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【オーストラリア・パース生活】John Forrest National Park でブッシュ・ウォーキング① 気軽にお散歩編

大自然の広がるパースで人気のアクティビティと言えば、ブッシュ・ウォーキング!

ブッシュ・ウォーキングとは、オフロード(未舗装路)を歩くハイキングやトレッキングのことを指す言葉であり、未開の森林地帯や低木地帯の多いオーストラリアでは非常にメジャーなアウトドア・アクティビティとして知られています。オフロードを歩くため難易度が高いようにも聞こえますが、初心者や子どもでも楽しめるような平坦で短距離のトレイルもあれば、道なき道を数日かけて歩くような過酷なトレイルもあるため、その楽しみ方は多種多様です。

そんな私もブッシュ・ウォーキングが大好きで、パースにいる時は近所の自然保護区域を散歩したり、まとまった時間があれば郊外の国立公園に歩きに行ったりしています。去年は念願の Bibbulmun Track(ビブルマン・トラック)も体験しましたしね!

さて、今回紹介したいのは、そんなブッシュ・ウォーキングを楽しむことができる国立公園の一つ、John Forrest National Park(ジョン・フォレスト・ナショナル・パーク)です。パースから車で約30分ほどの距離にある場所なので簡単に訪れることが出来ますし、トレイルの種類も複数あるため、夫々自分のレベルに合わせてウォーキングを楽しむことができます。

私も何回か訪れたことのある公園ですので、今回の『気軽にお散歩編』と次回の『トレッキング編』の2回に分けて、実際に歩いたコースを紹介していきますね!


John Forrest National Park(ジョン・フォレスト・ナショナル・パーク)

John Forrest National Park(ジョン・フォレスト・ナショナル・パーク)は、パースから車で約30分ほど東に行った所にある、ダーリング山脈に位置する国立公園です。

1898年に自然保護区に、そして1900年に国立公園に指定されたその場所は、西オーストラリア州で最も古い国立公園として知られています。どうやら最初は別の名前がついていたらしいのですが、1947年になって、西オーストラリア州の初代首相を務めた John Forrest(ジョン・フォレスト)の名前を取り、現在の John Forrest National Park となったそうです。

パース市内から近いということもあり、週末のレクリエーションスポットとして、パース市民からの人気も高い John Forrest National Park。公園内にはブッシュ・ウォーキングやサイクリングを楽しめるトレイルが複数あり、今はもう使われなくなった旧鉄道の線路やトンネルなどの歴史的建造物、壮大な滝、パノラミックな景色、ワイルドフラワーなどを見て回ることができます。野生動物も沢山生息していますので、時間帯によっては、カンガルーに遭遇する可能性も高いです(私は毎回出会います)。また、メインエントランス近くには、ピクニックエリアやバーベキューの設備、プレイグラウンドなどもありますので、大自然の中でのんびりゆったり時間を過ごすことができます。

John Forrest National Park のロケーション
パース市内から東に24kmほど。車で30分ほどの距離に位置しています。

アクセス方法

車で行くのが一般的で便利かと思いますが、一応、パース市内から公共交通機関を使って訪れることも可能です(降車後、結構歩きますが…)。

車で行く場合:
Great Eastern Highway(グレート・イースタン・ハイウェイ)を Mundaring(マンデイリン)方面に走ると、John Forrest National Park の看板が出てきます。そこを左折すると Park Road に入るはずなので、そのまま進みます。途中、料金所方面に左折する箇所がありますので、看板を見逃さないよう気をつけましょう。

Great Eastern Hwy から Park RD に入ります。
上の地図には描かれていませんが、〇で囲んだ辺りにPark RDに入る道があるはずです。
尚、鳥居のようなマークの所がメインピクニックエリアですね。

尚、車やモーターバイクで訪れる場合は、Park Entry Fees を支払う必要がありますので、そちらも念頭に置いておいて下さい(金額は下記ウェブサイトでご確認下さい)。

