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はるるん、発作再び

以前の記事で、はるるんの発作がどういうわけかなくなったことを書いた。発作が消えた時のハルはものすごく覚醒度が高くて、すぐにニコニコするししょっちゅう声を出して笑うし、今までのハルとは別人のようだった。

ところがしばらくして体調を崩したのをきっかけに、再び発作が出現し始めた。それでも体調が持ち直すとまた発作はなくなったように思ったのもつかの間、次第に以前のように発作の回数が増え始め、3月の末頃から以前と同じくらいの頻度で発作が起こるようになり、それに伴って夜の睡眠がうまく取れなくなってきた。発作がない期間はほんの1ヶ月にも満たない間だけで、まるで夢のようなひとときだったと思う。

今は以前よりも高頻度で発作が起こっているような気さえする。夜あまり眠れないのでハル担当の夫は慢性的に寝不足、そして昼間ねむくなってしまうのでなかなか学校での活動に参加できず、、、よくないサイクルが続いている。

4月上旬、2月の検査ではまったく発作が見られなかったEEG(脳波)の検査の予約を再び取り、2時間の脳はチェックを行った。(トップ写真)

結果、かなり高頻度で、しかも脳の全域に渡って発作がおこっていることが確認された。

ハルは、うまれてからの4年間で、てんかん発作に効果があるとされる薬はほとんどすべてと言っていいくらい試してきた。そのいくつかは多少の効果があり、そのほとんどはあまり効果がなかった。今のハルの状態は、服薬コントロールと言う意味では最善なのかもしれないが、それでも発作は頻回に起こる。

残された選択肢は、ケトン食療法という食事療法だ。これは日本にいたときから主治医との話にあがっていたが、今回インドでの主治医であるミッテル先生からもケトン食療法を勧められるに至った。

ケトン食療法とは、できる限り炭水化物をカットし、脂肪とタンパク質を中心にカロリーを摂取することで体内に抗てんかん作用を持つケトン体という物質を作り出す食事療法のことだ。服薬コントロールやATCH療法(ホルモン療法)といった治療でも克服できない難治性てんかんの治療法として知られているらしい。発作を抑えるメカニズムが完全に解明されていないことや、メニュー作りと調理に手間がかかることから、抵抗を感じる人も少なくはないが、一部の難治性てんかんに効果があることは確からしく、ミッテル先生は「試す価値はあるわ」と請け負った。

それからミッテル先生は、ハルの呼吸状態を見て、胃ろうにすれば栄養は問題なく取れるようになるわ、と再び胃ろうについて優しく言及した。私たちは答えを出すことはせず、そうでしょうねえ、とぼんやり答えた。

この4月からケトン食療法に詳しい栄養士さんが病院に赴任してくるというので、彼女の連絡先を紹介してもらって、診察は終わった。

ケトン食というと、ダイエットのイメージが先行しがちだが、夫の調べによると(自分じゃないのかよ)、古くは薬がまだなかった時代や薬が手に入りにくい場所に住んでいる人にとって、てんかん治療の第一候補(だった)らしい。今ではケトン食用の低炭水化物小麦粉なんてものもあるらしい。(夫取り寄せによる)


ケトン食療法は、ハルにとってまさに最後の望み、である。まあ過度に期待はしてはいけないと思っているし、実際にたいして効果がない可能性の方が大きいだろう。それでも、手間や労力を考えると覚悟をもって望まないとできない治療法なだけに、効果があると良いなあと願わずにはいられない。たぶん日本にいてワンオペで4人育児してたらとてもじゃないけど取り組もうとは思えなかっただろう。今のハルには私の他に心強い2人の母がいる。

でも、それでも、ハルの大好きなケーキやチョコレートやパンが食べられなくなると思うと、ちょっとさみしくて、なかなか栄養士さんとの面談予約の電話ができずにいる。(もちろんケトン食でもステビアなどの甘味料で甘さを追加することは可能だけれど)

もうちょっとだけ、ママとパミさんのケーキを楽しんでから、スタ―トしようか、はるるん。

ケトン食で発作が減るのか?乞うご期待。(いやまだスタートさえしていないけど)




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