都会の中でオタマジャクシ捕りに興じた日
バケツを見つけたのが始まり
通りかかった公苑でバケツを見つけた。
その近くでは近所の小学生と思われる男の子2人組が虫取り網を片手に水辺に入り込んでまで何かを捕っていた。
オタマジャクシだ。(一緒に入っている玉はBB弾っぽい様子だった。)
どこで捕れたのか聞いていないが、ザリガニも捕っていた。
しばらく2人の様子を見ていると、自然と2人のオタマジャクシ捕りに協力するようになっていた。「手伝おうか」などと声をかけたわけではない。ただ自然と協力するようになっていた。
この公苑は水辺がよく整備されていて、非常にきれいな流れが設けられていた。
理由はないが、2人のオタマジャクシ捕りに協力するようになり、オタマジャクシを探し始めた。俺はさすがに水辺に足を突っ込める足元ではなかったので、岸や石の上からオタマジャクシを探した。
いた。オタマジャクシは確かにいた。
探しては捕まえ、探しては、探しては…と、そのうちに3歳くらいの1人の娘さんを連れたお母さんと娘の親子連れがやってきた。虫かごと虫取り網を抱えていた。
その親子連れと男の子2人組、そして俺、この5人でのオタマジャクシ捕りが始まった。
公苑の水辺を探し続けて、オタマジャクシを見つけると、
互いの虫取り網やバケツを駆使して、
オタマジャクシを追い込んで捕まえた。
確か、最終的な釣果はこうだった。
男の子2人組のバケツ。その日の1日分の釣果。ちなみに、男の子2人組は、この公苑でカエルも捕った事があると言っていた。しかし、この日はカエルを見かける事はなかった。
親子連れの虫かご。娘さんは水辺に入らなかったので、お母さんが虫取り網を持って水辺でのオタマジャクシ捕りに挑んでいた。
ちなみに、男の子2人組から譲られたものもある。娘さんは喜んでいた。
十分な釣果を得た後、お互いに名乗る事もなく、それぞれ公苑を後にした。オタマジャクシ捕りを通じて、非日常的な交流を楽しんだ俺だった。
ちなみにその日は、公園の水辺にはオタマジャクシの他にアメンボもいて、何匹か捕れていた。
男の子2人組のもう1つのバケツ。アメンボが2匹入っている。
俺か。俺は1匹も捕っていない。探すのを手伝っただけだ。
この公園は都会の真ん中にありながら、良い自然に溢れていると思った。
どんな場所にあるのかというと、
周辺は学生街と1駅行けば東京ドームというくらいの都会の中にあるのだ。すごいと思わないか。こんな所でオタマジャクシが、カエルが、アメンボが、捕れるなんて。
この公園は「本郷給水所公苑」という。公園ではなく公苑と書く。
良い公苑だろう。そう思わないか?都会の喧騒から逃れるには良い場所だ。
なんで公苑なのか?それは以下を読めば分かると思う。
こうえん[公苑](名)
動物・森・池などを自然のままに近い状態で、公衆に見せる所。
出典:見坊豪紀他『三省堂国語辞典 第七版』p.470、三省堂、2014年。
おまけ
この本郷給水所公苑は、小さいながらバラ園も整備されていて見頃を迎えるときれいなバラがさいているのでバラも見所になっている。バラ園の整備は地元のボランティアの人だろうか、整備の様子を見かける事があった。手入れが行き届いているのは確かだ。
良い公苑だろう。そう思わないか?都会の喧騒から逃れるには良い場所だ。
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