ちなみに、公園へのアクセスポイントは他にもありますが、土地勘の無い方は、上記のメインエントランスから入ることをお勧めします。トレイルもそこから始まりますし、駐車場、トイレ、公園の見取り図などの設備もありますから一番安心です。

公共交通機関で行く場合:
パース市内から電車とバスを乗り継いて行くことができます。まずは、パース市内から Midland Line(ミッドランド・ライン)に乗り、終着駅である Midland Station(ミッドランド・ステーション)まで行きます。その後、Mundaring(マンデイリン)方面行きのバスに乗り換え、John Forrest National Park 前の停留所で下車します。ただし、Great Eastern Highway沿いの停留所から公園のメインエリア(ピクニックエリアやトレイルのスタート地点がある場所)までは、かなり歩くことになりますので注意が必要です。個人差があるでしょうが、30分以上は見ておくのが良いでしょう。

その他:
普段からスポーツとして自転車(ロードバイクやマウンテンバイク)を走らせている方であれば、公園まで自転車で行くことも可能でしょう。公園内には自転車OKのトレイルもありますので、そのままサイクリングを楽しむことができます。

トレイルの種類

先述した通り、広大な敷地内には複数のウォーキングトレイルがあるため、大自然の中、ブッシュ・ウォーキングを楽しむことができます。難易度としては、ちょっとした散策を楽しむ程度の初心者レベルのものから、十分なスキルや体力を必要とする経験者レベルのものまで多々あるので、自分のキャパシティに見合ったコースを選択する必要があります。

基本的に、全てのトレイルは公園のメインピクニックエリアからのスタートとなります。一応、他にもアクセスポイントがあって、私も別の入口から入ったりもしますが、初めて行かれる方は迷わないためにも、きちんとメインエントランスから入園することをお勧めします。

公園内のトレイルマップ
距離や所要時間、難易度が記載されています。
各トレイルの Trail Markers も描かれているので、歩き始める前にきちんと確認しておきましょう。

気軽にお散歩編

さて、ここからは実際に歩いたトレイルについて写真付きで紹介しようと思います。まずは、気軽に歩けるレベルのトレイルから。ただし、上記で紹介したマップ内の道順からは少し外れているのと、アクセスポイントに関しても、この日はメインエンエリアではない所から入ったので、その点はどうぞご了承下さい。

この日、私たちが選んだスタート地点は『公園の西側にある駐車場』です。この周辺には、Railway Reserve Heritage Trail という全長41kmのトレイルがあるのですが、その一部分が John Forrest National Park の中を東西に横切っているんですよね。そのため、公園の西と東側にもアクセスポイントがあるわけですが、西側は道路に面しており、小さいながらも駐車場があるため使い勝手が良いのです(曜日や時間帯によってはかなり混みますが…)。

そしてこちらのトレイルでの見所は、Swan View Tunnel(スワン・ビュー・トンネル)National Park Falls(ナショナル・パーク・フォールズ)Hovea Falls(ホヴィア・フォールズ)など。特に春はワイルドフラワーのシーズンなので色とりどりの花を愛でることができますし、冬~春にかけては谷に水が流れているので、壮大な滝の風景を楽しむことができます(夏場は干上がっている)。今回、この3つの見所を効率良く見て回りたいなと思ったため、西側から歩くことにした次第です。

では、写真と共に、この日私たちが歩いたルートを辿って行きましょう。

この日歩いたルート
西側のアクセスポイントから入り、往路は Railway Reserve Heritage Trail に沿って歩きました。
途中、Swan View Tunnel、National Park Falls、Hovea Falls などの見所を通り、
復路は Eagles View Walk Trail に沿って途中まで歩きます。
その後、National Park Falls にある橋を渡って、もと来た道に戻りました。
西側のアクセスポイントからウォーキングスタート!
Railway Reserve Heritage Trail は自転車で走ることもOKです。
Railway Reserve Heritage Trail
Railway Reserve Heritage Trail
西のエントランスから少し歩くと、直ぐに開けた場所に出ます。
広大な大地は息を飲む美しさです!
Railway Reserve Heritage Trail
春はあちらこちらに可愛らしい花が咲いているので、見ていて楽しいですね。

