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ツイステッド都市計画 暁光の街を見てみようパート②(アイボリークリフを添えて)

こんにちは。最近またちまちま描き始めました筆者です。今回は書くといったまま放置してしまってた暁光の街続編!
…続きあるよと書いときながら、納得いく纏めが出来ず気がつけば二年弱。正直お蔵入りを考えていた話だったのですが…

ラギーの新衣装「アイボリークリフ制服」を見て腹をくくり直しました。
これを!!見てしまったからには!!書くしかない!!
…というわで前回どは別の視点「暁光の都」開発経緯から見れる躍進的すぎる姿とは裏腹のアンバランスな国状を地図とストーリーから読み解くと共に、7章で出るだろうラギーの夢周りの考察をお話出来ればと思います。

※ATTENTION

こちらはゲーム「ツイステッド・ワンダーランド」にて開催されたイベント「タマシューナ・ムイナ」にて初登場した夕焼けの草原暁光の都及び7章に出るだろうラギーの夢についての考察となります。
そのためイベント内容は無論、ツイステメイン章やパソスト、参考として現実にある事例も多数取り上げます。ご了承下さい。
また、当記事は約2年前に投稿したこちらの記事の続編となります。

前回の記事を読んで頂いた前提の内容もあるため、出来ればこちらを先に読んで頂ければ幸いです。
なお、一部現夕焼けの草原王朝に対する批判と映ってしまうお話があるかもしれません。
苦手な方は本当にブラウザバックお願いします。

・時の止まった「暁光の都」

まず、暁光の都が近代的な。高層ビルの建つ市街地を形成してるにもかかわらず。「タマーシュナムイナ」にとレオナは妙なことを言ってました。

「景色が代わり映えしない」

しかし、リリアの言い分を見るにここ数十年で街一個形成するレベルの大規模な開発が行われたことは確かであることに加え、レオナが「父親が執政してた時期には都市整備は始まっていた。」と言っていることから少なくとも十数年前あたりは開発に勤しんでいたはず。

その上、まだまだ「暁光の都」以外ではインフラ整備が進んでないと言及されてる以上、本来ならまだまだ都市開発が行われていても不思議ではない。
それでもなおレオナが「変わり映えしない景色」と言っている。ということは…
夕焼けの草原はここ近年開発が止まってしまったのではないでしょうか?

メイン6章にて夕焼けの草原に渡し守が出入りしていた時期があったと言う話が出てきます。
渡し守が出てくるのは魔法執行官で対処しきれない案件が主とのこと。
…となればレオナの幼少期に
①オーバーブロッドに纏わる何らかの事件が王宮で起きる

②事件がきっかけで政治方針が変わる

③開発に対し消極的になる。
…という流れを辿ったのではないでしょうか。
そして、その仮説を補強するかのように存在するものが何を隠そうあの噴水なのです。

・実例から見る噴水の異質さ

王都の中心にある噴水。
一見ただの華やかで美しい噴水なのですが。今まで見えてきた嫌に合理的な区画整備をされた街に対してどこか異質だと感じませんでしたか?
それもそのはず。
区画から見えてくる思想とこの噴水から見えてくる思想が違いすぎるのです。

・ざっくり噴水の歴史

噴水とは、元を辿れば遠方から水を運ぶ技術の発展系で、本来水場のないところに水場を作る技術がベースとなっています。つまるところインフラの一部です。
事例としてかの有名な古代ローマ水道の礎となった技術かつ現代でも理科実験題材にされてる「ヘロンの噴水」をあげたいと思います。

(これ作った人色々凄すぎてシュラウド一族にこういう発明家絶対居ただろとか思いつつ)
古代文明が巨大河川を中心に発展していった歴史が証明している通り。人間の都市文明は人の力なしで大量の水を運搬できる存在(河川等)や技術を抜きに語れません。
何故か?それは「水の運搬」という行為が人の時間をとかく束縛する代物だからです。

水運搬に時間が取られる状況はとにかく教育普及、技術発展を阻害する要因になります。

人間の文明基盤はどうしても基本
多くの民が水へ短時間でアクセス出来る→水運搬に時間取られない→民の教育や技術発展に使える時間が増える→文明発展という流れなのです。

