見出し画像

BOSS GX-10 レビュー

BOSSの新製品 GX-10をリハーサル及びライブで使用したのでレビューしたいと思います。
まだ使い始めで気付かない点などもあるかもしれないので、都度追加していきます。内容に関してはマルチエフェクターのリテラシーがそれなりにある方向けの内容になっておりますので、ご了承ください。

気になる点があればコメントいただければ可能な範囲で答えていこうと思います。


良い点


◆BOSSマルチ伝統の便利機能がしっかり付いてる
・各フットスイッチに自由にあらゆる機能を割り当てられるアサイン機能
・物理ノブに自分の好きなパラメータを割り当て出来る

◆カレントナンバー機能が付いてる
例えばAというパッチを選んだ状態で、Aのパッチに対応しているフットスイッチを押すと、カレントナンバーという操作になり、これにあらゆる動作を割り当て可能です。
これは上位機種のGT1000COREにも付いていない機能で、超便利です。
3つしかいないフットスイッチですが、カレントナンバーを使えば実質的に6つのフットスイッチを活用できる形になり、一つのパッチで二つの音色を行ったり来たり出来るので実質1バンクで6つの音色を扱うような使い方が可能です。

◆視認性の高いタッチパネル
GX-100譲りのタッチパネルですが、非常に視認性が高く、ライブ中の暗いステージでも、どのエフェクトがONになっているかをしっかり確認する事が出来ます。
また、エディットするのにも非常に便利で、スマホやPCのエディットソフトを使わなくても、本体のみで好みの音色を作っていくのに十分な操作性です。

ステージに立っている状態でもしっかり見える!

◆IN/OUTインジケーターも見やすい。
ライブでよくある典型的なトラブルとして、音が出なくなるというのがあるかと思うのですが、ここのインジケータを見れば、GX-10の前段に問題あるのか、後段に問題があるのか、この機体自体に問題があるのか、一瞬で把握出来るのはトラブルシューティング的に最高です。

◆DSPパワーは十分
サイズが小さいので同時エフェクト使用数や、リソースを大きく使うエフェクターの使用制限が気になっていましたが、ピッチシフターとAIRDプリアンプ2機、モジュレーション複数、その他コンプ等を積んでみても問題なかったので、相当ヘヴィな使い方をしない限り、同時使用エフェクトの制約で問題は起きないかと思います。

これだけ積んでも問題無し

悪い点


◆本体の物理ノブにグローバルEQをアサイン出来ない。
ライブでは会場の広さや音響特性に応じて音質を調整する必要があり、グローバルEQをその場その場でいじるケースが多々あります。
例としては狭いリハスタではローが回りがちなので、ローをがっつりカットするとか、逆に天井が高くて広い会場ならローをブーストして重厚感を出すとか。
BOSSの他機種、例えばGT1000COREや下位機種のGT-1ではグローバルEQを物理ノブにアサイン出来たのですが、当機種はそれが出来ず、メニュー階層を潜り、グローバルEQメニューにたどり着きやっと調整出来る感じです。
リハーサルの限られた時間の中でグローバルEQをささっといじれないのは結構ストレスです!

◆重い
これは仕方がない部分かと思いますが、普通に結構重いです。笑
GT-1やGT1000COREと同じ感覚で持ち運ぼうとすると、だいぶしんどいです。
上記機種と比べて2倍近くの重さにはなるので、サイズは小さいものの、ギグケースに入れて持ち運ぶにはそれなりに億劫になる重量感です。

◆タッチパネル操作がややもっさり&ドラッグがし辛い
ちょっともっさり気味で、エフェクトブロックもドラッグがややし辛い印象です。
指をしっかり押し付けて、グググって動かす感じ。笑

◆目当てのエフェクトが探しづらい
エフェクターはある程度カテゴリでまとめられいるのですが、それでも目当てのエフェクトを探すために右にスワイプ動作をし続けてちまちま見つけるしかありません。

端っこにあるベースのペダルベンドのエフェクトを適用する場合、
右端まで頑張ってスクロールしないといけない

◆ポリフォニックチューナーの精度に期待はしない方が良い
ポリフォニックチューナーが付いているのは凄く便利なのですが、精度はそこまで高くないなと思いました。
自宅でのちょっとした練習時なら良いかもしれませんが、ライブでは1本1本鳴らしてチューニングする方が良いかな~って感じです。

ポリフォニックと単音のチューナーが同時に起動出来るのは便利

◆ストンプボックス機能が付いていない
GT1000及びGT1000COREについている超絶便利機能ストンプボックスが付いていないです。
これは特定のエフェクターの設定内容をパッチ間で共有する機能で、各パッチの音色設定を標準化するうえで超便利なのですが、残念ながら当機種には付いていないです。悔しい!



音質について


GT1000及びGT1000COREと同様のAIRDテクノロジーというものが使われており音質的にはほぼ同等ですが、スペック上の音の解像度はこちらの機種の方がやや低いです。
が、体感上では十分な音質で、所持しているGT1000COREと比べて音質の低さは感じなかったです。


総評

BOSS製品は廉価ラインのGT-1ですら、現場の事が考えつくされた痒いところに手が届く機能性の高さを実現してらっしゃるので、その分厳しめな評価になってしまいましたが、間違いなく買って良かったです。

音色をめちゃくちゃいっぱい使いたい人や、音質に異常に拘る人で無ければメイン機としてでもサブ機としても持ってて損は無い製品だと思います。
BOSSさんいつも俺の荷物を減らしてくれてマジでありがとうございます!!!!!!!

いいなと思ったら応援しよう!