Swan View Tunnel(スワン・ビュー・トンネル)

少し歩くと、先述した見所の一つ、Swan View Tunnel(スワン・ビュー・トンネル)が姿を現します。こちらは1894年に建設が始まり、それから1年以上をかけて、3シフトの24時間体制で作られた鉄道トンネルの遺跡です。巨大な岩を爆破したり砕いたりと、危険を伴う方法で作られた長さ340mのトンネルは、当時としては偉大な成果であると称えられたそうです。残念ながら、トンネル内での換気状態に問題があり死亡事故も複数あったようですが、1945年にはトンネル周辺にバイパスが建設され、その後も1966年まで使用されていたとのこと。

現在は Railway Reserve Heritage Trail の一部として、このトンネルの中を歩くことができます。中はかなり暗く、人によっては怖く感じる方もいらっしゃるみたいなので、その場合は外の道を歩くこともできますよ!

Swan View Tunnel
巨大な岩を爆破したり砕いたりして作られた路線とトンネルです。
Swan View Tunnel
トンネルの穴が見えてきました。
Swan View Tunnel
何だか異質な空気感。
Swan View Tunnel
中は真っ暗で少しひんやりしていました。まだ春先だったからか地面も濡れていましたね。
靴が濡れないように、携帯のトーチを使って足元を照らしながら歩きました。
トンネルの説明書き

National Park Falls(ナショナル・パーク・フォールズ)

トンネルを出てしばらく歩くと、もう一つの見所である National Park Falls(ナショナル・パーク・フォールズ)が左手に現れます。夏場以降は谷の水が全て干上がってしまうため、前回来た時は滝を見ることが出来なかったのですが、この日は9月末に訪れたので、ちゃんと水流を見ることができました。ゴツゴツした岩の上や合間を水が流れる様は爽やかで美しく、とても見応えがあります。岩場までは歩いて行くことができるので、近くで水流を眺めることも可能です。

National Park Falls
前回来た時は夏だったため、干上がっていて滝は見れませんでした。
この時は春先だったので、ちゃんと水が流れていましたよ!
冬に来たら、もしかすると水流はもっと激しいのかもしれませんね。
National Park Falls
橋があるので、水流の反対側に渡ることができます。
大自然の中で人間がとても小さく見えますね。
National Park Falls
女性が岩の上に座って寛いでいるのが見えるでしょうか。
水の音を聞きながら大自然の中で過ごす一人時間、とても気持ち良さそうです!

さて、私たちは橋を渡らず、トレイルを真っ直ぐ進み続けました。すると途中でカンガルーに遭遇!言わずもがな、この辺りには野生のカンガルーが沢山生息しており、しかも彼らは気配を消すのが上手なので、天候や時間帯によっては「気付いたら隣で草食べてた!」みたいなことが起きる可能性は結構高いです(笑) ※カンガルーは夜行性です

ただし、野生のカンガルーは警戒心が強く、状況によっては凶暴になり得ますので、近づいて怖がらせるようなことは絶対にしないで下さいね。餌やりも絶対NGです。距離をとって、静かに遠くから見守るだけにしましょう。

遭遇したカンガルー
ひとりでむしゃむしゃ食事してました(笑)

再びトレイルを歩き続けると、今度は Wooden trestle bridge という名の鉄橋が現れます。こちらも鉄道遺跡の一部ですね。この鉄橋横にはメインピクニックエリアがあり、メインエントランスや駐車場もその近くにあります。全てのトレイルのスタート地点も、本来はこの鉄橋下辺りから始まります。

Wooden trestle bridge
鉄橋の右下にはメインピクニックエリアがあります。
メインエントランスや駐車場もこの近くにありますよ。

Hovea Falls(ホヴィア・フォールズ)

