“Fun”タスティック Tamana
ここまでTamanaのトレーニングや教育を中心に少しずつ紹介してきたが、ハルが通う早期教育の教室には、たくさんのお楽しみ的な催しがある。
盛大に祝うバースデー
通い始めて2日目のこと、突如ランチタイムに「今日はバラの6歳の誕生日だから誕生日会をやるのよ」と言われて席につくと、豪華なミニオンのケーキやスパイシーなポテトパイ、たくさんのお菓子が振る舞われた。
余談であるが、日本では誕生日の人に周りがごちそうしたりプレゼントをしたりするのが普通だが、インドでは誕生日の人が周囲にケーキやごちそうを振る舞い、プレゼントを配るという習慣がある。
ジョティ先生は「ハルにもにおいをかがせて、できればクリームを味わわせてあげてね」と言ってハルのお皿にもケーキを置いてくれた。
一通りケーキやお菓子を食べ終わると、おもむろに机をどかし、「ダンスするわよ!」と言われてダンスタイムが始まった。てっきり子どもたちが楽しめるような音楽が流れるのかな、とおもいきや、お母さんのケータイから流行りのヒンディソングがガンガン流れ、こどもたちそっちのけでお母さんと先生たちがガンガン踊り始めた。指名されると中央にひっぱられてお立ち台みたいに踊らなければならない。何度も言うが、子供は別に楽しんでいない。お母さんと先生たちのみ、ノリノリである。
なぜかバギーごと中央に連れて行かれるハル。
あっけにとられながら、隣のお母さんに「この時間はお母さんのための時間なの?」と聞くと、「イエス」。こうやってお母さんたち同士や、お母さんと先生が垣根をとりはらってコミュニケーションをとる一つの方法なのか?とりあえず腰を回して踊ってみる私。
踊ってはみるものの、いわずもがな、私はダンス下手な日本人の代表格。どうしても恥ずかしい気持ちが出てしまう。インドにきてから、子供達の学校では普通に「ダンス」の授業があるし、レンチビの保育園のダンスもなかなかどうしてセクシーだ。言語や人種や経済状況が多様なこの国では、言葉が通じなくとも心を通わせることができる踊りや音楽がとても大事なのかもしれない。
実際、学校でヒンディ語が飛び交う中でまったく意味がわからず取り残される私。でも私、インド人のお母さんと仲良くなりたいの。インド人ママのお友達がほしい!あーダンス!ダンスがもっとかっこよくできたなら!!インドに来る前にするべきはダンスの練習だったんじゃないか!!日本製の日用雑貨を買い集めている場合ではなかった。失敗だ。
そんな私の悔しい気持ちにはまったく気が付かないインド人ママさんたちと先生たち。トレーニングのときには厳しく真面目な彼女たちは、お楽しみの時間はとことん楽しむ。そしてそんなお楽しみの時間がTamanaではとても充実している。まさに飴と鞭のようだ。
ヒンドゥー寺院へのお散歩
先日の木曜日のお散歩の時間には、突然「テンプルにいくよ」と言われ、初めてヒンドゥー教寺院に足を踏み入れた。
行く途中にはたくさんの牛が歩いていて、当然牛のう◯ちもあちこちに落ちていた。犬のものと違ってとても迫力があり、ハルのバギーがう◯ちを踏まないように押すのは至難の技だ。(多少踏んづけたということです…)
牛がいっぱい歩いている様子を写真に撮っていたら先生に笑われた。「動物園みたいにたくさん犬も牛もいるのよね、それでその糞を私達は何もしないのよね!おほほ!」笑い事である。
軽い登山のような道をゆき、階段にたどりつくと、「ここで靴を脱いで」と言われた。鳥の糞やらなんやらあって汚いけどまあ仕方ない、と思いながら靴を脱ぎ、ハルをバギーから抱っこに持ち替え、また階段をのぼる。
寺の中にはいると沢山の神様が飾られていて、みなそれぞれに手を合わせたり鐘を鳴らしたり回ったりし始めた。みなが手慣れた様子でお参りをする様子を好奇心むき出しで見守る私。
最後にお寺のお坊さんらしき人が、皆にティカをつけはじめた。「ハルもつける?」と聞かれたので、「もちろん、お願いします」というと、ハルも額に立派な赤いティカをつけられ、そうして「聖なる水よ」と差し出された水を頭からふりかけられた。私も聖なる水を受け取って口に含み、頭にもかける。最後にザラメ状の砂糖を渡され、お参りはおしまい。「これどうしたらいいの?」と近くにいたお母さんに聞くと、「食べてもいいし、とっておいてもいいわよ」と言われ、しかしザラメの砂糖をバックに突っ込むわけにもいかないので、口に放り込んだ。ただの砂糖だった。
これがこの日の「お散歩」。教会に行ったり、マクドナルドに行ったり、公園に行ったり、いろいろである。とにかくこの学校に通っていなかったら自分では行かないであろう場所に行くので、私はとにかく楽しい。ハルが楽しんでいるのかどうかは謎だ。
持ち寄りパーティーは完全ベジ
そしてクリスマス・イブの月曜日は、一品持ち寄りのクリスマスパーティーが行われた。当然だがうち以外はみんなインド人なのでインド料理が並ぶ。
必ずベジの料理を持ってきてねと言われたので、我が家は白玉とあんことおにぎりを持っていった。(作ったのは夫と息子)
面白いので冬休みに入った子どもたちを全員連れて行ったら、先生にも他のお母さんにも「Oh my God!これみんなあなたの子供なの?」ととてもびっくりされた。なんかのジョーク?とも聞かれた。ノンノン、四人ともお腹を痛めて生みましたさ!
そして当然のごとく食事のあとはダンスタイムである。びっくりしたのが、学校でダンスの授業を受けている上の子二人は案外踊れるのだ。なんか悔しい。母にも教えて欲しい。
週3日もトレーニグデイと言われると大変だな、という気もするが、楽しいことの方がむしろ多い。子どもたちも先生もとても楽しそうである。ハルもなんとなくここが楽しい場所であることがわかってきたようだ。(トレーニングの時以外は…)
登校すると「ハル・ベビー」とみんなが集まってきて人気者である。色白で肌が柔らかくて甘い香りがするのか、みんながハルに触りたがる。ハル、羨ましい。
ああ、私もはやくインド人のお友達がほしい。
(つづく)