『珈琲は月の下で』【#短編小説】
貴女と飲むのは、これがいい。
「ふぅ……」
ちょうどお客様の流れも途切れた、カフェスタイルのバー。お昼とされる時間はコーヒー系をメインに、夜とされる時間帯はお酒をメインに提供するスタイルのコーナーだ。
カウンターのやや奥まったところで、鋭く、だけど小さく一息つく。傍からは気づかれない程度に背筋を伸ばしてみれば、関節も何度かぱきぱきと一心地つくような音を立てた。
かれこれ一週間もこうしていれば、朝も昼も夜もよくわからなくなってくるものだ。それはこうしてカウンターの内