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神山まるごと高専 受験記

お久しぶりです、瑠日です!
受験結果の報告が大変遅くなってしまいました。。ごめんなさい🥲
この記事の本文は以前Instagramに投稿したものになります。受験終了直後の私が新鮮な記憶で書いた言葉を、ぜひ最後まで辿ってみてください。


<まえがき>

私は、徳島県神山町にある神山まるごと高専という学校を受験しました。2023年は私の人生史上1番成長した年だった気がします。そこで私が感じたこと、学んだこと、たくさんの人に伝えたいと思って受験記を書きました。
読んでくださった皆さんの中でこれから受験を控えてる人もそうでない人も、自分の世界が広がって、生き方を考えるきっかけになれば嬉しいです。


<前編>

神山まるごと高専と出会ったのは中2の初め頃だった。通っていた習い事からのメールで知った。その後、試しに参加してみた学校説明会で衝撃を受けたことは今でも覚えている。

私は中学校に入学した直後から、理不尽な校則や一方的な授業に疑問を持っていて、「生徒自身が考えて、つくって、動かしていく学校」をつくりたいと思っていた。

そんな私にとって、神山まるごと高専の環境はまさに理想だったのだ。
ただ教科書に従って勉強するのではなく、インプットアウトプットを繰り返して深めていける授業。校則がなく、自分たちで必要なルールを決めて実行していく自由と責任。

私がつくりたかった学校を先につくられてしまったのは少し悔しかったが、
学校に対して初めてワクワクする気持ちを抱けて、心から通いたいと思えた。
そしてその学校に出会えたことは運命だと思った。


夏に、神山まるごと高専が開催するサマースクールが行われることになった。
5泊6日で学校生活を体験できるプログラムだ。
中3しか応募できないから、私は迷わず応募することを決めた。サマースクールには選考があって、動画課題と小論文課題を提出しなくてはならなかったのだが、それが予想以上に難しかった。

神山まるごと高専は「正解のない問い」を大切にしている。模範回答なんてないから、たくさん考えて自分なりの答えを見つけなくてはならない。
大きい模造紙を買ってきて、自己分析をたくさんした。
どんな未来を想像しているのか?
どんなことをこれからしたいのか?
これまで何をしてきたのか?

私らしさを全面に出して課題を提出し、結果は合格だった。
私という人間の個性を認めてくれたように感じて、嬉しかった。


8月16日。
台風の影響で飛行機が飛ばなくなってしまったから、1日遅れて徳島へ旅立った。憧れの学校に行けること、1期生に会えることが嬉しくて嬉しくて。
ずっとワクワクしていた。

でもその初日のワクワクとは裏腹に、
サマースクール中は辛いこともたくさんあった。

4人で行うゼミ活動。私がファシリテーター役だったのにうまく話し合いを進められなくて、最終日のプレゼンに間に合うか心配だった。
初めて喋る1期生の人に勇気を持って相談してみたり、広報担当のスタッフさんと話したり、夜中までゼミのメンバーとアイデアを煮詰めたり。
たくさん悩んで涙を流したけど、そうやってモノづくりに本気になれる仲間がいること、そうさせてくれる環境があることはこれ以上ない幸せだった。

最終日。
サマースクールに来る前、私はプレゼン力を高めることを目標としていた。ゼミ活動のアイデアやプロトタイプはクオリティの高いものではなかったかもしれない。
でも、たくさん悩んだ分たくさん成長したから、起業家の方々を前にしてもちゃんと自分の熱意を自分の言葉で伝え、納得のいくプレゼンをやり切ることができた。プレゼンまでの過程を見てくれていたある1期生の方が、
プレゼンが終わった後に「泣きそうになった。」と言ってくださった。
とても嬉しかった。

人の心を動かすことはそう簡単ではない。でも全力を注いだその過程があったから、人の心に触れるような熱意のある言葉を届けることができたのだと思う。

たくさんの人の支えとゼミメンバーとの試行錯誤があったおかげで、私は成長を楽しめる自分の存在に気づくことができた。
サマースクールに行っていなかったら今の自分はいないと思う。

そしてサマースクールではその後の受験で心の支えになった、たくさんの仲間に出会うきっかけにもなった。

神山まるごと高専 Summer School2023

<後編>

9月16日、入試要項が発表された。
入試というプレッシャーに押し潰されそうになりながらも、私らしさをぶつけて思いっきり楽しむことを心に決めた。

入試の課題を完成させるためにいろんなことをした。
図書館の入ったこともない資料館に足を運んで情報収集したり、動画に使う音楽を大好きなクリエイターさんに連絡を取って許可をもらったり、問われた言葉の定義を明確にするためにノート1冊書き終えてしまうほど自己分析をしたり。
「正解のない問い」に私のやり方で全力で向き合った。

でも、本当に神山まるごと高専に行きたいのかわからなくなって、やりたいことを見失ってしまうときもあった。そんなときは決まって学校のホームページを見に行って、開校までのドキュメンタリーを見返した。
そこには、学校関係者の方々が「人間の未来を変える」ための学校づくりに熱くなって走っている姿があった。