そらアズール君もカリム君のユニ魔を羨ましがる訳ですよ!!世界を握れる力だもの。

…とはいえ水へのアクセスさやすさが文明の要として機能してしまう偉大さ故なのでしょう。
初めは公共施設として発展した噴水は古代ローマ後期、その後滅びたローマ技術を復活やリバイバルが行われた「ルネサンス」を経て、いつしか「権力の象徴」という側面が強くなっていきました。

この「権威の象徴」たる究極例としてヴェルサイユ宮殿の噴水をあげたいと思います。

かの絶対王政といえばで有名なルイ十四世が作らせた噴水ですね。
これぞまさに「水を支配してる王様は偉大」と国の人々に思わせることが目的となった代表例。
…ところでこのヴェルサイユ宮殿の噴水。なんかすごく見覚えがありませんか?

・噴水から見る思想の違い

「暁光の都」にある噴水はまさにヴェルサイユ宮殿にある「絶対王政」の象徴として建造された噴水に近い意匠をしています。

ヴェルサイユ宮殿の噴水
動物に置き換えたら…かなり近くないか…?

両方あげるとかなりわかりやすいですね。
ライオンキングで一番有名だろう動物達がライオンの王子の前で平伏す光景をモチーフにしているのもあるのでしょう。

「暁光の都」にある噴水は「民に王を崇めてもらおう」という思想が強いと感じるのです。

一方…詳細は前回語ったので省略しますが街の基本構造となっている「田園都市」はそれこそアクセスの考え方含めて「平等」や「共生」の思想が強い。
フランス革命、産業革命を経た先に生まれた都市計画理論であること含めてやはり思想自体が違うのです。

「タマーシュナムイナ」内に当時する噴水は唯一チェカの誕生日祝い等、かなり最近作られたと名言されている物です。
これが昔の建造物が残ってるならならまだしも…5年前で、なおかつ区画整備と思想が違うとなると政変がかなり最近起きたことが伺えるのではないでしょうか。

原初の噴水…

何故か家具で作れる噴水が暁光の都にあったものと違う。何故か元来の…水を分配するために作られた「共生」を思わせる思想なの含めて、政変した結果噴水周りの計画変わったと。遠回しに表現してる気がするのです。

・象の墓場から見る政変

以上のことから十数年の合間に政変が起き、開発周りの意向が変わったたんじゃないかな…?という匂わせが建造物含めて強いと感じる「暁光の街」

変わった時期は「タマムイ」やメイン6章周りの話を鑑みるに父王が臥してファレナ王太子摂政に移行したあたりかな…となりつつ。
恐らくこのあたりのいざこざで開発が途中で取りやめになったんじゃないかな…と思われる場所がツイステで繰り返し、度々言及されます。

「エレファントレガシー」
正確には「エレファントレガシー」とその周辺です。え?観光地として綺麗に整備されてたじゃないと思われるかもしれませんが、その実違和感のある箇所があるのです。

・道路整備。

まずは道路整備事情。
街の開発がある程度進んでいるのに反しヴィルが知ってるエレファントレガシーは無論、ライオンキングの有名なライオン王子お披露目の高台。
観光客が行きたいだろう有名観光地に行くまでの道路が整備しきれていない状況です。

いくら自然を守る為とはいえ、有名な観光地だからと赴く→車がパンクする→という流れが多発してるように伺える状況。修理へ赴くのも大変。スクラップ行きもあると考えると…観光地に行く途中で車を打ち捨てる状態すらあり得る以上、自然を守るにしろ本末転倒なのです。

