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どうかアレを受け止めて!(パプア滞在記②)

「ごめん、ちょっと俺寝てもいいかな」

うんざりした夫の声が聞こえた。時刻は午前3:00(@パプア時間)。

え?どうしたの?何?

パプアニューギニアに赴任中の夫と次女を訪ね、0泊2日でポートモレスビーにたどり着いた末っ子と私は泥のように眠っていた。

たどり着くまでの記事はこちら▼

夫と共に生活している次女は、生まれつき脳性麻痺で体が不自由。一人では寝返りができず、何か不快なことがあれば泣くしかない。

次女はこんな感じでどこに行くにもバギーに乗っている

夫の話によると、昨日就寝した21:00頃から次女が1時間おきに泣いて起きるという。朝も私達の迎えのために早朝から起きていた夫は限界だったのだろう。

そういうことなら合点承知だ、代わってやるぜ。
母の力を見せてやろうではないか。

鼻息荒くバトンタッチしたものの、やはりその後も、一時的に眠りはするけど、しょっちゅうぐずっては起きる次女。

おかしいなあ。どうしたんだろう。首をかしげながらぐずる次女を抱っこしていると、ふと左手に触れている彼女のシャツにしめりを感じた。おしっこのにおいがする。おむつから漏れてしまったようだ。

午前4時。しかたなく着替え一式とおむつをクローゼットから出して、着替えをする。自力では手足を動かせないので着替えも一苦労。
…と、おや?衣服を剥ぎ取って見てみると、なんだかおむつが小さい。

どうやら現地で調達したおむつが小さいよう。翌朝起きてから確認すると、おむつのサイズはXL、該当体重は14キロまでと記載がある。次女の体重は20キロ。そりゃあ小さいに決まっている。

…眠れなかった理由の一つはこれか!こりゃあだめだ。排泄、大事。
ちゃんとおしっこ、受け止めてくれ!!

真面目な話、排泄がうまく行かないのは大問題。高齢者の介護の現場でもよく言われることだと思うが、障害児の次女の場合も、排泄がうまくいかなかったり、排泄物をうまく受け止められないと、さまざまな不具合が生じる。次女本人にとって不快なのはもちろん、ケアする側にとってもめちゃ大変。

というわけで、私のパプア滞在中のファースト・ミッションは、「適切なおむつを探す」に決まった。

ちなみに次女は、日本にいるときは、大人用と子ども用の中間サイズという(たぶん障害などによりある程度成長してもおむつが必要な子どもむけの)おむつを購入している。

しかしながら、インドにもフィリピンにも、そんなものはなかった。パプアニューギニアはどうか。インターネットで探すと、8歳〜の子ども向けの大きいサイズのおむつがあったが、相当な高額。13枚で75キナ≒3000円だ。1枚約230円。高すぎる。

というわけで、とりあえず最寄りのスーパーにいってよーく探すと、、、

あった!!

Nappy TimeというブランドのXXLサイズが、かろうじて17Kg~対象。

今後、パプアニューギニアに住むかもしれない肢体不自由児のためにシェアしとく!!

これがダメなら、もはや日本から持ってこないといけなくなるかもしれないけど、おむつはなんたってかさばる。そもそも今現在は手持ちがないからとりあえずはこれで行くしかない。頑張れ次女。

ついでにこちらの買い物事情を少しだけご紹介。
とにかく治安が悪いので、街歩きは厳禁。警備がいきとどいたレジデンスのエリア内か、車で行ける大型モールに買い物に行く。

レジデンス内の丘から見下ろしたポートモレスビーの町並み

本当は路上の八百屋に行ったほうが野菜もフレッシュだし安いのだろうと思いつつ、背に腹はかえられない。

最寄りの大型ショッピングモール内のスーパーは、それなりになんでも揃うが、値段もそれなりにする。一個一個40倍しないといけないのが手間だけれど、うっかりポテチをかごにいれるととんでもなく高額だったりするのだ。

牛肉はオーストラリアが近いせいかわりとお手頃。アイスや乳製品もオーストラリアから輸入された高品質なものが並ぶ。鶏肉や豚肉は基本骨と皮付きなので、調理のときに手間がかかる。ちなみにパプアニューギニアといえば海産物が安くておいしいのでは?と思いきや、エビ、超高い。なんで?
日本のスーパーには手頃な値段でパプアニューギニア産のエビが並んでいるのに…だれ理由を教えてください。

なんだか小洒落たビールも並んでいた

ビールも別に安くはないけど、必需品だ。

当たり前のように次女のおしっこをうけとめてくれる高品質なおむつがある日本に、乾杯。
(つづく)

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