本当にここから未来が変わる予感がしたから、
その一員に私もなりたいから、
ここに行きたいんだ。

そう思い出して、前に進んだ。

一次試験の結果は合格だった。
私らしさを最大限に出せたから、自信はあった。だが、まだ終わりではない。
二次試験で直接、スタッフさんに熱意を伝えなくてはならない。
私は面接が苦手だ。自分の考えはあってもうまく言語化できなくなって、なおかつ想定していない質問がくると頭が真っ白になってしまう。
ちゃんと答えられるだろうか。心配だった。

二次試験当日、アドバイスをもらって緊張せずに話すことはできたものの、やり切ったとは感じられなかった。
そして結果は不合格だった。


受けるか受けないかは任意だが、二次試験の不合格者にはもう一度、試験の機会が与えられる。私は、二次試験の結果に妙に納得してしまって、私らしさを見せて楽しむことができなかったことを感じていた。
まだやり切ってない。このままじゃ終われない。
大好きな学校だから、どうしても行きたい。

もう一度、受験することにした。

そこからの1ヶ月、この受験期間で1番頭を回転させた。
本当に私がイメージしていることが言語化できているか?相手に伝わっているか?熱意を持って語れるか?そう自分に問い続けた。
出された課題の小論文は何回も書き直して、たくさんの人からフィードバックをもらった。面接も、頭が真っ白にならないくらいに自分の思いを詰め込んでいこうと思って、なぜ神山に行きたいのか?なぜここじゃなきゃいけないのか?ここで何をしたいのか?将来どんなことをしたいのか?今までどんなことを学んだのか?
全ての問いに自信を持って答えられるように、母と一緒に130回以上は喋る練習をした。

前日から徳島に入って、徳島駅近くの神社で絵馬を書いてお守りを買った。またここに戻ってこられるように。
その日もたくさん練習して、ドキドキとワクワクを抱えて寝た。


1月13日。
1ヶ月前はまだあやふやだった自信と、ここに通うという覚悟。
でも今日は違う。全部伝える。
試験会場に向かうバスの中で、私は覚悟を決めた。

面接中、私はずっと泣いていた。その涙に明確な理由はないけど、もう一度チャンスを与えてくれた学校への感謝の気持ちと辛くて楽しい受験がもう終わってしまうという悲しさで感情がぐちゃぐちゃだったんだと思う。
面接官の1人に、学校の理事メンバーの山川咲さんという方がいた。
咲さんはサマースクールのゼミ活動で私の話を聞いて「涙が出るのはそれくらい本気でやってるってことだね」と言ってくださった。
私の気持ちを受け止めてくれる方に、入試という場で学校への熱意を伝えられた私は運が良かったと思う。

等身大の私の言葉で自信を持って話した20分はあっという間にすぎた。
会場を出た私は清々しい気持ちだった。もう悔いはない。


合否が発表された。
不合格だった。


伝えたいことは伝えきったから、合格でも不合格でもどっちでも良かった。

でも、大好きな学校だったからやっぱり通えないのは悔しかった。
たぶん私にはもっと合う道があるんだと思う。
それをこれから色んなことを経験して色んな世界を知って、探していきたい。

今まで課題を手伝ってくれた両親、
応援してくれた友達、相談に乗ってくれた仲間、
素敵なメッセージをくれた2期生、
私を成長させてくれた1期生とスタッフさん、
学校を創ってくださった皆様、
ありがとうございました。


<あとがき>

不合格だった私が言えることじゃないかもしれないけど、この濃い1年を過ごした私から最後に伝えさせてください。

「自分の世界が広がる瞬間のワクワク」を感じてみてほしい。

思いつかなかったアイデアに出会ったとき、クオリティの高いモノを見たとき、新しい歴史を学んだとき…きっとそれは日常の中にたくさんあります。一つ一つの物事に対して、自分の心が動いた瞬間を見逃さず深く考えてみてください。その先に広がる自分の知らない世界にワクワクして、行動を起こす原動力になるはずです。

「誰かに言われたから」「みんながそうだから」と思い込まず、どんな生き方をしたいのか考え選択し、ワクワクを追いかけて、自分で人生の楽しさを創れる人になってほしい。その先にきっと多種多様な生き方で溢れた、今より面白い世の中が待っていると思うから。



最後まで読んでいただきありがとうございます。
不合格という結果にはなりましたが、私は今も人生を楽しく生きているし、
不合格だからといって、神山まるごと高専を受験したことを後悔したり恥ずかしく思っているなんてことは一ミリもないです。
受験が始まってから約一年経った今でも、大切で大好きな色濃く残る最高の思い出に変わりはありません。めっちゃ楽しかったな。
3期生を目指す皆さんはそろそろ受験の時期でしょうか。たくさん悩んでたくさん成長してたくさんワクワクしてください!心の底から楽しんで!!


高校生活が始まってからも新しいことを色々始めているので、
そのうちnoteに投稿します!(1ヶ月以内には!!)お楽しみに

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