実際モデルとなっているであろうアフリカは内地が多いお土地柄、陸路での安全な輸送技術はまま経済発展に繋がる故今道路整備にかなり力を入れてます。

内地が多い半島というお土地柄は夕焼けの草原も同じですからね…道路の大事さは同じなのです。
それが何故整備されてないのでしょう。

・温泉地として。

次に「エレファントレガシー」自体の描写

現状ある種のレクリエーション施設で温泉卵つくったり他地熱を使った施設だということを語られてる感じを見るに日本の別府温泉が近いイメージでしょうか。

なんせあそこかつては忌み嫌われて「地獄」と名がついた場所で。今ではその源泉を巡る観光ツアーある上温泉卵と蒸し野菜は言わずもがな。

他にも蒸し風呂や砂風呂。最近では泥パックだったり入浴を抜いても美容推しも熱くヴィル様が好きそうなレクリエーションが沢山。
…とまぁ日本にかなり近いモデルがあるからこそやはり違和感を感じる部分は出てきます。

何故入浴施設が王家の保養所にしかないのだろうか?無論水が貴重だから仕方ないみたいな話なのかもしれません。

ただモデルの土地からして自然に開かれた温泉がある中。王家が独占する入浴施設が存在すること…私はどうしても先述した「水を支配できる王は偉大」という絶対王政的な思想が見え隠れするなと感じてしまうのです。

・「影の国」はどこへ

いや道路や温泉の話は言いがかりすぎる仕方ない部分があったんだろうと思うかもしれません。
ただ私が一番気になっているのはここです。

「影の国」の人々はどこへ行ったのでしょう。
原作「ライオン・キング」からして「影の国」はハイエナたちが住んでいた「象の墓場」がモデルなのは確かでしょう。
なのに観光地「エレファント・レガシー」周りには何故かハイエナ周りの話が出て来ないのです。

ハイエナ獣人であるラギーはスラム育ちだという。ゴミ溜め育ちとまで言われてる。
なのに原作にて彼らの住んでいただろう「象の墓場」は整備され観光地になっている。
開発というのは個人の力では難しい。
力技で開発を強行した歴史があるならラギーとレオナの仲はもっと劣悪になりそうなもの。
そういった軋轢がらない以上開発は穏便に。「影の国」の協力の元行われてそうだ。ならば一番恩恵を受けるはずなのはハイエナ獣人でもおかしくない状況で。
現状あるのは王族の保養所。
ハイエナの影も形もない。
この状態そのものが政変を色濃く表してないでしょうか。

【シン・エレファントレガシー開発計画】

さて、先程地熱レジャー施設の事例として別府温泉を挙げましたが…その実、別の側面があるのを皆様はご存知でしょうか?

「地熱エネルギーの活用研究」
そうなのです。別府温泉を擁する大分県は日本最大の地熱発電所が存在するのです。今二酸化炭素を排出しないエネルギーとして注目されているのです。
こういった場所で培われた技術は今海を超えて…海外でも取り入れられており。

アフリカではそれこそ「ライオンキング」のモデルとして有名で、火山帯を擁するケニアで積極的に導入が進められている技術だったりします。
ここまでくればもうお分かりでしょうか。
私は思うのです。「エレファントレガシー」は最終的に地熱発電所を擁する計画だったのではないかと。

実際バルキャンをはじめとして7章でもレオナは地質学、エネルギー工学に相当気にかけている姿が描写されている。こういった思考の奴が以前にも居たならばあの「エレファントレガシー」を単なる地熱レジャー施設で終わらせないだろうと思ってしまうのです。

ただ、発電施設のような高度な技術を維持管理するにはどうしても技術者の育成、教育もしていかないといけなくなってしまう。だったらまず必要な物は何か。
答えは無論「学校」です。

ラギーの新SSR「アイボリー・クリフ制服」のバックには象の墓場にあったような大きな骨とハイエナの像が写り込んでいる。
ラギーのこの姿は「エレファントレガシー」の開発が想定通りに進み。地域開発も進み。教育普及の一環として国を支える技術者育成という名目の元「エレファントレガシー」学校が設立。
そんな中ラギーが、いや街に住んでいたハイエナの皆が等しく豊かになり。等しく学校に通える。
そういった。実際に一度は計画自体は存在してそうな「夢」なのではないでしょうか。

英訳版の「エレファントレガシー」は「アイボリースプリングス」となっていますしね。
「アイボリー」は元来象牙色という意味。
どうしたって「象の墓場」を彷彿とさせるものなのです。

