 時々聞こえる大型トラックのクラクションは、それでもどこか眠気を纏っている。
 そんな壊れ気味の時計にしたがって、まだ数少ない街ゆく人はいつも足早。
 出始めた太陽に背を向けて、歩く先は駅とかだろうか。
 こんな時間にどこへ行くの、ってそれは人それぞれ違うだろうけど。
 少し冷えた部屋の中から、何も纏わずにそんな光景を眺めてみた。

 ため息をひとつ、東雲に溶かす。
 そのあたりに影が落ちたようだ。
 いつもと同じく、朝がまた来る。
 私たちを置き去りにするように。

 まだ眠っているあなたの顔を見つめる。
 この部屋の時計は止まっているように思える。
 でも、それで構わない。
 この世から切り離された世界になればいい。
 あなたの吐息と私の吐息が重なり合うとき。
 それがきっと、私たちが進み始めるためのシステム。

  

  

  

あとがき

 どもです、御子柴です。
 今日はショートショートというか、散文をお持ちしました。

 久しぶりに、タイトルを先に考えて(というか、不意に思いついてしまって)、勢いで書けるだけ書いたという感じです。
 最近はあまりやってないのですが、DTMをやっていたときは歌モノを作っていまして、その時の歌詞を考えるノリに近いかも知れませんねえ。

 わりと以前はこういう感じで短篇を書いていたんですよねー。
 最近は長篇連載が多いのであまり出来ていませんでしたが、やっぱりこういうガス抜きというか息抜きの文章を放出するのも必要ですね。

 ではでは。

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御子柴 流歌
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