さて、私たちは引き続き、今度は Hovea Falls(ホヴィア・フォールズ)を目指して歩きます。メインピクニックエリアからは大体800mほどの距離なので、それほど遠くはありません。

先ほどの National Park Falls に比べて、Hovea Falls の勾配は少し緩やかな感じです。そして対岸を良く見てみると、平べったい岩肌の上を歩いている人達がいるではありませんか!私も彼らと同じことがしたいと思い、対岸へ渡ってみることにしました。

Hovea Falls
川というよりは、岩の上を水が流れ広がっているような様が興味深いです。
対岸を歩く人々
対岸の岩の上を歩く人々を発見。
ルートからは外れますが、うっすらと道があるように見えたので、
対岸に渡って岩の上を歩いてみることにしました。
対岸に渡れる道を発見
橋探し
橋発見!
清流に掛かる橋
日光が反射して美しい!
対岸の岩肌
岩の上には苔の他にも低木などが生えていました。
苔は分かりますが、岩の上でも植物って育つんですね~。

岩の上を斜めに下って行くと、獣道みたいな小道があったので、それに沿って歩いてみることに。どこまでが岩だったか記憶は定かではありませんが、苔や低木以外にも、岩場の周りにはワイルドフラワーまで咲いていました。自然の生命力ってすごいですね。

ワイルドフラワー
鮮やかなピンク色(紫か?)で可愛いです。
ワイルドフラワー
見た目がフワフワで可愛い!

引き続き、一応道っぽくなっている所を進んで行くと、公式のウォークトレイル(Eagles View Walk Trail や Wildflower Walk Trail の共通トラック)に合流できたため、そこからはそのトレイルに沿って、往路で立ち寄った National Park Falls を目指しました。

ちょうどワイルドフラワーのシーズンだったこともあり、色々な種類のネイティブプランツを愛でることが出来て楽しかったですよ~。

ワイルドフラワー
写真じゃ分かりませんが、風がそよいでいて、その度に揺れる葉や花たちが美しかったです。
ワイルドフラワー
写真を撮るのに忙しくて、なかなか前に進めません(笑)
Jane Brook の清流
Jane Brook に沿って歩いて行きます。水が冷たくて気持ち良かったですよ!
トレイル

トレイルを歩き続けると National Park Falls が見えてきたので、Railway Reserve Heritage Trail に戻るため、Eagles View Walk Trail から外れることにしました。往路では滝の近くには寄りませんでしたから、復路ではしっかりと岩場を流れる水を間近に見てきました。やはり迫力がありますね!

National Park Falls
奥に見える橋を渡ると、往路に歩いた Railway Reserve Heritage Trail へと戻れます。
National Park Falls
岩の表面を、水が勢いよく流れ落ちていく様は圧巻です。
National Park Falls
ここから眺める景色も素晴らしかったです。
岩場を散歩する Cockatoo(コッカトゥ)
オーストラリアでよく見られる野鳥です。
白色や黒色の子達もいますが、ピンクとグレイが混ざったこの子達も可愛いですよね。
水を飲もうとしていたのですが、水流に落ちそうになっていて見ていた私たちが焦りました(-_-;)

まとめ

というわけで、今回は John Forrest National Park での『気軽にお散歩編』を紹介しました。往路で歩いた Railway Reserve Heritage Trail の部分は道も比較的平坦で広いです。よって、初心者やお子さん連れの方でも歩くことができると思いますので、西オーストラリアの自然を楽しみたいという方にはお勧めです!

一方、復路で歩いたルートは若干トレイルから外れた箇所もありますし、岩場も難しくはありませんが、小さなお子さん連れの方や不慣れな方は、十分な注意が必要かと思われます。

では、次回は『トレッキング編』として、John Forrest National Parkで一番長いトレイルである Eagles View Trail を歩いた時の様子を紹介しますね!


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