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――むしろ『超短篇小説』かもしれない。 っていうか、そうだね。 1000文字すら行ってないです。 『ヌーヴォーとヴィンテージ』 「んーっ! うぉいしーっ!」 「『うぉいしい』の?」 「そ。ただの『美味しい』との差別化、的な?」 食後のバニラアイスに舌鼓をうつ彼女の頬は、アイスよりもよく溶けていた。 お気に入りのそれは、乙女のなんとやらなどを考えた上で週3回を限度にしている。 毎日食べるよりも喜びが大きくなるらしい。 「なによ。その顔」 「なにが?
あらすじ 暮れなずむ空、教室。 イイ雰囲気、のはず。 ――「カワイイなぁ、って思って」 そんなことを言う彼の視線は、やっぱりちょっとメガネに行ってる。 これは生粋のメガネ女子と生粋のメガネフェチによる、夕暮れ時のひとコマ。 その想いが ちからをくれる 「ちょ、ちょっと待って」 「ん? 心の準備?」 「あの、えと……。うん、そんな感じってことで」 小さい頃から、私は視力は悪かった。 そのおかげで小学校に入るかどうかという頃から、眼鏡は私のパートナーだった。
プロローグ: さながらUTOPIA(ただし続けるとは言ってない) 経年的な老朽化が見えながらも、整備はしっかりと行き届いている関節を、それでもギリギリと言わせながら飼い主の傍らを歩く『犬』。 そんな犬に向かって、シリコンカバーを付けてもらっている『犬』が吠えかけている。 天気も良い昼間の公園は、いつにも増して騒がしいように見える。 不思議に思ったが、よく考えればノイズキャンセリング機能が全開になっていた。 いつもの癖だった。 さすがに外でこれはマズいの
『マーガレットの悪夢』 「好き、嫌い……。好き、嫌い……。好き、嫌い……」 「……」 「好き、嫌い……。好き!! ボクのこと、好きなんでしょ!?」 「……いや。その結果が出るまで花をむしり続けるようなオトナは、ちょっと」 「そんな!」 「っていうか、ふつうマーガレットの花びらって奇数枚なんだけど。そんなに偶数のモノばっかり見つけるっていう、アンタの運の悪さもどうかと」 「それはさすがに理不尽!」 「それはアンタに毟られ続けた花のセリフだわ!」 あとがき い
ポイントカード・シンドローム 「いやぁ、得したー」 「何が」 「コレ買うと、今ポイント還元2倍だって言うからさ。この前から気になってたし、思い切って買っちゃったんだよね」 袋の中を覗けば、おそらくはメイクアップ用のアイテム。 ちょっとした機械っぽい代物だった。 「またポイントたまってきたしー。今度は何と引き換えようかなぁ」 ほくほく顔で袋の中身を見ているカノジョには、しばらくの間何も言わないでおこう。 さっと検索して、わかってしまった。 カノジョが買