また、ライオンガードシリーズにおいてハイエナの女王ジャスイリは「スィスィ・ニ・サワ」(私達は同じ)というモットーを持ってます。
共同体意識が強いハイエナという要素はラギーの地元ネタにも色濃く現れています。

・まとめ

・夕焼けの草原ではここ十数年の間に何かしらの政変があったのではないか。
・5年前に建設された噴水と都市計画は異なった思想の元作られていそうである。
・そういった政変の中で宙ぶらりんになったのが「エレファントレガシー」周りの開発なのではないか。
・メイン7章にてラギーが見ている夢は「エレファントレガシー」周りの開発が順当に進んだらという本当に存在した計画が元なのではないか。

以上となります。

7章にて新しく学校を設立するような夢が既に出てきていること。
ただそれはカリムにしろ、ジャミルにしろ、アジーム家の莫大な財力なら実現できる故齟齬があまり出ないという構造でした。
その手の夢を、そういったこととは一番遠いかつ、よく言えばリアリスト、悪く言えば現金なラギーが夢を見て齟齬が出にくいとなれば…
彼の生きる現実に「元ネタ」があったのではないかと思ったのです。

とはいえ現実でも規制や反対が出るのが地熱発電。掘削と環境破壊が紙一重な関係上慎重にならざるを得ないですし。

火山活動が盛んということは硫黄が取れる訳で…

硫黄は化学兵器を作る上であまりに要すぎる素材。こういった資源をハイエナ達が所有してしまうと考えたら…そら王家や他種族から見た場合いくらなんでも怖すぎる。
軍事を掌握されかねないものこの知識。
そのため観光地として開発してる段階までは協力できてもその先の開発にストップがかかるのはまぁ…自然の流れだったんじゃないかな…あと王家が保養所として所有することになることも。

「エレファントレガシー」に「アイボリー・クリフ」いずれにせよその本質は「理想像」
…やたら夢を見せるのが得意な存在が語り聞かせてしまった「夢物語」
「現実」で象ることのできない砂上の楼閣なのではないか…と、私は思ってしまうのです。

故にこの話はラギーの夢だけでは終わらない。
ラギーな夢で散々「理想」を出した後
レオナの夢で「現実」を突き詰けてくるんじゃないだろうかと思ってます。

…という訳で続きは暁光の都第三弾。まとめでちょっと触れた環境問題周り等「現実」について掘り下げていこうと思っております。

終わりに…理想都市「エプコット」

かつて、かの偉大なる創造者ウォルト・ディズニーは自身の描いた理想の未来都市を現実に作ろうとしていました。
その名を「エプコット」といいます。

エプコット周りについてはみょん様のツイートが詳しいので是非こちらを。端的に言えば次世代のエネルギー開発や農業開発。色々な最先端の研究を共同でする理想に突き進む実験都市計画です。

ではそんな理想都市が今現在どうなってるかというと、ウォルト・ディズニーの死後、理想を追いつづけることが出来ず一般的なディズニーパークとして開園することとなりました。
これこそまさに理想が現実に負けた一例なのかもしれません。

・おまけというか宣伝というか

え?別府とかいう九州の温泉じゃイメージ湧かない?そんな貴方に熱川温泉!

地熱利用した温室「バナナワニ園」が有名な静岡の温泉!!熱気だらけの街は一見の価値有りです。

サバナクローの気質周りの考察。思えばこの頃から「革命」って言葉使ってるんだな…なんか因果を感じます。

都市計画話。暁光の街以外も書いてるよ!ということで。「美粧の街」とかやってないじゃないかって?実は最近いい資料手に入ったので花の街やらなんやら含めていつか書きたいんだ…追いつかないんだ…

今回の話とは直接関係ないのですが言葉の意味や使い方が長い歴史の中変わってしまう事例として。噴水周りの話もこういった事例の一つなんじゃないかなと。

あっあぁーーー王政周りに関して歴史的な観点のガチ考証を終夜様かしてくださってる…だと?ありがたや…めちゃくちゃ分かりやすい…すごい…

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