30w2d 妊娠糖尿病はつらいよ


11/11

今日もひたすらご飯のことを考える。何せ、一日に摂っていい糖質は決まっている。それを6分割にし、いかに血糖値を上げずに美味しいものを食べるか。自宅安静で時間が有り余っているからこそ、次に何を食べるかを決めるのは結構重要なタスクなのである。

妊娠初期に妊娠糖尿病と診断され、8月から血糖値を毎食後3回測定し、我慢忍耐ばかりのストレスフル生活を送っている。妊娠糖尿病患者には少し冒険したらあっという間にオーバーしてしまう、超厳しい食事制限が課される。うんざり、うんざり、もううんざり…と毎日心の中で唱えながら、指に針をさし、血をとる悲しき日々。いい加減慣れろよと自分にいいたくなるくらいの時間は経っているけれど、いまだに慣れないし、毎日懲りずにイライラしている。

ここ2日の血糖値はクリアしたが、根が真面目なのか、少し基準をはみ出すと一日中妊糖という体質を恨むか、自分はだめだとネガになるか、メンタルが非常に振り回されるのがつらいところ。低糖質のご飯を少量食べればクリアになるのだし、こんなストレスを抱えなくて済むと分かっているけれど、それだとお腹が空いてひもじいし、ひもじいと心がつらいのだ。

食べたいものを一人前も食べられないこと。糖質を気にして食品ラベルを見つめる時間。ふつうの妊婦さんの羨ましい食生活。夜眠れず、お腹が鳴る音と共に迎えるまぶしい朝。妊娠糖尿病にまつわる、このたまらない虚しさは産後も忘れられないだろう。

血糖値測定という食ごとに課されるハードルが困ったもので、測定するたび「ブー」「ピンポン」と丸バツ判定ボタンを押されてる気分になる。この食事はいいですよ、だめですよ。私の好きなタイプの食事は大体三角かバツだから、毎度祈るように測定器を見つめている。とっても美味しくて、生きる希望になる食事。

基本的にお腹がすいていて、心は大体満たされない、嗚呼かなしき妊糖ライフ。お腹いっぱい白米、ラーメン、パスタを食べたい。それすら許されないブルーマタニティライフ!こんなに自分が牙剥き出しの食欲モンスターになるとは思ってなかった。制限のある生活というのがそもそもストレスだし、制限があるとその制限のことばかり考えてしまう人間なのかもしれない。

美味しそうなごはんは、大体糖のかたまりでできているから、今日も指を咥えてお腹をすかした。妊娠が終わったら、好きなものを思い切り食べたい。糖尿病リスクが残っていたとしても、この蓄積されたうっぷんが晴れるのは、糖質の高いおいしいご飯だけなのだ。

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